今週土曜日の東京競馬場でのメインレースは桜花賞へ向けたレース、3歳牝馬重賞のクイーンCです。

　本命にはオメガハートランドです。前走のフェアリーSでは一番人気で、結果は四着でしたが、勝ち馬とタイム差無しなので、すぐに重賞を勝てそうです。東京コースで勝っていますし、3着だったくるみ賞では上位2頭は朝日杯JFで好走した実力馬なので、この馬も牝馬同士なら十分期待できます。

　対抗にはヴィルシーナです。前走のエリカ賞では流れが向いた部分のありますが、牡馬相手に見事な勝ちでした。さらにこのレースで、きさらぎ賞で好走したヒストリカルに勝っていますし、三着に負けた黄菊賞も牡馬に先着されてはいますが、牝馬に先着されたことはこれまで一度も無いので、牝馬同士なら好勝負できます。

　三番手にはモエレフルールを推します。ここ近走は惜しいレースが続いていますが、いずれのレースも好タイムで走っています。さらに未勝利戦で今回と同じコースを走っており、勝ちタイムも優秀です。安定した先行力もありますし、今回も大崩れしないと思います。

　押さえには阪神JFで好走したイチオクノホシとデビュー戦で今回の条件で良い勝ち方をしたハイリリーです。

東大ホースメンクラブ　キャラメル

○はフェアリーで◎にしたのでここでもうひと押しの気持ちもあるのだが、筆者のイメージは“短めリンカーン”で、最も力を込めて買えるのは中山1800mあたりかなと。

▲はハーバーコマンドの妹で母レディインはレーヴドスカー(レーヴディソールなどの母)とよく似た血脈構成でナスキロ柔い斬れ味を伝える繁殖で、サフランや阪神JFでみせた斬れ味はたしかにここなら上位だが、昨年のホエールキャプチャほどの馬ではないだろう。

エミーズパラダイスは初芝が楽しみな血統だが、大井のレース映像をみると小脚と粘りで走るタイプで東京より中山向きか。

◎はサンデー系×アンティックヴァリュー牝系だからアドマイヤベガなどと同じ組み合わせで、サンデー×シアトルスルー×ミスプロというのはリーチザクラウンやサダムパテックやアスカトップレディなどと似た配合形で、そのイメージ通りに細身で柔らかなストライドで斬れた。

ダイワメジャー産駒だがあの斬れは間違いなく中山より東京向きで、斬れ味勝負なら▲にヒケはとらないはずだ。

距離はもう少し長いほうがいいが、そういうオークス向きのタイプが好走するレースでもある。

　東京芝1600mといえば、先週行われたのが東京新聞杯。コスモセンサーが逃げ切りを決めそうなところを差し切ったのが南Pで追い切られていたガルボでした。外を回るロスが、ゴール前で致命的な差になるのが今の東京芝Dコース。いかにうまく立ち回って瞬発力を発揮できるかという走りに、同じ左回りの南P追い切りが非常に有効だということでしょう。

　この時点で3頭に絞れるわけですが、そこからあえて1勝馬の◎ミッドサマーフェアを選んだ理由はたくさんあります。まずは最終追い切り。先行するコウギョウクロスを追走して0.4秒先着。これは小島太厩舎の鉄板調教に該当します。

　次に「1回東京開催芝1600mにおける小島太厩舎成績」。過去3年での出走回数はわずか5回ですが[2-0-0-3]という成績。うち1勝はこのクイーンCのアプリコットフィズ。そしてもう1勝は先週の未勝利戦で14番人気だったメイショウモーレンが勝って単勝万馬券でした。

