※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
秋がエリザベスなら春はヴィクトリア。古馬牝馬女王決定戦です。創設当初は
コイウタや
エイジアンウインズという「一発屋」が名を成したこともありましたが、最近ではすでにGIで好走歴がある名の通った馬が上位を占めるケースが多くなっています。好走のハードルが高くなり、レースの格のようなものが形成されてきたといえるでしょう。
1.ひと叩きされたGI実績馬を尊重
ストレイトガールは昨年が7番人気で、一昨年が5番人気。2014年の勝ち馬
ヴィルシーナ(11番人気)、その前年の
ホエールキャプチャ(12番人気)はいずれも人気の盲点でしたが、いずれも「ひと叩きされたGI連対歴がある実績馬」という共通点がありました。トップクラスで勝負できる牝馬の数はそれほど多くなく、実績馬からマークを外せません。
2.高速マイルを走る準備はあるか
一昨年断然人気に支持されながら6着に敗れた
ヌーヴォレコルトはマイル戦は
桜花賞では3着、重賞でのマイル実績は時計の遅い
チューリップ賞2着があるだけでした。この時期の東京コースは芝の状態が良好で高速決着になるのが常ですから、実績が中距離に偏った馬は疑ってみる必要があります。
3.牝馬の前哨戦は過信禁物
牝馬は牡馬に比べて体力的に劣るのが当たり前で、前哨戦と本番を続けて好走するのは簡単ではありません。この前の
桜花賞も、前哨戦で人気を裏切った
レーヌミノルと
リスグラシューのワンツーでした。その傾向は
ヴィクトリアマイルでも同様で、過去10年の前走1着馬は、1番人気3頭を含みながら[1-2-3-31]と不振。一方、前走馬券圏外から巻き返して勝利した馬が7頭いて、そのうち5頭は前走で掲示板も外していました。
クイーンズリングの前走は、休み明けで自身最高馬体重、くわえて道悪で落鉄もしており、15着大敗もまったく気にする必要はありません。昨秋の
エリザベス女王杯の勝ち馬ですが、当初は
マイルCS参戦も検討していたくらいで、むしろよく中距離でGIを勝てたな、というくらい。ベストではない距離で古馬牝馬の頂点に立った馬が本来の適条件に戻るわけですから、この馬を一番上に置くのが自然です。
ミッキークイーンはマイル戦ではこれまで[2-3-0-0]ですが、前走の
阪神牝馬Sを含めて勝った2戦はいずれも重馬場でした。3度の2着のうち2度は1番人気でのもので、良馬場の時計勝負は必ずしもベスト条件ではありません。ただし、叩き良化型の馬が前哨戦から動けたのは好材料。
ソルヴェイグは函館ス
プリントSで上がり3F34秒3、
スプリンターズSを3着した時は34秒0をマークしており、前に行って速い上がりを使えるのがセールスポイント。距離は未知数ですが、折り合いのつくタイプだけに侮れません。ここで人気になる
レッツゴードンキとは勝ったり負けたりの力関係で、時計が速い競馬ではいつもこの馬が先着しています。
スマートレイアーはこのレースをこれまでに3回使って馬券圏内がありませんが、去年の4着はハイペースに巻き込まれながらの強い内容でしたし、このコースでは
東京新聞杯を勝った実績もあります。前走では
京都記念2着と、7歳でも衰えは見られず、むしろ先行力が強化されたいまが生涯一番の充実期ではないかと思われます。
レッツゴードンキは
高松宮記念を2着、完全にスランプから脱出しました。ただし、競馬ぶりが不器用でレース展開に注文がつくタイプですし、時計が速い競馬は不得手の部類で、近2走はいずれも稍重馬場での好走でした。
ルージュバックの
金鯱賞9着は直線で不利を受けてのもの。本来の外に出す形がとれればあんな結果にはならないはずですし、このレースを連覇している戸崎騎手の騎乗も心強いところ(昨年は
ルメール騎手に乗り替わり)。
ジュールポレールは
阪神牝馬Sを3着に敗れましたが、道悪馬場で格上相手に早め先頭に立つ、堂々たる内容でした。スピードが活かせる良馬場ならもっときわどい競馬ができるでしょう。初の関東圏への輸送をクリアーできれば。