･前走で阪神または海外で出走していた馬をのぞく、前走6着以下馬の日本馬
※東京過去10年[0-0-0-35]
●2011年該当馬→エーシンフォワード(12着)、サンカルロ(13着)、リーチザクラウン(17着)
○2012年該当馬→エイシンアポロン、グランプリボス、スマイルジャック、ダノンヨーヨー、フィフスペトル、リアルインパクト、ローズキングダム

･前走、京王杯SCで3着以下だった馬
※東京過去10年[0-1-1-35]
●2011年該当馬→クレバートウショウ(4着)、ジョーカプチーノ(5着)、エーシンフォワード(12着)、サンカルロ(13着)、コスモセンサー(16着)
○2012年該当馬→グランプリボス、ストロングリターン

･前走でG3、またはOP特別に出走していた牡馬、セン馬
※東京過去10年[1-1-0-26]
●2011年該当馬→リディル(7着)、リーチザクラウン(17着)
○2012年該当馬→ガルボ、ペルーサ

･前走馬体重459キロ以下馬
※東京過去10年[0-1-0-17]
●2011年該当馬→リディル(7着)
○2012年該当馬→ドナウブルー、マルセリーナ

･前走が海外だった馬をのぞく、中央芝G1連対実績のない前走5着以下馬
※東京過去10年[0-0-1-37]
●2011年該当馬→クレバートウショウ(4着)、ライブコンサート(18着)
○2012年該当馬→該当なし

2011年残った馬→リアルインパクト、ストロングリターン、スマイルジャック、アパパネ、シルポート、ビューティーフラッシュ、ダノンヨーヨー、サムザップ、シルクアーネスト、ビービーガルダン

【昨年結果】
1着：リアルインパクト(○)
2着：ストロングリターン(○)
3着：スマイルジャック(○)

2012年残った馬→アパパネ、グロリアスデイズ、コスモセンサー、サダムパテック、シルポート、ラッキーナイン

須田：ダービーは、井崎センセイの呪縛から解き放たれたディープブリランテが快勝！　早め先頭からギリギリ粘り込むレースぶりで、見事3歳馬の頂点に立ちました。

井崎：……呪縛とか言わないでくれよ。でも、岩田ジョッキーのレース後の姿、印象的だったねえ。自分の馬の力を信じた積極的なレースぶりも素晴らしかったと思うよ。

須田：そんな素晴らしい岩田ジョッキーとはうらはらに、センセイが先週推した6頭のうち、馬券に絡んだのは2着のフェノーメノ「だけ」。軸に選んだゴールドシップも……。

井崎：内田博ジョッキーも、序盤から少しでも前のポジションを取ろうとはしてたんだけど、想像以上にズブかったなあ。ちょっと、ヒシミラクルを彷彿とさせるものがあるよ。

須田：ただでさえ超高速馬場で、さらにCコース替わりと、前が有利になる条件が揃っていましたからねえ。トーセンホマレボシの粘りっぷりも、かなりのものでしたよ。

井崎：で、今週の安田記念なんだけど……コレ、すごいよな。近年行われたG1のなかでも、一二を争えるほど難解なレースなんじゃないか？

須田：「G1での連対実績を持つ馬が大半を占めるレース」なんて、そうそうお目にかかれませんからね。人気の割れっぷりも壮絶なものになりそうですが、センセイの見解は？

井崎：正直、わからん。だってさ「絶対にない！」って言い切れる馬が、まったく見当たらないんだぞ？　そこに香港の2頭まで加わるとなると、もうお手上げだなあ(笑)。

須田：そう言いたい気持ちはわかりますが、一応は予想コラムなんですから、いきなり白旗あげないで下さいよ。それになんだかんだ言いつつ、6頭まで絞れてるじゃないですか。

井崎：そりゃまあ、どんな難解なレースであっても、来ない馬のパターンっていうのはちゃんと存在するからな。例えば、いちばん最初の消去ネタとかさ。

須田：ああ、前走6着以下の日本馬を絞り込むヤツですね。しかしコレ、消去の対象馬がすべてG1連対馬とは……何とも危なっかしいカンジですなあ。

井崎：しかもそのうち3頭は、マイルG1の勝ち馬だもんな(笑)。でも、過去10年で1頭も馬券に絡んでいないパターンだから、ここは消さざるをえないんだよ。な、困るだろ？