　実は先週のテレビ山梨杯に出走したバウンシングライトは馬券にこそなりませんでしたが、11番人気5着。今年の芝は特に小島太厩舎に適していると考えられます。

　相手には南P追いの○モエレフルール、輸送さえこなせばポテンシャルは高い▲ヴィルシーナ、今週の坂路追いでラスト1F11.7秒が魅力の△カフヴァールまで。

1.ハイリリー
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準併用

2.カフヴァール
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準少め坂路

3.エクセラントカーヴ
今回：馬ナリ平均併用
前回：軽目トラック主体

4.エミーズパラダイス
今回：標準トラック
前回：地方

5.ダークマレイン
今回：馬ナリ平均トラック主体
前回：馬ナリ平均トラック

6.モエレフルール
今回：標準多め併用
前回：標準多めトラック

7.アラフネ
今回：標準多め併用
前回：一杯平均トラック主体

8.オメガハートランド
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均併用

9.ヴィルシーナ
今回：標準併用
前回：標準多め併用

10.ミッドサマーフェア
今回：乗込坂路主体
前回：馬ナリ平均坂路

11.ウインフロレゾン
今回：標準トラック主体
前回：乗込坂路主体

12.イチオクノホシ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

13.プレノタート
今回：標準坂路
前回：標準併用

14.ヘレナモルフォ
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均坂路

15.ターフデライト
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

16.キボウダクリチャン
今回：連闘坂路
前回：馬ナリ平均坂路

　指数的には阪神JF・4着のイチオクノホシがやや抜けている程度で、キャリアの浅い馬でもチャンスがありそうなメンバー構成。4戦目で初勝利を挙げたばかりだが、ミッドサマーフェアを狙ってみたい。

　その前走は、前半1000m通過58.6秒の未勝利戦にしては速い流れを、中団後方から一気に捲っての楽勝で、自己最高指数｢94｣をマークしている。ポイントは速いペースながら馬群が縦長にならなかったことで、3角から捲った本馬は相当な距離ロスをしているのだが、急坂があるにも関わらずラスト2Fのラップが11.9-11.9秒と落ち込まなかったところに、本馬の持久力適性が垣間見える。

　初の重賞挑戦になるが、指数動向から格負けするタイプではないだけに、極端な上がり勝負にならなければ、このメンバーでも太刀打ち可能だ。

【混戦】素質を感じるディープ産駒ヴィルシーナを本命に推す。距離短縮キーも東京替わりプラスでクラシック候補に名乗り。前走は若さを見せたオメガハートランドだが評価を下げる必要はなく巻き返しを見込む。阪神JF4着のイチオクノホシはキレ味十分。前走牡馬相手のOPで3着のモエレフルールも争覇圏。ハイリリーも牝馬限定なら差はなく、エクセラントカーヴとウインフロレゾンも一発は十分。

【関東希望の星】関東圏のホームなら、イチオクノホシで順当。前走の阪神JFは、パドック、本馬場入場、返し馬とこなすにつれ、徐々にテンションアップ。発走前の輪乗りでは、イレ込み寸前と摩耗。そのぶん、勝負どころの反応が鈍くなったものの、2馬身半と突き抜けた勝ち馬は別格として、きわどい2着争いを演じている。東京コースは、二走前のサフラン賞で1分22秒4・上がり33秒4をマーク。開催は異なるが、牡馬混合のGIII・京王杯2歳Sと走破タイム・上がりと、ほぼ互角。ちなみに、トップスピードに乗った残り2ハロンの推定ラップは11秒0―11秒0。あの加速力をもってすれば、当然1ハロン延長のマイルも視界に入ってくる。対抗はモエレフルール。ひいらぎ賞は大外16番枠、前走のジュニアCは牡馬混合戦での追い比べ。あと一歩詰め切れないでいるが、東京マイルに1分34秒4という良質な勝ち時計あり。オメガハートランドも、フェアリーSはスローと展開に泣かされ、もったいないクビ差4着。東京替わりで前進十分。まとめて負かせば新星エクセラントカーヴ。騎手を振り落としたり、おっかない馬ではあるが、中山のマイルを11秒4―11秒3で一気に登板。重賞レベルの瞬発力を初陣でたたき出している。ヴィルシーナは底力型の中距離馬。マイル替わりが微妙だが、東京ならギリギリ間にあうか。ミッドサマーフェアの前走・1分34秒4は、ジュニアCと同レベル。時計的には足りている。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

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◎カフヴァールは「デュランダル×ガルチ」という組み合わせで、リザーブユアハート（函館３歳Ｓ）やソーラアート（準ＯＰ）の半妹にあたる。

父デュランダルはサンデー産駒の成功パターンであるガルフストリーム≒ヘリオポリス５×５という４分の３同血クロスを持っているが、本馬はそれを継続発展させる形でクレームデラクレーム≒ラッキーメル４×５という相似な血のクロスを持つ。

この綺麗な配合形の効果なのか、初戦（芝１４００ｍ）はラスト２ハロン１１秒５-１１秒５という上がりの勝負を大外からズバッと差した。イン有利で前残りとなりやすい開幕週だったことを考えれば価値が高い。

当レースはラストの瞬発力勝負で決まるケースが多いので、この決め手は心強い武器となる。格上挑戦でも楽しみが大きい。