【混戦】グランシルクはNHKマイルCで1番人気など能力の高さを感じる存在。展開次第の面持つも動き上々で重賞Vを期待。キャンベルジュニアは休み明けの前走を快勝。昇級でも力量上位で連勝も十分。ダイワリベラルはコース適性十分でB着用の効果もあり好勝負期待。マイネルアウラートも充実示し上位の候補。ロジチャリスも状態前走以上で侮れず、ロイカバードやガリバルディなども差なく要警戒。

【ゴーサインが出た】キャンベルジュニアが初重賞制覇に挑む。南半球馬の誕生月は、日本より半年遅れ。同じ5歳表記でも成長はゆっくりめ。それを考慮し、本馬のキャリアはまだ〔5212〕。

　ただ昨年の関門橋Sは、マイル通過・1分33秒9というタフなミドルラップを、四角先頭から押し切る横綱相撲。1分45秒5は、一週前の小倉大賞典より1秒2も速かった。

　中山マイルは、前走を含め1分33秒3-4で2勝を挙げている。間隔が短いため出走発表は木曜日の追い切りあとだったが、慎重で知られる堀厩舎が、ゴーサインを出したとあれば、走れる状態にあるということだろう。

　グランシルクも、重賞奪取にあと一歩。昨シーズン、東京の芝1400m戦で32秒台の上がりも計時。年末は阪神Cへ挑んだが、さすがにGII。外一気の構えでは、先頭が遠かった。

　しかし、オープン特別のニューイヤーSは、前年の3着に続き今年も1分33秒7で2着。当該マイルは、ニュージーランドT2着など、持ち味である一瞬の脚をいかすにはもってこいのコースだ。今回は55キロと斤量にも恵まれた。

　決め手ならガリバルディ。不器用な追込み馬だけに、トリッキーな中山マイルは道中の位置取りがより大事に立ってくるが、GIIIマイルの中京記念で一気差しを決め、前走の大阪城Sも57キロの斤量を背負い、上がり32秒8で3着に猛追してきた。

　走っても走っても何故か人気はないが、マイネルアウラートは58キロでニューイヤーSを完封。東京新聞杯もコンマ4秒差の4着と崩れずに踏ん張っている。ダイワリベラルは前哨戦の東風Sを2着と好走、中山マイルは内外どこからでも器用に捌いてくる。

　サンライズメジャーも、オープン特別なら力量は互角。近走低迷中も、ダンツプリウスは、中山1600mで2戦2勝と相性がいい。

　ダービー卿CTで狙いたいのは前走準オープンを勝ちたての馬。しかし、今年はよりによって、昨年そのパターンから人気を裏切った○キャンベルジュニアが再昇級でここへ来てしまった。南半球産馬でもあり4歳時よりは5歳時のほうがアテにできるとは思うが、同じ馬に二回引っかかったらアホなので、ここは○までとしておく。

　このレースは年齢別成績でいうと5歳馬が強く、特に前走GIII組だと信頼度が高い。ただ今年は条件にぴったりはまる馬がおらず、5歳馬を取るならオープン特別組に行かざるをえない。そこで◎ロジチャリスとした。今回は▲グランシルクのほうが人気になりそうだが、▲は古馬重賞を4回走ってまだ馬券になっていない。それに対して◎はまだ2回で、うち1回は定量GIIの札幌記念。もう1つのエプソムCでは好メンバーの中で4着している。コースも得意だし、勝ちきるまでは微妙でも3連複の軸にはちょうどよいだろう。

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　◎グランシルクは｢ステイゴールド×ダイナフォーマー｣という組み合わせで、ブレイクランアウト(共同通信杯)の甥にあたる。2代母の父フレンチデピュティは父ステイゴールドと相性が良く、母の父ダイナフォーマーは｢ロベルト系×リボー系｣という底力満点の配合。ステイゴールド産駒の配合としてはA級だ。ダイナフォーマーの巨大な馬格によってステイゴールドの馬体の小ささをカバーしているのもいい。

　持続力勝負に強い血統なので、ニュージーランドトロフィー(G2)2着の成績が示すとおり本質的には中山コース向き。3走前、5走前に東京コースで勝っているが、スピードの持続力が活きやすい1400m戦だった。今回の中山芝1600mは申し分のない条件で、このメンバーに入って55kgのハンデなら勝ち負けに持ち込める。

