【先輩たちが歩んだ道を】
イクイノックスは世界を照らす一等星。2歳時は2戦2勝、
東スポ杯2歳Sから
皐月賞という異例のローテーションで、
皐月賞は2着、
日本ダービーはレースレコードの2分21秒9・同タイム2着。秋は東京10Fの
天皇賞(秋)を選択、上がり32秒7という未知の末脚を繰り出し劇的な追い込みを決め古馬を撃破。続く
有馬記念は悠々の楽勝を果たした。
明けて4歳、まだ進化は止まらない。ドバイシーマCをレコードで圧勝、世界レーティングNo.1評価を得た。帰国緒戦の
宝塚記念は体調が戻り切らず発馬で出遅れ、終始外を振り回される厳しい競馬を余儀なくされたが、気力体力を振り絞りゴール寸前強襲に成功。
ひと夏越えた
天皇賞(秋)は494kg(前走比2kg増)の体に筋肉がミッシリ。わずか2kgの増量ながら首差し、胸前、腰回りに身体の内から筋肉が張り出し、前半1000m57秒7という澱みのないタフな平均ラップを、大きく力強いグリップ力で3番手追走、誰もプレッシャーすらかけられない。直線2F標識を過ぎ追い出し開始、後半1000mを57秒5、終わって見れば1分55秒2。前年の
天皇賞(秋)から持ち時計を2秒3短縮、従来の東京10Fの記録を一気に0秒9塗り替えた(世界レコードのおまけつき)。
中3週というローテーションは初めて、皐月→
日本ダービーの中5週間より短い。レコ勝ち明けの目に見えない疲れをマイナスポイントとする意見も否定はできない。しかし
ジェンティルドンナも
エピファネイアも
アーモンドアイも
コントレイルも、名馬と呼ばれる馬たちはみんな、
天皇賞(秋)から
ジャパンCというハードローテを軽々と越えてきた。前走の走りの先に2400mがあるのなら、2分20秒6という
アーモンドアイの記録を超える可能性もあります。
逆転勝利を旗に挑む
ジャンヌダルクは3歳牝馬
リバティアイランド。直線一気のごぼう抜きで
桜花賞を串刺し、
オークスの2分23秒1というタイムは
日本ダービーを大きく上回り、最速の上がりでフィニッシュテープを切った。京都の内回り10F稍重の
秋華賞は直線入り口でもう勝負あった。
秋華賞から
ジャパンCというローテは11年前に
オルフェーヴルを撃破した
ジェンティルドンナ、5年前の
アーモンドアイに倣い倣え。枠は1番、隣りは
イクイノックス。1-2コーナーをトラブルなく抜ければ、最大目標を常に近くに視界に置け、仕掛けどころの呼吸を息をのみはかれる。
二強に割って入るとすれば、
タイトルホルダーの強靭な先行力とスタミナ。
天皇賞(春)を2着に1秒1差の大差に封じ込め、
宝塚記念を2分9秒7のレコードで後続をねじ伏せた二枚腰の持ち主。あの
宝塚記念の時と同様
パンサラッサをリードホースに、後先なしのロングスパートで、ひたすら勝利に邁進。坂路調教を併用できるようになり、
オールカマーよりはスピードも持続力も確実にアップしている。
叩き一変、
ドウデュースの大変身をパドックで熱烈希望。海外遠征は不発に終わり、
天皇賞(秋)の対決では
日本ダービーレコ勝ち時と立場が逆転。しかし、前走をひと叩き、調教は攻めに攻め、肌艶と闘志は一変。
京都記念を圧倒した頃の馬体に近づいてきた。
4歳世代の中での立ち位置は切ないものになったが、
ダノンベルーガも上位争いに何度でもファイト。
ヴェラアズールも
京都大賞典を
ステップに、前年の身体の張りと気迫を取り戻しつつある。