【浪花のダノンの春】
ダノンキングリーの瞬発力が中心。紐解けば、2歳暮れの中山マイル・
ひいらぎ賞を、2歳コースレコードに0秒3差の1分33秒7で快走。明け3歳・
共同通信杯の走破時計は過去十年で第二位、32秒9という出色の上りラップを叩き出した。
皐月賞はアタマ差3着、ダービーはクビ差2着、クラシックは無冠に終わったものの、古馬初対決の
毎日王冠を1分44秒4で一閃。
マイルCSは初の関西遠征、ペースはスロー。枠順は1番、馬場の傷んだ内を終始進むしかなく、初めて馬券対象から外れてしまったが、
中山記念ですかさず巻き返し。好位3番手から堂々寄り切る横綱相撲でGIIを快勝。1分46秒3という走破タイムも、過去十年では4位だった。
3歳時は脚元に負担の少ないPコースをメインに調教を組み立てていたが、前走前からタフなウッドチップコースへと変化。一週前に6F追いを消化し、直前は脚色を確かめる余裕の調整ができるようになった。万全を期し金曜日には阪神へと移動、前回の関西遠征時とは心身ともに造りが違う。
強敵は
クロノジェネシス。
桜花賞は3着惜敗、続く
オークスも3着に終わったが、決着時計はダービーとわずか0秒2差。歴代でも屈指の記録で牝馬クラシック戦線を戦い抜いてきた。
秋華賞で待望のGI獲りに成功。
エリザベス女王杯は、1000m通過は1分2秒8という超スロー。極端な上り勝負、変則ラップに戸惑い流れに乗り遅れてしまったが、
京都記念は直線入り口ではもう先頭をうかがう勢い。牡馬を相手に悠々2馬身半差完封を果たした。
馬体細化を慮りながらの3歳時と違い、いまは手加減なし。6F追いをビシビシ重ね、さらに体重が増えている。半姉
ノームコア(父
ハービンジャー)も、明け4歳春の
ヴィクトリアマイルをレコ勝ち。父や距離バンドは異なるものの、妹も確かな成長力とDNAを受け継いでいる。
割って入れば
ブラストワンピース。小雨に煙る2018年の
有馬記念を、力でねじ伏せたGI馬。川田Jとのタッグで
札幌記念を制覇、
AJCCはイン強襲。密集馬群でもひるむことなく、身体と
パワーを使いこなせるようになった。
ワグネリアンも、5歳春の今、まさに
ピークを迎えようとしている。
天皇賞(秋)5着、JC3着と崩れなく善戦が続いているが、中間の気配絶好といっていい。
瞬発力勝負になれば
ラッキーライラックも小差。
エリザベス女王杯で繰り出した末脚は仰天の32秒8。前走の
中山記念は先行有利のペース、518キロは少し重かったが、無駄肉をそぎ落とし、前進意欲が表に出てきた。コース適性と走り時が見極め辛いが、
マカヒキはJC4着で復調をアピール。ロスなくコーナーを回り切れば、あっというシーンも演出できる。