【波乱含み】比較が難しいメンバー構成で難解。ならば鋭い決め脚がある7ガリバルディに期待できそう。5キャンベルジュニアは昨年が逃げて8着だったが好位差しが狙える今年は巻き返しが可能だ。3ロジチャリスは前走上々で長休明け2戦目の前進に期待。10ダイワリベラルは折り合い次第だが流れひとつで再度の首位争いが可能だろう。8グランシルクは展開次第だが地力発揮なら差し切りも。4ショウナンアデラは長休明けだが乗り込み入念で穴で警戒しておきたい。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　安田記念を決勝とするならば、マイラーズCと京王杯SCが準決勝で、ダービー卿チャレンジTはいわば準々決勝に当たる位置づけ。本番はもう少し先というイメージですが、ダイワメジャーやショウワモダン、トウケイヘイロー、モーリスのように、ここからGI戦線に羽ばたいていった馬も少なくありません。近年重要性が増しているレースです。

1.勝つのは4歳馬か5歳馬

　過去10年で4歳馬が3勝、5歳馬が6勝。2着もこの2世代で7回と、高齢馬はなかなか勝ち負けになっていません。6歳以上の馬は馬単、三連単の2、3着付けにするのが賢明です。

2.先行馬が頑張れる

　マイル戦は原則的に差し馬有利の条件ですが、中山では事情が異なります。過去10年のうち中山で行われた9回では4角4番手以内の馬が4勝して2着5回。カレンブラックヒルは4番人気、トウケイヘイローは5番人気、ショウワモダンは7番人気でこのレースを先行勝利しました。

3.休み明けは苦戦

　過去10年で2か月半以上の休み明けでこのレースに臨んだ馬は[0-0-1-25]。マイルCSや阪神Cなど格上レースからの臨戦馬も含めて、連対した馬はいません。順調に使われている馬が主力になります。

　グレーターロンドンはここまで7戦6勝。2000m未満の距離にかぎれば6戦全勝と、まったく底を見せないまま重賞まで到達しました。前走は時計こそ平凡だったものの、逃げ馬ペースの遅い流れを小細工せずに外から追い込んだもの。あの内容ならば、GIIIレベルが壁になるとは思えません。今季の飛躍へ向けて、要注目の一戦。

　マイネルアウラートはハナを譲った東京新聞杯でも4着。その前走のニューイヤーSを快勝しているように、中山では安定感がアップします。ハンデは背負わされますが、上位安定の一頭。グランシルクはオープンではあとひと押しが足りない現状ですが、中山マイルは現状ではベスト条件で、比較的メンバー構成が手薄なここなら。

　ガリバルディは不器用さがあるので中山マイルがどうかですが、このメンバーでは格上と言える力量馬。以下、中山マイルは大得意のダイワリベラル、時計が掛かれば重賞でも素質上位のキャンベルジュニア、ペースが不向きだった前走は度外視できるロイカバード。なお、マルターズアポジーは大阪杯に向かう公算が大きいため評価を下げましたが、こちらに回って来れば、当然主力の扱いが必要になります。

【小波乱】ガリバルディは地力がある。力をつけているグランシルク。条件が好転するシベリアンスパーブが続く。

平均値トップは108の2頭。どちらも前走同距離コースで110超えという人気になっておかしくない指数持ち。だがハンデ55キロで収まっているのは有利だろう。○キャンベルジュニアは昨年も順調な指数だったのに同レース凡走。ならばオープン実績ある◎グランシルクを上にする。3番手にも指数高い▲マイネルアウラート。

確実にパワーアップした8グランシルクが主軸。差し脚は堅実でうまく仕掛ければ抜け出せる。次位は11マイネルアウラートで先行策から粘り込みは十分。▲は7ガリバルディで距離短縮は歓迎で差はない。

　金、土曜の雨予報に加えて、マイネルアウラートが積極策を宣言。よもや東京新聞杯や東風Sのような超スローにはなるまい。◎に推したキャンベルジュニアは、昨年のこのレースで1番人気の支持を受けながらオープンの洗礼を受ける形で8着に終わったが、自ら刻んだラップと時計は今年のニューイヤーSを上回っており、当時だけ走ったとしても今年は勝負になる可能性が高い。その後に足踏みしたのは、体質の弱さとキレ味に欠けるためだが、マイネルが淀みない流れを作り、馬場が渋るようなら弱点もカバーできる。体質についても、中1週で出否を決めかねてきた陣営が使ってきたこと自体、問題もないだろう。あれから1年。実に24キロも成長したこの馬に、前進はあっても後退はない。
　
　相手筆頭は、マイネルアウラート。前走の東京新聞杯は、ハナを切れなかった上に、超スローのヨーイドンでは厳しかった。むしろ、それでも4着だったことを評価すべきで、得意の中山での積極策なら巻き返し必至だ。3番手には、中山コース2戦2勝で、道悪も味方に付けそうなダンツプリウス。以下は、逆に道悪がマイナスと思えるグランシルク。押さえに、ダイワリベラル、ロイカバード、シベリアンスパーブまでとした。