【振出し、出発点に戻る】
ウィクトーリアの資質信頼。母は
秋華賞馬、兄
ブライトエンブレム(
父ネオユニヴァース)は
札幌2歳S勝ち、
アストラエンブレム(
父ダイワメジャー)は
エプソムC2着。2歳夏デビューの兄たちにならい、
ヴィクトワールピサ産駒の本馬も、昨夏7月・函館デビュー。開催最終週に芝1800mを、従来の記録を1秒3も塗りかえる1分48秒3で新馬を圧倒した。一昔前よりは確実に速くはなっているが、時計の出にくい洋芝で、上り3Fのラップは11秒7-11秒6-11秒6(34秒9)。GI級のエンジンを搭載しているのが読み取れる。
しかし、この一族はフレームが華奢。レコ勝ちの反動もあったのだろう。馬体が細くなり腰が尖り、
札幌2歳S、
赤松賞と凡走が続いたが、前走で造り直しを完了。10キロ増のぶんだけトモ回りが充実。パドックの周回もドッシリ感が増し、1000m通過は60秒9のマイペースに持ち込み、ラスト3Fは12秒0-11秒2-11秒4でフィニッシュ。余力残しで走破タイムは1分47秒9をマークした。この馬体を念頭に置き、中間微調整も完了。最終追い切りは、チップを被らせても我慢、戸崎のコントロールが効いている。
逆転があれば
セラピアの能力。母は北米4勝、AW8.5FでGI勝ち。現5歳
グレンマクナス(
父ディープインパクト)は、
桜花賞の一週前、中山の1800ダートを7馬身差で500万を圧倒。一つ上の全姉
サラスは現役3勝。高速決着にやや苦戦しているものの、何かしら姉も、大仕事をやってのけそうな、妙に気を引く血統です。全妹の
セラピアは、
母ララアの毛色を受け継いだ、484キロの大ぶりな芦毛。毛色は異なるものの身体のラインは父の
オルフェーヴルにもよく似ている。
デビュー前調教もかなり動いていたが、3月30日の阪神・芝1800mは、スタートも決まり、やる気満々に二番手。手応えはビンビン、直線を向いても馬なり、残り2F標識でもまだもったまま。いつ追うのかなと眺めていたら、ムチひとついれず、馬なりでゴールイン。ちなみに1000m通過は1分4秒0の超スローとはいえ、上りラップは推定11秒1-10秒9-11秒3(3Fは33秒3)。目に見える10秒台のHラップをマークした。ハードなローテと、キャリアを慮り慎重に二番手評価に止めたが、17日のCWの加速力も満点。
三番手は
シャドウディーヴァ。東京2000mは4戦[1210]。持ち時計は2分0秒9、上りは33秒4を計測。
フラワーCは初の右回り、コーナー4つの中山。エンジンがかかったのは直線半ばだったが、東京に舞台を移せば上位二頭のどちらかを食いとる可能性もある。
フォークテイルも、
若竹賞2着で、
オークスを逆算する形で
フローラS出走を決定。前回は11秒9-11秒0-11秒8(3Fは34秒7)というレースの上りに対し、自身のソレは34秒4。坂上からグイグイと、11秒前半の好ラップで詰め寄ってきた。
フェアリーポルカの
君子蘭賞もかなり優秀。1000m通過は59秒2のタフなミドルで展開、ラスト3Fのレースラップは11秒3-11秒8-12秒3(3Fは35秒4)、勝ち馬の上りは34秒8。終わってみれば、メインの
毎日杯より0秒4も速い1分46秒8。前崩れの展開に恵まれたことも確かだが、このタイムと勝ち星は将来の宝物。古馬となり、牝馬中距離重賞のひとつはいける計算式が成り立つ。ハミ受けや時計決着、左回りにも課題を残しているが、
エアジーンの新馬・1分49秒4という記録は将来の重賞を予感。