【お膳立ては揃った】
ニホンピロキーフが反転Vを遂げる。2月の
飛鳥Sを上がり33秒7で二着に食い込んできたあたりから、上昇の予感はしていたが、3月の
関門橋Sを外一気。重に近い稍重馬場だけに、2分1秒7という走破時計と上がりは地味に映る。しかし脚色は断然、馬場差1秒以上の
タフネス馬場を、ゴール板が近づくにつれ推定11秒7-11秒6-11秒6(34秒9)という加速ラップで2馬身半差の完勝。続く
マイラーズCは重賞3勝馬
ソウルラッシュ、GIマイラー・
セリフォスを相手に、稍重馬場を1分32秒9という好記録で0秒4差に粘り切った。
鳴尾記念はハイペースのマイル戦を戦った後の中距離に戸惑ったか。前半のペースはまったく違い、外枠で壁を作れずスタミナ切れを起こしてしまったが、タイトなローテーションの疲れも残っていたように思う。
1カ月半の調整期間を設け調教過程も二走前の手順を踏み、前走は坂路だった最終追い切りを、元のCW調整に戻しリズムも戻った。外枠も二度目、小倉は3戦3勝、56・5kgのハンデなら首位通過も十分。時計通りなら相手本線はセオ。本馬も二走前を境に急浮上、続く
都大路Sは前半1000m・59秒8のスロー。典型的な上がり勝負とはいえ、ラスト4Fのラップは推定11秒4-11秒4-10秒9-11秒3(3Fは33秒6)。見た目も強かったが、ラスト2F・10秒9という数字からも速力アップが読み取れる。
割って入れば
エピファニー、2月の
小倉大賞典を過去10年でNo.1の1分45秒1で圧倒した末脚を再考。前回の
大阪杯はGIを意識するあまり調教で攻めすぎ
テンションが上がり、スタートミスを呼び起こしリキみ多い走りになってしまったが、10着入線ながらバテてはいなかった。今回も栗東経由で小倉参戦、直前は意識的に軽め。58kgでも発馬を決めれば好レース必至。
惑星は
アルナシーム。左回りの
エプソムCは手前が替わらず5着に伸びあぐねたが、右回りの9Fは1分44秒7という勝ち時計があり、
都大路Sは馬とリズムを確かめながらのセオに次ぐ2着。横山典騎手も騎乗機会三度目、ここが勝負どころ。
ロングランは最速の上がりで
小倉大賞典2着。松山騎手は粘り強く技術力の高い追い込みを繰り出す。59kgは厳しいが、
エルトンバローズも右回りは伸びがスムーズ。坂路の動きも目に見えて闊達になった。ダークホースは
ボーデン、去勢効果てきめん。