須田：センセイの苦悩が、今週だけはよく理解できますよ。あとは、2番目のネタで消しているストロングリターンも、取捨が猛烈に悩ましい1頭といえそうですねえ。

井崎：いまふと気付いたんだけどさ、去年の安田記念1着馬から3着馬を、この2ネタでぜんぶ消しちゃってるんだよなあ。もう、考えれば考えるほど危なっかしいよ。

須田：別ネタで消しているペルーサも、天皇賞(秋)で2回も馬券に絡んでいる実績馬ですからねえ。ここで来られても、何も文句は言えないという。

井崎：そんなこと言い出したら、ローズキングダムなんかマイルG1だけでなく、ジャパンカップの勝ち馬でもあるんだからな。でもさすがに、このローテだと厳しいよな？

須田：いやいや、カミノクレッセにイクノディクタスと、ボクが覚えているだけで2回も馬券に絡んでますよ。じつはけっこうアツいパターンと言えるんじゃないかと(笑)。

井崎：もう20年近く前の話だけどな、それ(笑)。ま、アレコレ考えたけど、香港の馬も「とりあえず消さない」という方針だし、この6頭で行くしかないなあ。

須田：こういう時にかぎって、バッチリ当たったりするのが井崎センセイですからね。いずれにせよ、かなり面白いレースになるのは間違いないですし、日曜日が楽しみですよ。

　本命はドナウブルー。3走前にようやく重賞を勝って挑んだ2走前は11着と大敗でした。しかし、前走挑んだマイル戦の初GIでは2着と大健闘を果たしました。今年に急に実力をつけてきた馬で、まだまだ伸び代があるはずです。

　対抗はシルポート。ようやく調子をとり戻して来たようです。今のところGIではなかなか結果を残していませんが、そろそろ実力を発揮してくれることでしょう。

　3番手評価はガルボ。この馬はシンザン記念の時に惚れた馬ですが、それ以降なかなか重賞を勝てませんでしたが、今年に入ってからマイル重賞を2勝と調子づいています。

　4番手評価はリアルインパクト。去年3歳でこのレースを制しました。その後は微妙な成績続きではありますが、得意レースでの大逆転は十分にありえるでしょう。

　5番手評価はグロリアスデイズ。正直外国馬は分かりませんが、無印も怖いのでどちらかを選ぶならと言うことでこの馬を選びました。

東大ホースメンクラブ　おにぎり

　◎ローズキングダムはノーザンダンサーとミルリーフのクロスだから父キングカメハメハの母父ラストタイクーン(BCマイル勝ち馬)らしさがオンになっていて、中距離ではスローでしか好走しないし、超Hペースの秋天でも好位で押さえきれない手応え、そしてエイシンアポロンやガルボを相手にしなかった朝日杯を思い起こせば、本質はマイル近辺にあるのではないかと思う。

　日曜の予報は午前中に少し降る程度で、良ならここから入りたい。

　2007年以降の安田記念、1着から3着馬の調教タイプを見渡すと、毎年馬券圏内に入っているのが、調教本数の多いタイプ。同じ東京芝1600mのG1でも、NHKマイルCのように開催前半に行われると本数は標準程度でこなせますが、馬場が荒れ、そして古馬のマイル戦ということになれば、運動量は重要なファクターになるということでしょう。

　調教本数の多いタイプが6頭なので、そこからの選択になりますが、現在の天気予報では降水確率が高く、馬場は渋りそうです。そこで「稍重より悪い馬場で行われた春開催の東京芝1600m」という条件で1000万下より上のクラスで検証したところ、3つの該当レースでの勝ち馬はすべて「坂路で本数多く」調教された馬でした。

　馬場が良であれば、トラック的な要素も必要になるが、荒れた馬場に水分を含むと坂路的なパワーの要素が重要になるということ。ならば迷うことなく、◎アパパネの快走を期待したいと思います。

　前走時は太目残りによる北C追いが続きましたが、今回は通常の坂路追いに戻りました。木曜発表の馬体重もそうですが、前走のトラック調教が今回に活きた結果、馬体が絞れてきたんだと思います。最終追い切りは新書に掲載した「国枝栄厩舎の勝負調教」通りの馬なりで併せ先着。相手に並びかけるまで逆手前で我慢して、鞍上の反応を待っての正手前。非常にスムーズな走りに本調子であることを確信しました。

「1番枠が」と言葉を詰まらせる○ダノンヨーヨーの音無秀孝調教師。しかし「仕上がり途上だった前走よりは明らかに調子がいい」というのが今回。だからこそ、今週の追い切りは単走でしたし、この馬らしい速い4F時計が出ました。雨馬場での良績があるだけに、この馬にとっては恵みの雨になるのではないかと思います。

