グレード制開始のS59年(1984)以降の27年間から「消える馬」「残る馬」をチェックしてみよう。なお、H13年に馬齢戦から定量戦に変更されている点に注意。
1.
ブエナビスタ……前走10月以降の芝G1戦あるいはG2戦勝ちのキャリア20戦以上馬は[0-1-4-10]。また、5歳以上の牝馬は[0-0-1-15]、H10年前走
ジャパンC2着の5歳牝馬
エアグルーヴが2人気5着。
2.
ヴィクトワールピサ……前年の
有馬記念勝ち馬で、中山芝4戦全勝のコース適性は買い。
3.
ヒルノダムール……4歳以上で16戦以上消化して4勝以下(勝率が.250以下)の馬は[0-0-1-25]。このうち、前2走内に牝馬限定以外のG1戦で連対歴があった馬を除くと[0-0-0-23]。
4.
ペルーサ……前走10着以下かつ1秒以上敗退馬は[5-3-4-53]で、この連対した8頭の共通項は、過去にG1勝ちがある、または年内にG2戦2勝以があったこと。牡馬混合G1戦で勝ちがない馬や年内G2戦2勝以上ない馬は[0-0-3-38]。
5.
エイシンフラッシュ……昨年のダービー制覇後8連敗中。前走G1戦で連対のない前8走以上連敗中だった馬は[0-0-4-28]。また、4歳以上で勝ち星4勝以下馬は、前3走内にG1戦連対歴(6月以降に限る)、前2走内にG2戦連対歴(10月以降に限る)があった馬を除くと[0-0-0-26]。
6.
キングトップガン……前走G1戦連対がない馬で、右回り芝の連対率が3割未満の馬は[0-0-0-44]。キングは右芝[2-1-0-13]で、連対率は.188。また、前2走とも芝のレース斤量58キロ以下で1秒以上負けていた馬は[0-0-0-23]。キングの今季重賞戦2勝は斤量51キロ、54キロと軽量時でのもの。
7.
トゥザグローリー……前3走とも芝の良・稍重のレースで5着以下だった馬は[0-0-0-32]。また、前4走内にJRAの重賞戦で連対歴がなく、前4走内に日本の芝のレースで10着以下の大敗が2回以上あった馬は[0-0-0-13]。また、前3走とも日本のレースを使用して3着内好走がなかった8勝未満馬は[0-0-2-40]。
8.
ローズキングダム……前2走「天皇賞秋→
ジャパンC」のローテーションをとり、ともに6着以下かつ0.8秒以上敗退馬は、
有馬記念の行われる中山と同じ右芝の連対数が10回以上あった馬を除くと[0-0-0-12]。
9.
オルフェーヴル……過去55回、三冠馬の
有馬記念成績は[5-1-1-1]で、前走で連対を外していた三冠馬を除くと[5-1-0-0]。
10.
トーセンジョーダン……天皇賞1/2馬身差のレコード勝ち馬。近走10月以降にレコード勝ちがあった馬は[2-2-1-10]で、このうちレコード勝ちの着差が1馬身未満だった場合は[0-2-1-3]と激戦の疲れが垣間見える。また、前走G1戦で体重増減ゼロあるいは体重減という究極の仕上がりで僅差0.1秒差内敗退を喫していた馬は[0-1-2-3]。トーセンは前走体重増減なしでクビ差敗退、オツリがないか。
11.
ジャガーメイル……前3走とも日本の芝のレースを使って連対歴のなかった6歳以上馬は[0-0-2-25]。前走
ジャパンC14人気3着で穴に不気味さ残るが、S62年前走天皇賞秋13人気3着の
アサカツービート8着、H7年前走
天皇賞・秋9人気3着の
アイルトンシンボリ6着と穴激走も2番は続かず。
12.
アーネストリー……前走10着以下かつ1秒以上敗退馬は[5-3-4-53]と好走例あり、そう着差に神経質にならなくてもよさそうだが、このうち日本のレースで2秒以上も大敗していた馬は[0-0-1-15]。底力あるも前走2.5秒差14着は負けすぎ。
13.
レッドデイヴィス……G1戦(牝馬限定戦除く)で連対歴なし、かつ2000m以上(未経験含む)で勝ち歴のない馬は[0-0-0-10]。
14.
ルーラーシップ……前2走内に古馬混合G1戦で連対歴のない3か月以上の休養馬は[0-0-1-14]。また、G1戦勝ち歴のない3か月以上休養馬は[0-0-0-8]。
【狙い】
◎は三冠馬
オルフェーヴル。
菊花賞馬のその年の
有馬記念成績は[4-3-0-9]。このうち、
(a)勝ち星が3勝までの馬は×
(b)4着以下の着外が5回以上もある馬は×
(c)秋2戦以上消化していない馬は×
(d)ダービーで1秒以上敗退歴ある馬は×
(e)
菊花賞の勝差がハナ・アタマ・クビ差の僅差は×
以上の5項目クリアの
菊花賞馬は[4-3-0-0]。
○は
ヴィクトワールピサ。
有馬記念勝ち馬の翌年の有馬は[2-0-0-12]。勝った2頭は有馬Vの後もG1戦勝ち歴があった馬で、G1戦勝ち歴がなかった馬は[0-0-0-10]。
▲は
トーセンジョーダン。重賞戦を含む中山芝3勝のコース適性は魅力。中山芝2200mG2AJC杯勝ち馬のその年の
有馬記念成績は[1-3-2-9]。このうち、
(a)中山芝2勝以上
(b)AJC杯を斤量57キロ以上でV、または56キロVの場合は着差が3馬身以上
(c)年齢は4歳から6歳まで
(d)
有馬記念の前2走とも6人気以下かつ6着以下は×
(e)
有馬記念の前走はG1戦を使用
以上の5項目クリア馬は[1-3-1-0]。レコード勝ちを含む激戦の反動が心配も、好調子が続く血統だけに外せない。
△に
ブエナビスタ。強さは否定できないが、牝馬は[1-4-2-42]で、連対をはたした5頭に共通しているのは、勝率が5割以上あったこと、馬券になった7頭はキャリア18戦以下だったこと。今年のブエナは[9-8-3-2]で、勝率.409、キャリアは22戦。齢を重ねて勝ち切れなくなってきていることは確か。ただ、S46年、5歳牝馬の
トウメイが前走天皇賞秋1/2差勝ちの勢いで有馬キャリア31戦目制覇(6頭立て・斤量5キロ)の例もある。
☆に穴馬
ジャガーメイル。右コーナー6回の長丁場、春の天皇賞を制していた器用さに注目したい。春の天皇賞勝ち馬(前年Vも含む)の
有馬記念成績は[5-4-1-10]。このうち、
(a)春の天皇賞0.1秒差未満勝ちは×
(b)
有馬記念の前走6着以下は×
(c)キャリア25戦以上は×
以上3項目をクリアしていた馬は[4-4-1-0]。7歳の高齢馬だが、前走
ジャパンカップ0.3秒差3着激走しているように底力は侮れない。