【上段突き】二年前の5歳2月、
カラテは
東京新聞杯を制し重賞マイラーの地位を獲得。
関屋記念2着やGII・
中山記念2着など、8-9Fで堅実な走りを重ねてきた。しかし、重巧者で名を成した反面、マイルの高速決着と上りには限界が見える。
所属厩舎解散のため辻野厩舎へ移動を期に、
パワーを活かすべく10F路線へと方向を転換。昨年は57.5キロを背負い
新潟記念を完勝し、春の天皇賞は6着、
ジャパンCは8着、GIでも0秒7差以内に食い下がった。前走の
新潟大賞典は土砂降りの不良馬場。脚抜きのいいとされる新潟でも究極
パワーと底力を必要としたが、59キロの斤量で二枚腰を使い、特殊な条件でも最速の上りで競り勝った。関西転厩後は懸案の脚元も健やか。中山を得意としていた時期もあり坂はまったく問題ない。57キロ、週末の雨をプラス材料にして、阪神の10Fも一気に駆け上る。
資質なら
ソーヴァリアント、逆転の単も一考。少し古い記録になるが、能力の起点は二年前の札幌2000mの1分59秒8。開催は異なるものの、
ソダシの
札幌記念と0秒3差の好タイムで楽勝を演じた。
チャレンジCを二年連続Vを決めてきたが、スローの瞬発力決着では上り3F・11秒6-10秒8-11秒6という高速ラップに対応。去年は1000m通過・57秒7のHペースを踏み1分57秒5に時計を精度アップ。脚質は自在、GI級の記録に達した。ただ、馬格はあり押し出しも強いが、
オールカマー13着、
中山記念9着。突然自分を見失い理解不可能な凡走がある。ルメールJと2戦2勝というキャリアは心強いけれど、対抗にとどめた。
割って入れば
ボッケリーニ。
中日新聞杯、GII・
目黒記念を制し数々の重賞で上位を賑わせてきた実力派。先週の
目黒記念は59.5キロという発表ハンデを見て、月曜日の段階でエントリーを取り下げ。追い切りの磨耗を避け、
鳴尾記念に素早くスイッチ。昔ほど速い時計は出なくなったが、さすが歴戦の兵という力強いフットワークを披露。10Fは幾分短いが、重馬場なら勝負どころで置かれず、底力決着に持ち込める。
惑星は
フェーングロッテン。差し馬から逃げ馬へとモデル
チェンジ。7月の
ラジオNIKKEI賞を勝ったように夏場は血液循環がよく、10Fがギリギリとはいえ
中山金杯3着、
金鯱賞2着、重馬場も苦にしない。後続が馬場を嫌がり追い上げが遅れるようなら逃げ切りVも可能。
マリアエレーナは牡馬相手の中距離GIで奮闘、10FのGIIなら格上的な存在。ただ能力で3着に踏ん張ったが、
愛知杯のフラフラ状態の走りを見ると重馬場はどうか。
ヒンドゥタイムズは今回は57キロ。若干ジリだが、馬場が悪化すれば
小倉大賞典のようにワンプッシュが可能。
アドマイヤハダルは坂に問題はないが、フットワークがきれいすぎるかもしれない。