【ス
プリンターだって成長する】
コパノキッキングが絶賛確変中。父ス
プリング
アットラストは、北米13戦5勝。9FG1・ドンH勝ち。サイアーラインは、シルヴァーデ
ピュティ、デ
ピュティミニスターという典型的なダート専門のアメリカン。
母の兄は
函館2歳Sを勝った
モエレジーニアス――その名前を発見して、ピピッとひらめいたか。2歳3月のファシ
グティプトン調教セールで、Drコパ氏が10万ドルで落札。デビューは明け3歳2月と遅くなったが、経験馬相手に1秒4差のブッ
チギリ。キャリア4戦であっというまに3勝、ちょっとした凄い逃げ馬が現れたもんです。
ただ、逃げ一辺倒では限界がくる。5戦目の7Fダート・
大阪スポーツ杯は逃げて4着、この失速を契機に追い込み馬へと変身をはかった。なるほど、「強靭な逃げ馬=強烈な追い込み馬」の法則通り、テンの3Fのスピードを終い3Fの決め手へと転化。昨年のちょうど今時分、
カペラS経由で
根岸Sを奪取。短距離ダートの頂点を目指せる馬へと脱皮を果たした。本年秋、交流重賞の最高峰・JBCスプリントは0秒1差の2着に泣いたが、王道の競馬は示した。
地力強化の度合いを如実に示したのが、次走の
カペラSだったか。前半3Fは32秒9、1000m通過・56秒5というHペースを、重量58キロを背負い横綱相撲で寄り切り。1分9秒3という決着タイムは過去十年でNo.2、良馬場条件では最速。昨年の
カペラS・1分10秒2という自身の優勝タイムを数字として軽々と約1秒アッサリと跳躍。マーフィーとのコンビで、前年の
根岸Sを1分23秒5で完封したが、58キロでも今年は、それ以上のパフォーマンスを期待していい。
対抗一番手は
モズアスコット、逆転の単も一考だ。連闘という奇策もハマったが、2018年の
安田記念をルメールとのタッグで一気差しを決めた。時折り脚元がモヤつく。仕掛けどころなど注意も必要、常に全能力発揮とはいかないけれど、
スワンSは前年に続き2着急追。なるほど、GI制覇は決してフロックではない。
この春は、
根岸Sだけでなく、次走
フェブラリーSも視野に入れてのローテと聞くが、ダート挑戦は単なる気まぐれではない。もとより、栗東坂路で49秒6-36秒4-11秒7という時計を叩き出したこともあり、稽古はけた違いに動く。
父は欧州屈指のス
プリンター・
フランケルだが、母系はストームキャット×ミスワキ。母は米GII・GIIIを各1勝、ごく近親の
To Honor and Serveは、米GIウッドワードS、
シガーマイル勝ちを含め重賞6勝。ダート7-8Fでこそ馬券を買えと、母国USAの血が騒ぐ。ただ、ダート適性はあったとしても、芝同様、直線入り口、馬群を捌くのに難渋。スイッチが入るのにひと手間いるかもしれない。
コントロールが難しいようなら、代わって
ワイドファラオが浮上。振り返れば本年6月、初ダートの
ユニコーンSを1分35秒5で逃げ切り勝ち。脚抜きのいい重馬場とはいえ、1000m通過・58秒4、1400m通過は1分22秒7というHペースを自ら構築して後続を完封。
みやこSは乱ペース、
チャンピオンズCは出遅れ。距離9Fはギア操作などいろいろ求められるモノがあるが、左回りの7Fは天性のスピードに任せ自然体で臨め、ついでに結果もついてくる。
ワンダーリーデルの一発も要注意。昨年6月、
アハルテケSでオープンを楽勝。ほう、キャリア豊富なベテランながら、力をつけているな。
武蔵野Sは1400m通過1分22秒3、決着タイムは良馬場で1分34秒6。
チャンピオンズCは11着に沈んだが、東京の7-8Fなら、いつでも上位争いの可能性がある、怖い馬になった。
ここが試金石になるが、
ミッキーワイルドはダート戦績[3510]。
プロキオンSを1分21秒3で2着、
霜月Sでオープン勝ち。安田隆厩舎はス
プリンターを育てるのがきわめて上手い。中間しっかり、上昇スパイラルを描いているかもしれない。
ダノンフェイスは2017年の
霜月S優勝馬、東京7Fは[3001]。1年3か月の長期休養など調整に苦労した時期もあったが、
すばるSを制し復活の狼煙をあげた。