【咲きなさい】
スカイグルーヴが、血統・能力を証明する。
母は5勝(
京阪杯2着)、祖
母アドマイヤグルーヴは
エリザベス女王杯2連覇。さかのぼれば
エアグルーヴ、
ダイナカールがデンと構える、日本競馬の根幹をささえる名族の血を体現する牝馬。心身が噛み合うのを待ち、デビューは5回東京。まだ骨格ばかりが目に付く、やせっぽちな440キロでの初陣となったが、ポンと好発、先手を奪い、1000m通過は1分2秒3のスロー。残り3F標識をすぎても手綱はもったまま。上り3Fは11秒8-11秒2-11秒1、絶品の加速ラップを数字としても提示。
二戦目は牡馬混合の
京成杯をチョイス。このレース選択でも、距離適性や期待度のほどがわかるが、馬場差1秒以上の稍重条件下、1000m通過・1分1秒5というタフなミドルペースを自信満々に四角先頭。これは決まった。独走かと思わせたが、勝ち馬はタフな上り勝負の展開と馬場適性が
ドンピシャ。一人で走るのはさみしいな。ふっと気を抜いたところを、外からグンを交わされてしまったが、ひと呼吸追い出しを遅らせていれば順当勝ちだったかもしれない。先週は南Wで長め7F・98秒6をビッシリと追え、まだ未成熟ながらも、急がずとも競馬はできることを理解。心身ともに健やかな状態は維持できている。
対抗は
レッドルレーヴ。母は
アドマイヤグルーヴの妹、祖母は
エアグルーヴ。一世代違いながら、本命のスカイとどう違うのか混乱するほどの超近親。
母ラストグルーヴは1戦1勝で引退したが、セレクトセール・3億7800万で落札されたのを、つい昨日のように思いだす。
デビューは東京・芝2000m、2着に敗れたものの、重馬場で2分1秒8を計測した。先着を許した勝ち馬は、次走
共同通信杯を3着、来週の
青葉賞でも高い評価をうける、将来のGI候補だった。本馬も馬体も気性も、まだまだ幼い。摩耗のないよう、競馬が嫌いにならないよう、3か月間隔をあけ充電期間を設け、1月の中山戦は442キロで登場。前半1000mは59秒7-マイル通過・1分36秒6とタフなペースにも余裕を持って対応。終い2Fは推定12秒3-12秒0で加速。2分1秒7は、開催日こそ異なるものの、1月5日の
サトノフラッグの1勝クラス勝ちと0秒3差、翌週の
京成杯・2分2秒1(稍重)より速い。
フラワーCは、勝負どころで少し焦ったか。鞍上のヒューイットソンも来日してまだ間もない。被されるのを嫌い、タフなミドルを3コーナーから4コーナーにかけ強引に動かしていったぶん、ゴール寸前2着と敗れてしまったが、馬体の摩耗も見られず、東京の走りも知っている。
まとめて負かせば
ホウオウピースフル。二走前の東京・
百日草特別勝ちは、本命の新馬戦と同日。前半1000mは1分1秒9(
スカイグルーヴの新馬は1分1秒4)のスロー。しかし上りラップは推定11秒6-10秒9-11秒1(3Fは33秒6)。スカイより上の、目に見える10秒9という快速ラップをマーク。クイーンCで勝ち負けできれば、
桜花賞もと考えたが、大逃げを打つ馬などいて、行こうか行くまいか。数字以上に難解なレースとなってしまった。しかし変に急き立てていないぶん、消耗は少なくてすんだ。二戦目に2000mを選んだ時点で、春最後は
オークスが最大の目標。
フローラSから本番へは、結果オーライの理想的ローテーションとなった。
惑星は
フアナ。輸送して、さて体重はいくつで出てくるのか。当日の気配など確認する必要があるが、血統図もポテンシャルも上位とは負けず劣らず。
母イサベルは4勝馬、母の弟は
アドミラブル(
青葉賞勝ち、ダービー3着)。デビュー戦は12秒3-11秒2-11秒9(3Fは35秒4)というレースラップを、34秒9で2着に急追。血統力など、素質の片鱗は示していた。二戦目はマイナス4キロ、420キロで登場。細い、怖い。しかし、本馬場に出ると、ぐっと身体を大きく見せ、道中は意識的に馬込み。1000m通過・60秒7のスローにも、しずしずと我慢が効き、仕掛けどころをうかがいつつ直線へ。外への切り替え、
ギアチェンジにワンアクションが必要だが、11秒3-11秒4-12秒1(3Fは34秒8)というレースラップを、34秒0で猛然と強襲。あの造りでも、ラスト1F・推定11秒2という脚が繰り出せた。
ウインマリリンも好調。
スクリーンヒーロー×
フサイチペガサスという
パワー配合だけに、10秒台の切れ勝負となると苦しいが、
ミモザ賞・2分2秒5は、本命の
京成杯と0秒3差だった。馬体をひと絞り、まだ上積みが期待できる。
ヴォリアーモは、東京2000mを2分1秒7・上り33秒9で快勝。持久力決着になれば上位争い可能。