　▲グランプリボスは良馬場なら本命に考えていた馬。今回の追い切り内容は実に魅力的で、4F時計が自己ベストを更新。時計の速い東京芝にはもってこいの調教内容だと思っていました。ところが天気予報は雨。そもそも雨馬場での良績がなく、そのあたりを考慮すると、この印が精一杯でした。

　ここで外国馬の取捨。過去の馬券圏内に入った外国馬の調教条件としては、調教開始時期がレースの7日前というのが非常に重要なファクターでした。これをクリアしたのは☆グロリアスデイズ。さすが2008年アルマダで2着した調教師、同じパターンで仕上げてきたというわけです。これは馬券的に十分押さえる価値があると思います。

　△エイシンアポロンは中間のアクシデントがあって本数不足だった前走時とは全く違う仕上げ。馬体重も太目が残るということはないでしょうし、最終追い切りの動きもほぼ万全です。

　西園正都厩舎の3頭は、厩舎の勝負調教に該当した△シルポート、△コスモセンサーはもちろんですが、明らかに状態がよい△サダムパテックも馬券圏内。ただ冒頭に記したように、調教本数が必要になるレースだけに、あまり高い評価はできませんでした。

　調教内容としては特に注文をつけることのない△ガルボ。暑さに弱い馬だそうですから、あまり気温が上がらない天気もいいでしょう。

1.ダノンヨーヨー
今回:標準多め坂路
前回:標準坂路

2.ガルボ
今回:標準トラック主体
前回:標準トラック

3.グランプリボス
今回:標準多め坂路主体
前回:標準多め坂路

4.ストロングリターン
今回:乗込トラック
前回:標準併用

5.ラッキーナイン
今回:軽目トラック
前回:海外

6.スマイルジャック
今回:標準トラック
前回:馬ナリ平均トラック

7.サダムパテック
今回:標準坂路
前回:急仕上げ坂路

8.コスモセンサー
今回:標準坂路
前回:急仕上げ坂路

9.フィフスペトル
今回:標準トラック
前回:標準トラック

10.アパパネ
今回:乗込坂路
前回:標準多めトラック

11.エイシンアポロン
今回:標準坂路
前回:標準少め坂路

12.ドナウブルー
今回:急仕上げ坂路
前回:標準少め坂路

13.シルポート
今回:一杯平均坂路
前回:標準坂路

14.グロリアスデイズ
今回:標準トラック
前回:海外

15.リアルインパクト
今回:標準多め併用
前回:標準トラック

16.ローズキングダム
今回:標準坂路
前回:標準多め坂路

17.マルセリーナ
今回:標準多めトラック主体
前回:標準多めトラック

18.ペルーサ
今回:標準多め併用
前回:標準多め併用

　昨年の安田記念の勝ち馬リアルインパクト、2着ストロングリターン、3着スマイルジャック、4着クレバートウショウ、5着ジョーカプチーノなどの上位馬が、いずれも後に凡走を繰り返しているように、近年のマイル路線は低調です。年々決着指数が低くなっているのです。昨年のマイルCSを勝利したエイシンアポロンのように、中距離路線のG2で上位の実績があれば、通用してしまえるレベル。つまり、ここに照準を合わせれば、どの馬でもチャンスがあるということです。特に前走凡退でダメージを残さなかったもともと強い馬の巻き返しが怖いです。

　前走凡退でダメージを残さなかったもともと強い馬…◎は昨春のヴィクトリアマイルを勝利し、安田記念では1番人気に支持されたアパパネとします。前走のヴィクトリアマイルでアパパネをバッサリ切ったのは、香港マイルや阪神牝馬Sで全く見せ場がなく、急には変われないと見たからです。しかし、前走のヴィクトリアマイルは前有利の流れを、後方からの競馬で0.4秒差の5着と見せ場のある内容でした。そろそろ変わってくる頃と見ます。

　○は昨年のマイルCSの勝ち馬エイシンアポロン。休養明けの前走マイラーズCは斤量58kgを背負っていたこともあり、力を出し切れずの14着でしたが、先行して見せ場は作れていたので変わり身を期待します。

