【混戦】キセキは香港V9着も不良馬場の菊花賞馬で激走した影響もあった。しっかり立て直され動きに活気戻り力量発揮に期待。ゼーヴィントは骨折明けも乗り込み入念で素軽い動き見せる。能力見劣らずチャンスも十分。ロードヴァンドールは順調度で上回り押し切りも狙える。チェスナットコートは力つけ重賞でも。トーセンバジルも態勢は整っており、サクラアンプルールやガンコなどにも注意が必要。

【次代のエース】香港ヴァーズは、不良馬場を走ったあとの初の海外遠征。皮膚病の影響もあったのだろう。パドックから妙にソワソワとし、スタートで後手。ちょっと寂しい9着となったキセキだったが、7月の中京2000mの上り33秒2、続く信濃川特別の上り32秒9。神戸新聞杯は最速の上りで2着、歴史的不良馬場の菊花賞を闘志満々に外一気。キタサンブラック引退後の中長距離シーンを担う逸材であることは間違いない。

　2月末から時計を出し始め、坂路を交え14日にはCWで78秒1。リフレッシュも完了、中山は初コース云々、そうした案件はアッサリとクリアしてもらいたいものです。

　トーセンバジルは、天皇賞を目指すためにも超えなくてはいけない相手。京都大賞典2着で改めて器のほどを示し、香港ヴァーズは3着。GIIでは格上的存在になっている。ゼーヴィントは、GIIIは2勝。ワンステップアップのためには、上位二頭を食ってここで結果を出したい。

　試金石の一戦になるが、デキのよさならチェスナットコート。早春Sは33秒9という数字通りのインパクトがあった。ガンコも目下絶好調。前後のラップを精細してみたが、改めて日経新春杯3着はフロックではなかった。同レース2着のロードヴァンドールも、横山が魅せる。

　タイトルホースということで▲キセキが人気になりそう。ただ、香港ヴァーズ時はデキ落ちの印象もあり9着。そこから3ヶ月は、リフレッシュしていてもおかしくないし引きずっていてもおかしくないという判断の難しいレース間隔だ。またこの馬は外回りコースで自慢の差し脚を思い切り伸ばしてきた馬。中山だと器用に立ち回れずに惜敗ということになってもおかしくない。

　◎はサクラアンプルール。距離については分からないがもともと中山は合う馬。有馬記念にしても不利がなければ結果は違ったはず。ここは▲が目立つぶんオッズ的においしくなると見る。

　○にゼーヴィント。休み明けだが七夕賞にしてもポン駈けしているし、▲よりは早めに動いて競馬を作っていけるタイプだ。ここは◎○いずれかが勝つ馬単で、▲が2着でもよし、▲が3着以下なら配当が伸びるという構えでいきたい。

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【混戦】14キセキは香港遠征がいまひとつも度外視可能で、改めて決め手発揮に期待大。4ロードヴァンドールは展開次第だが今回も単騎逃げが叶えば粘り込む可能性が十分ある。12ガンコは相手強化の感はあるが、目下の充実度なら引き続き注意。7トーセンバジルは今回も好位付けの形なら善戦以上が考えられる。15ソールインパクトは詰めひと息だが立ち回り次第で上位まで。流れ込み図る11サクラアンプルールが連下の穴。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　春の天皇賞に向けた東の最終ステップ競走。土曜重賞ということでもうひとつ地味な印象があるが、2014年の天皇賞(春)で1-3着を日経賞組が占めるなど、日経賞をステップにして天皇賞(春)を制した馬は、過去10年で3頭に上る。年によってレベルの高低はあるものの、本番に向けて疲労を残さない距離と間隔で、阪神大賞典、大阪杯とともに、天皇賞(春)への3大ステップの一角を占める。

1.別定GIIなのによく荒れる

　障害帰りの殿人気テンジンショウグンが勝って、馬連20万馬券という大波乱になったのはもう20年も前のことだが、過去10年でも馬連4000円以上の配当が5回と、「荒れる日経賞」の伝統は健在である。ちなみに、過去10年で1番人気は5連対にとどまる。

