※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
近年では天皇賞や
ジャパンCという牡馬混合GIで勝負になる牝馬が珍しくなくなった。その反作用で、
エリザベス女王杯が軽く見られる傾向があったが、今年は直近3回の
秋華賞馬が顔を揃えるなど、GIホース4頭が集結。例年になく豪華なメンバー構成になった。
牝馬は牡馬に比べて活躍期間が短く、トップクラスの入れ替わりも激しい。それを思えば、今年の盛況ぶりは
エリザベス女王杯としては空前とも思える。有力候補の数は五指にあまり、馬券的にも面白い一戦になりそうだ。
1.牡馬混合戦の経験が活きる
3歳馬は
秋華賞、古馬には
府中牝馬Sが主要な前哨戦となり、この両レースからの臨戦が多数派だが、少ない出走数の中から、あえて牡馬混合戦から臨んだ馬たちの活躍が目立つ。一昨年は
オールカマーから臨んだ
マリアライト、
ヌーヴォレコルトのワンツーだったし、その前年の
ラキシスも
オールカマーステップ。2010、11年にこのレースを連覇したス
ノーフェアリーも、前走では牡馬混合のGIを戦っての日本遠征だった。
2.より長い距離での実績に注目
牝馬の重賞で2000mを超えるのは、
オークスとこのレースだけ。2200m戦は、普通ならば牝馬には走り慣れない条件で、そこに穴のヒントがある。一昨年6番人気で1着の
マリアライト、2009年に11番人気で1着の
クィーンスプマンテには、いずれも2400m以上の距離での実績が豊富だったし、ス
ノーフェアリーも牝馬でセントレジャーに挑戦したほどのスタミナ自慢だった。
3.順調に使われていることが重要
外厩が発達した近年では休み明けの好走確率が高まったが、スタミナが要求されるこのレースは例外である。過去10年で2か月半以上の休み明けだった馬は[0-0-1-14]。昨年の
ミッキークイーンが3着しただけで、着外に沈んだ馬には一昨年の
ルージュバック、2011年の
レーヴディソールなど人気馬も含まれる。
GIホースたちを押しのけて、「牡馬混合戦
ステップ」「距離実績」の2点で他馬をリードする
スマートレイアーが戴冠への最短距離にいる。
若い頃はマイル近辺を中心に使われていたが、年齢を加えて落ち着きが出たことで中距離路線に転身、7歳にしてようやく花が開いた。牝馬の
京都大賞典勝ちは偉業だし、
サトノクラウンの2着した
京都記念も内容が濃い。
キャリアが豊富でどんな位置取りでもレースができるし、中距離なら確実に末脚を伸ばしてくる。7歳馬の好走例がないことが不安視されるが、一週前調教でも自己ベストを更新したように、現在こそが最盛期と思える。年齢の壁をぶち壊す快走を期待したい。
ディアドラは破竹の3連勝で
秋華賞を制したが、中間の気配を見るかぎりまだまだ余力が残っているようだ。強力古馬との力関係がカギになるが、絶好調の馬に逆らうのは得策でない。
ヴィブロスは強力メンバーだった
ドバイターフの勝ち馬で、前哨戦も負けてなお強しの内容だった。ただし、全姉の
ヴィルシーナがこのレースを勝ち損ねているように、血統的にスタミナ勝負は歓迎ではないように思う。
ルージュバックはこのレースと相性のいい
オールカマーの勝ち馬。
きさらぎ賞、
毎日王冠と、主な勝鞍を並べるととても牝馬とは思えない。ムーア騎手鞍上も魅力だが、大一番に臨むのに鞍上を固定できない点に不安も感じる。以下では、叩き良化型で距離延長も歓迎の
モズカッチャン、前年の勝ち馬で復調気配を感じる
クイーンズリング、地力では最上位も順調に使えぬ弱みを抱える
ミッキークイーン。