　▲は一昨年のNHKマイルCの勝ち馬グランプリボス。前々走のマイラーズCはロスのないインコースを立ち回った馬が上位を独占する流れで、外枠から終始外々を回らされて先行できなかったのが敗因。前走の京王杯SCは出遅れて、これまた先行できなかったのが敗因です。同馬は切れる脚がないので先行して、後続の追い上げを阻止するのが勝ちパターンですから、前走で芝1400mを使ったことで先行力アップが図れたことや雨予報はプラスに転じるでしょう。

ハンデ戦から定量戦に移行した84年(S59)以降の28年間から、■消える馬・□残る馬をチェックしてみよう。

■0秒4…前3走とも1200-2000mの芝を使用し、ともに0秒4以上敗退馬は[0-0-0-36]。H17年、前年2着のテレグノシスが、前3走「香港マイル1秒3差14着→マイラーズ0秒6差6着→京王杯SC0秒7差3着」で1番人気支持も6着敗退。アパパネ・リアルインパクトが該当。

■1秒…前走1600m以下戦で1秒以上惨敗馬は[0-0-2-57]。エイシンアポロン・スマイルジャック・ダノンヨーヨー・リアルインパクトが該当。

■10着…前2走内に1600m以下の芝で10着以下大敗があった馬は、前2走内に1600m以下の芝GI・GII戦で3着内の好走があった馬を除き[0-0-0-61]。グランプリボス・スマイルジャック・ダノンヨーヨー・リアルインパクトが該当。

■左2割…左芝を5回以上走って0-1勝or10回以上走って0-2勝(重複除く)の左芝勝率が2割以下の日本馬で斤量減がなかった馬は、前2走内にGI・GII連対orGIII1着好走があった馬を除き[0-0-3-51]。コスモセンサーが該当。

■高齢…左芝0-2勝の7歳以上の高齢日本馬は、前2走内に芝GIで連対ある馬を除き[0-0-0-25]。H21年、左芝[2-0-1-8]の8歳カンパニーが前2走「中山記念1着→マイラーズ2着」で4番人気支持も4着。シルポートが該当。

■1着…前4走とも日本の2000m以下かつ斤量58kg以下のレースを使用して1着がない4歳以上は[0-0-2-72]。ダノンヨーヨー・フィフスペトル・マルセリーナ・リアルインパクトが該当。

■巻き返し…3か月以上の休養馬を除き、前走日本の芝良・稍重のレース1秒以上惨敗で斤量の軽減がなかった馬は[0-0-1-48]。H20年、ドリームジャーニーが前走マイラーズで斤量58kg・2番人気1秒4差14着から巻き返せずに10着敗退。エイシンアポロン・ダノンヨーヨー・リアルインパクト・ローズキングダムが該当。

■ダービー卿…GIIIダービー卿CTが1200m→1600mに変更されステップ戦となったH8年以降、その出走馬は[1-0-0-40]で、レースレベルに疑問符が付く。ダービー卿からの直行馬は[0-0-0-8]、ダービー卿組で1600m0-3勝馬は[0-0-0-30]。ガルボが該当。

■外国馬…前走芝1600m良・稍重で1.34.0を切っていなかった外国参戦馬は[0-0-1-14]。H14年、今年参戦のグロリアスデイズと同じローテで来日したレッドペッパー(前2走「チェアマンズ1着→GIチャンピオンズマイル1.35.2で2着)が12着に敗れている。ラッキーナインも該当。

□中長距離…2500m有馬記念で前走1600m以下戦使用馬が[1-0-4-22]なのに対し、1600m安田記念では前走2000m以上の中長距離戦を使用していた馬が9頭も連対をはたし、距離面での融通性が利くのが特徴。なかには、H9年、前走GI天皇賞春9着のイクノディクタス(1600m[0-0-1-3]、2000m以上[4-4-1-14])が14番人気2着、また、H16年、前走GII大阪杯6着のツルマルボーイ(1600m[0-0-0-4]・持ち時計1.35.0)が6番人気も自身1秒4短縮の1.32.6で1着などのように穴馬券演出馬もいる。

　この中長距離路線から連対をはたした9頭の共通項は、いずれも中距離2000-2200mのGIorGII戦で3着内の好走歴があったことで、うち8頭が1800-2400mの東京芝GI3着内orGII連対のコース実績があった。

　今回はペルーサに注目したい。昨年秋のレコード天皇賞は3着だったが、その通過タイム800m45.1-1000m56.5-1600m1.32.2の速い流れを後方で虎視眈々と狙い澄ましてのメンバー最速33.9の豪脚は目をみはるものがある。最速33.3の末脚あり、新路線マイルでの大化けの可能性大だ。

