【10秒台のお宝ラップ】
弥生賞は9着に失速した
ダイワキャグニー。中山2000mは、コーナー4つ、初の右回り。北村がなんとかなだめ折り合いをつけようとしたが、ハミを噛み外にモタれ、直線を向いたときは完全に上下の
バランスが崩れてしまった。右回りというか、プレッシャーの多いタイトなコースは、この馬にとって現状は厳しい。しかし、東京に替われば別馬に変身する可能性大。
新馬戦時は、まだ馬体も筋っぽく、パドックで馬っ気を出すなど若さ丸出し。それでも1勝はガッチリと確保。続く
セントポーリア賞ではパドックでパシュファイヤーを装着。尾っぽを振り振り、まだ随所に幼さや若さを覗かせながらも、11秒4-10秒8-11秒5(3Fは33秒7)というレースラップを、上がり33秒4で先行抜け出し。東京コースの10秒8という具体的数値は、将来を占う宝物になる。
対抗は
レッドローゼス。
山藤賞は1000m通過が1分2秒7のスロー。終いに比重の高い瞬発力勝負が見えていたが、11秒7-11秒1-11秒3(3Fは34秒1)というレースラップに対し、自身のソレは33秒3。緩ペースの単調な上がり勝負にせよ、中山の急坂を推定11秒を切る加速ラップは出色。
決め手なら
スズカメジャーも遜色なし。ニュージーランドTは、自身の5F通過が1分1秒7の超スロー。心身ともに幼く、馬込みには入れない。4コーナーでは無理を承知で大外を選ぶしかなかったし、一瞬脚は使ったものの結果は消化不良の6着。しかし、東京の直線ならエンジンフル回転。二走前のフ
ローラルウォーク賞は、全体時計こそ1分35秒7だったが、ラスト3Fのレースラップは11秒9-11秒4-11秒3(3Fは34秒6)。その上がりより1秒速い33秒6でドトウの強襲。ゴール前1Fは明らかに10秒台のラップを刻んでいた。
思えば
母スプリングサンダーは
阪急杯2着、
CBC賞2着など6-7ハロンで5勝を挙げた切れ者。母の兄
スズカマンボも、2000mのGIII級から一気に
天皇賞(春)へとジャンプアップした、破天荒な馬だった。
プリンシパルSで、ひと化けがある。
惑星は
スイーズドリームス。母はGI・
宝塚記念で牡馬を撫で斬りにした
スイープトウショウ。勝ち上がりに三戦を要したが、前回の上がりは推定11秒7-10秒8-11秒3。3F・33秒8という数字に血統馬ならではの才能が読み取れる。
エトルディーニュは、
セントポーリア賞で本命馬の2着、
共同通信杯も1分47秒9で2着に食い下がった頑張り屋。2000m適性が微妙だが、
ニシノアップルパイの前走・1分34秒7は、同条件の稍重で行われた、前日のダービー卿CTと同タイムだった。