2.逃げ・先行馬が活躍

　過去10年のうち中山競馬場で行われた9回では、4コーナーで5番手以内の馬が7勝、3番手以内だと5勝。昨年は7番人気のミライヘノツバサが早め先頭から2着、2012年は12番人気のネコパンチが逃げ切りと、逃げ・先行馬の活躍が目立つレース。

3.GIII以下からは通用しない

　前走ステップとしては、有馬記念・日経新春杯・AJCCが「三強」。前走でGIII以下を使われていた馬は、大逃げしたネコパンチの勝利があるだけの[1-0-3-46]で、上がり馬の勢いはほとんど通用していない。むしろGII以上で負けてきた馬の巻き返しに妙味がある。

　ロードヴァンドールはダイワメジャー産駒ということもあって2000m以下を主戦場にしてきたが、横山典弘騎手の進言もあって距離を延長した日経新春杯で接戦の2着。勝ち馬よりも2kg重い斤量を背負ってのものだけに価値があった。キレ味不足をスタミナでカバーできる長丁場で安定味を増した印象で、パワーを要する中山芝2500mはこの馬にぴったりだろう。

　キセキは強い4歳世代の中心馬で、重賞タイトルは超がつく不良馬場の菊花賞だけだが、神戸新聞杯で最速上がりをマークしているように良馬場の切れ味勝負にも不安はない。小回り中山でエンジンの掛かりの遅さをどうカバーするか、ルメール騎手の手綱さばきに注目が集まる。トーセンバジルは晩成タイプで5歳になった昨年に本格化した。阪神大賞典3着、京都大賞典2着、香港ヴァーズでも3着。重賞制覇にあと一歩のところまで来ている。

　サクラアンプルールは中山記念であと一歩伸びを欠いたのは、休み明けの影響が大きかったようだ。距離延長に不安は残るが叩かれての前進を期待。以下、休み明けが課題も能力高いゼーヴィント、詰めが甘いが相手なりに走れるソールインパクト。

【小波乱】トーセンバジルは仕上がり良好。心身ともに成長しているノーブルマーズ。レースがうまいゼーヴィントも圏内。

同距離コースが大事な一戦の割には、その経験を持っているタイプが少ない。人気がどうなるかが焦点だが未経験の馬にとっては厳しい戦いになるだろう。ただ経験がある☆サクラアンプルールにしても有馬での凡走同距離コース100程度では軸にはしづらい。やはり近走右肩上がりでついに前走値114をマークした◎ガンコに期待しても面白そうだ。ここから一発勝負。

海外遠征帰りだが気配は良好な7トーセンバジルが中心。末脚は堅実で長丁場なら信頼が置ける。次位は15ソールインパクトで長丁場は安定感があり逆転は十分。▲は3チェスナットコートで上り調子にあり侮れない。

　例年、有力馬の多くが、この先へ向けての始動戦となる一戦だが、その割には実力馬がしっかりと結果を残す傾向もあり、よほどの長期休養明けでなければ力を割り引く必要もないだろう。

　◎は、キセキとした。前走の香港ヴァーズは、歴史的な不良馬場を激走した反動による体調の問題があったと見るべきで、帰国後もなかなか疲れが取れなかったとのこと。その分、帰厩も遅れてしまったわけだが、栗東ではすこぶる順調な調整過程で、馬体も一回り大きくなった印象を受ける。たとえ8分のデキでも、ここは負けられない戦いとなるはずだ。

　相手は、ともに重賞未勝利ながらGIIまでならいつでも勝てるだけの力を持つトーセンバジルとロードヴァンドールへが本線。前走が圧巻の強さで2走前がフロックではないことを示したガンコが4番手の評価。以下は、ノーブルマーズ、ソールインパクト、ショウナンバッハまで押さえる。