【逃げ馬=追い込み馬の法則】
プルパレイがマイルの逃げ馬から、短距離の差し馬へと変貌を遂げる。母は北米4勝(G2勝ち)、半兄
サトノゴールド(父
ゴールドシップ)は
札幌2歳S2着。
イスラボニータ産駒の本馬はデビュー二戦目、新潟マイルを1分33秒3のレコードで勝ち上がり、アスター賞も逃げ切りVを決めた。GII・デイリー杯は逃げて4着、重賞だと簡単には楽に逃がしてはくれない。中途半端な先行策では、
朝日杯FSのように折り合いも欠いてしまう。ならば戦法を一変、テンの3Fのスピードを、上がり3Fの決め手に転化。前走の
クロッカスSは、出遅れは偶然にせよ、11秒0-11秒0-11秒3(3Fは33秒3)というレースの上がりに対し、自身のソレは32秒5。ラスト2F・推定10秒6-8見当の超Hラップを計測。追い込み戦法と能力の在処を、M・デムーロJも感じ取った。なんて、「逃げ馬=追い込み馬の法則」は、とりたてて珍しいことではなく、あの激烈な追い込み馬で知られる三冠馬
ミスターシービーも、最初は逃げ馬だったんだよなぁ…。前走後は2月16日から乗り出し開始、文字通り中三日と明けず坂路を主体に入念に乗り込み、時計になった追い切り強弱合わせ本数は16本。並々ならぬ陣営の意欲が調教からも読み取れる。
第一目標は
クロッカスSの勝者
トウシンマカオ。半兄
ベステンダンクは現OP、他に1-3勝級の兄姉数頭。
ビッグアーサー産駒の本馬は、体重以上にムチっと見せる
バランスの取れた栗毛。レースセンスに優れ、常に全力投球型のファイター。新潟のマイルの新馬戦は好位から楽に抜け出し、
京王杯2歳Sの走破タイムは1分21秒5。脚色衰えることなく0秒2差に追い上げた。ただ、父はス
プリンター、脚や背中の長さを見ると、
朝日杯FSは一瞬見せ場は作ったもののマイルは基本的に1Fが長い。
クロッカスSは1000m通過・59秒5の緩ペースも味方したが、ゴール通過時も脚色は緩んでいない。調子もさらに上向いているが、ただ1キロ増が微妙。
ファルコンSの57キロを背負った馬たちは、
朝日杯FSレコ勝ち馬
グレナディアガーズはアタマ差2着。一昨年の
ラウダシオンや
アサクサゲンキ、他にも
ブレイブスマッシュや
アクティブミノルなど、過去十年で57キロを背負った馬は2着5回。3歳春の1キロという重量差は、馬にとってはけっこうな負担なんでしょうね。
トウシンマカオが斤量泣きの隙を見せるようなら、一角崩しは
ティーガーデン。半姉
ソングラインは
NHKマイルC2着、富士S、サウジアラビアG3・1351ターフス
プリントで一気差しを決めた。父は
キズナから
ドゥラメンテにかわったが、姉同様デビュー二戦目に東京マイルを快勝し、続く
ひいらぎ賞は12キロ増量。鋼のような皮膚感は姉とウリ二つ。チークを装着、少し頭の高い走法ながら、1000m通過59秒1のミドルを中団外。12秒4-11秒5-12秒1(3Fは36秒0)というレースラップを、自身35秒6で叩き合いを制した。姉は右回りに課題があったが、弟は湿った馬場も急坂もガシガシと駆け上る。中間CWは6F追いを3本消化、調教の負荷も一段ハードルを上げてきた。
惑星は
デュガ。前走は1000m通過・57秒5-1200m通過・1分9秒1というタフなミドルを牽引、2歳11月時に1分21秒6はかなり速い。取り消し明けになるが、調教過程やタイムは好調時とほぼ同じ。ペースやラップの精度は異なるものの、
レディバランタインは1回東京の芝7Fを1分21秒6で快勝。
デヴィルズマーブルは、2歳9月・当コースを1分21秒4で勝ちあがった。前走は重め残り、叩き前進必至。
ウインマーベルの前二戦の内容上々、松岡Jが1F延長を見据え競馬を教え込んできた。