【下り坂を利しラッシュ】目には清かといかずとも、
ソウルラッシュの歩みは力強く着実。OP昇格は昨年、この
マイラーズCだった。稍重条件下、1000m通過・57秒5というHペースをじっくり後方待機。展開や戦法がピタリと符合したことも確かだが、レースの上りは35秒8、自身のソレは34秒1。1秒近く時計を要するパワー馬場で、次元の違う末脚で大外一気のゴボウ抜きを決めた。
安田記念は行くところゝ進路を塞がれ13着とボー立ちになってしまったが、次走の
富士Sはしっかりと流れに乗り勝利を手にしたかに見えた。しかし
セリフォスの瞬発力は想像以上。GI・
マイルCSも同馬の切れに屈したけれど、スローでも意図するポジションを確保し、正攻法の競馬で対応できた。
自在の脚質を手にした今なら、外回り京都もポジショニングは楽。3コーナーすぎから始まる下り坂と加速を利点にできるかもしれない。5か月の休養は初めてになるが、3月1日から時計を出しはじめCWの6F追いも増量、4月5日には1F・10秒9を叩き出しデキは万全。
立ちはだかるラ
イバルは、GIマイラー・
シュネルマイスター。3歳春、NHKマイルを1分31秒6で勝ち古馬混合の
安田記念は0秒1差の3着。秋の
マイルCSは
グランアレグリアの2着に迫り、グラン引退後のマイルシーンは
シュネルが牽引するかに見えた。
しかし、体調や気性に小さな波がある。9Fの
毎日王冠を勝ち、
安田記念は2着に急追したが、不器用さは依然そのまま。6Fを走らせ闘志を鼓舞したりして工夫もしてきたが、
中山記念イン突き4着で体調はほぼ旧に復した。操鞍所で鞍をつけイレ込みも軽減、栗東からの当日輸送もプラス材料になるか。京都マイルは馬場やコース改修によってコーナーの入りが緩やかになり、ルメールJの技量もまた相乗効果になる。
ジャスティンスカイも力量はほぼ互角。父は
キタサンブラック、
青葉賞からダービーを目指したこともあった。だが走りと性格は明らかにマイラー。三走前の
鷹巣山特別から1600mに路線を切り替え、まずは1分32秒6で直強襲。続く秋色Sの1分32秒0は、翌週のJC週のOP.
キャピタルSより0秒5も速かった。
洛陽Sは緩ペースにも折り合いはピタリ、ブレのない走りで絵にかいたような理想的な完勝劇を演じた。ただ、追い切りの動きや馬体の造りや強さは、GIを目指すにはあと一歩。今回に限っては見えない壁もあるように思うが、GII勝ち負けができれば大いなる自信になる。
マテンロウオリオンは、
NHKマイルCを1分32秒3という好タイムで2着した4歳馬。
東京新聞杯6着、ダービー卿は4着、状態は漸次良化。
エアロロノアは
京都金杯2着、Hレベルで決着をみた
東京新聞杯5着。
マテンロウは横山典J、エアには
武豊Jがスタンバイ。新装なった京都に、ベテラン二人が腕を撫している。果たしてマイルは適鞍なのか。説明理由を明確にできないが、
ガイアフォースは3200mの天皇賞より、マイルのほうが距離はベターだろう。