【才能には才能】
マイラプソディは、
コントレイルと並ぶクラシック候補。伸びやかなその才能を、東京コースで確認しておきたい。デビュー戦の中京2000mは、稍重馬場で上り2F・11秒台の加速ラップでG前強襲。
野路菊Sは1分47秒4という高速決着、上りラップは推定11秒5-10秒7-11秒2(3Fは33秒4)、後続を5馬身差にチギり捨てた。馬体の造りやタイプは異なるものの、この二戦のローテーションは、あの
ワグネリアンと同じ。時計内容も、互角かそれ以上の内容だった。
三戦目は、タイトな内回り2000mの
京都2歳Sをチョイス。3-4コーナーあたりでは、
武豊Jの手が少し動いたが、12秒0-11秒8-12秒6(3Fは36秒4)というレースラップを、残り1Fでガッチリと捉え、最後は流す余裕あり。馬場差1秒以上の
パワー馬場を、2分1秒5で駆け抜けた。キャリア3戦で、左回り、右回り、瞬発力勝負、坂、小回り、底力勝負と、でクラシックの課題を次々とクリア。
共同通信杯は、
皐月賞およびダービーにダイレクトにつながるレースとして知られるようになって久しい。さて結果は、記録はいかに。
逆転があれば
フィリオアレグロ、才能を打ち負かすとすればシンプルに才能だろう。デビューは10月の府中、4回東京は台風も来週、開催を通じて良馬場は、ほんのわずかしかなかったが、初陣の馬場も2秒近く時計を要する重。パドックでは馬っけ、返し馬で暴れたりしながらも、レースに行くと賢い。大外枠からすっと好位に進出、スタート後の2Fめからきれいに12秒前半のラップが並び、1000m通過は1分2秒2というタフなミドルで展開。勝負どころの残り3F・11秒4-11秒4-11秒9(34秒7)というレースラップを、力強いグリップで34秒4。重馬場条件下で11秒台前半の強靭なラップを3連続並べた。2分1秒7という走破タイムは、翌日・良馬場で行われた2歳未勝利戦より2秒2速かった。
兄
サトノクラウン(
父Marju・
宝塚記念、
香港ヴァーズ優勝)は、脚も首も長い黒鹿毛、雨に煙る不良馬場の
天皇賞(秋)で、
キタサンブラックと激しいしのぎあいを演じた。半弟もディープの仔にしては首・胸回りが頑丈。兄同様、
パワー馬場は得意なのだろう。そのぶんパンパンの良対応に疑問を残すが、幸いにも週末の馬場は渋り加減。目標はただ一頭
マイラプソディ。新馬戦のリズムとラップで戦えば自然と勝ち負けは見えてくる。
フィリオが思わぬキャリア不足を露呈するようなら、代わって
ビターエンダーが浮上。東京2000mのデビュー戦で上り33秒7の末脚を繰り出し(2着)、二走前はラスト3Fを推定11秒6-11秒5-11秒9(35秒0)、余裕残しでフィニッシュ。走破タイムは2分0秒3に短縮、中距離重賞戦線の布石を打った。
京成杯は若干重め、そのぶん反応が遅れたが、
オルフェーヴル産駒にしては気性もレース運びも実直。ひと叩きして東京、前進はあっても後退は考えにくい。
幼さを抱えながらも、
ダーリントンホールは
札幌2歳S3着、
葉牡丹賞は1分59秒1で3着。ジワリジワリ、フォームの矯正と地力強化をはかっている。
ココロノトウダイは、新潟1800mを1分47秒9・上がり33秒9をマークし、小回り福島の1800mを連勝。10秒台の瞬発力決着は少し厳しいが、クラシックおよび中長距離重賞の名バイプ
レイヤーになる。