【構想通り】
ステルヴィオがG前強襲、混戦を切り裂く。3歳春は
スプリングS優勝、秋はGI・
マイルCSをイン強襲でもぎとった。4歳は
中山記念3着、1600-2000mのGIを目指したが、その距離体系では折り合いに難がある。馬体造りの精度を上れば上るほど
テンションも上り、流れに乗れないという課題が生じてしまった。
ならば本年、6-7Fのス
プリント路線へスイッチ、
阪急杯は0秒2差の5着に接近。
高松宮記念は馬場の傷んだ最内に押し込められ9着に敗れたが、良馬場の東京7Fの瞬発力勝負なら風景一変。新パートナーとなる川田Jの腕っぷしに、こたえるだけの体造りもできた。
対抗一番手は
タワーオブロンドン。若馬時代は
朝日杯FS3着、
アーリントンC優勝など、型にはめないよう、マイルロードも歩ませたが、ス
プリント路線転向決断の契機となったのが、この
京王杯SCだったか。1200m通過・1分7秒6というタフな流れを踏み、1分19秒4でレコ勝ちが、
スプリンターズS完勝の起点となった。
高松宮記念は道悪に落とし穴。一見
パワーがありそうに見えて、実は大型馬はぬかるみにハマると重量があるぶん矯正が難儀。直線入り口では、もうふらふら。しかし東京の1400mなら、少し湿った馬場でも58キロでも、ルメールが勝ち負けへと動かす。
ダノンスマッシュも、高松宮の敗因は道悪に尽きる。4歳秋の
スプリンターズSは、外に持ち出すタイミングが遅れ、追い込み届かずの3着に泣いた。香港遠征を終え、明けて5歳。二走前の
オーシャンSは、体重の数字こそ大きな変化はなかったが、張りや艶が
スプリンターズS時から大幅に進化。フットワーク、
ギアチェンジにも隙がなくなった。
左回り、7Fという条件はデリケートだが、鞍上はレーン。今年の春は断然の人気馬に乗ることが多く、いつもより前目で動かし丁寧をこころがけているが、本来の持ち味はタメを活かした大胆な追い込み。56キロも比較上恵まれた。
レッドアンシェルは
CBC賞楽勝でス
プリント戦線に殴り込み。
シルクロードSは歩様異常を感じレースを止めたが、福永Jとのコンビで[5012]。中間の稽古でデキを再確認している。
ストーミーシーは自在性を獲得し目下絶好調、重賞に入っても馬体の張りが際立っていい。ダービー卿CTは坂上1Fでアゴが上がったが、1400mなら粘り込み十分。
ケイアイノーテックは、
NHKマイルCの覇者。馬券圏内にはないが、近3走の上りは出色。チークピーシーズを装着、新たな前進があるかもしれない。