　ちなみに、去年の安田記念は通過タイム800m45.4-1000m57.0の流れのなか後方待機のストロングリターン(1600m持ち時計では下から2番目の1.34.4)がメンバー2位の上り33.8で5番人気クビ差2着(1.32.0)と猛追している。

　ただし、父ゼンノロブロイは、東京芝1600m過去2年3勝とリーディング10位で、この上位10位組中、連対率＆複勝率では4位。血統面から単は不向きか。

　ダービー週も続いた異常な高速馬場が今週も継続されるのかがポイントになりそうだが、日曜の天気が下り坂だけに、例え高速馬場でも、常識の範囲内には収まりそうな予感。ただし、前付けしないと勝負にならない馬場であることは間違いないだけに、スタート後の隊列がすんなり決まっても、中盤が緩まないタイトなペースになるのではないか。

　斬れより、パワー指向のタイプが台頭すると読んで、ダノンヨーヨーで一発を狙いたい。2010年のマイルCSで自己最高指数をマークしているように、高速馬場の時計勝負に対する適性も高いが、過去の指数動向を見る限り、上がりの掛かる消耗戦を差す形がベスト。2走前のマイルCS・4着時に、普段とは違う出していく競馬で｢113｣をマークして復調気配を示しており、休み明けの前走・11着は内を通らないと勝負にならない馬場状態で外枠を引いた時点でアウト。

　脚質的に最内枠で裁けるのか不安だが、出遅れ癖を考えると、内をロスなく回れるメリットもあるだけに、ペースが上がれば後方一気が嵌っても驚かない。

2番：素晴らしいデキ。
4番：トモ充実。勝ち負け。
7番：状態素晴らしく良くなった。
12番：グンと上向く。
14番：マズマズまとまる。
15番：好馬体。馬場も合いそうだし、勝ち負け。

【波乱含み】フィフスペトルが活気十分でデキ絶好。ここに来て力をつけている印象もあり好勝負を見込む。香港から遠征のグロリアスデイズは実力十分で逆転候補筆頭。前走は前がカベになりながら力強く伸びたマルセリーナを3番手に。復活なったサダムパテックも争覇圏。マイペースならシルポートも侮れない。底力あるストロングリターンに香港からのもう一頭の刺客ラッキーナインにも注意したい。

【世界のグロリアス】グロリアスデイズは、世界屈指のレベルを誇る香港マイルシーンの次代を背負ってたつ逸材。自国GIは2着3回。まだ決定的な勝ち星こそないものの、前走の香港チャンピオンマイル（国際GI）では、上がり2ハロンは21秒83（1ハロン平均は10秒9）という豪脚を駆使して2着強襲。日本やドバイのGIシーンで常に好勝負を演じてきた、ラッキーナインに先着を果たし、世界の中のマイラーとしての立場を、ほぼ確立した。ジョン・サイズ調教師とホワイトJは、2008年のアルマダで安田記念2着。日本への輸送や調整は手の内に入っている。香港馬にしては、〔5300〕とキャリアが浅く、まだ馬体も華奢なのかなと思っていたが、トモの盛り上がりと、胴回りの実の入り具合はどうだ。もしかして、日本の速いマイルの流れについていけないのではという声も聞くが、そこはホワイト。例えば人気を背負うだろう、当面の敵であるサダムパテックと鞍上のウィリアムズの捌きは、世界の中でお互い見知っている。要はサダムをマークすればいいだけの話。普通にレースの流れにも乗れるとみた。安田記念を、世界進出への一里塚としたい。相手本線は、そのサダムパテック。2歳秋から休みなくクラシックを走り抜いた蓄積疲労の影響か。どこか馬体が小さくなり、毛艶や張りがひと息の状態が続いたが、東京新聞杯後にリフレッシュ休養。前走の京王杯SCは、上がり33秒1で一閃。完全復調をアピールして見せた。直接のトライアルを制した勢い、鞍上ウィリアムズのアシストも、もちろん大きい。単穴はリアルインパクト。4度の関西遠征は失敗に終わったが、関東圏に限れば馬券の対象からハズれたことがない。並みいる古馬を相手に、1分32秒0という、歴代2位の走破タイムで安田記念を制した素質を改めて問いたい。昨年2着馬ストロングリターンは、約7カ月振りの実戦を叩いて型通りに良化。併せ馬では僚友リアルインパクトに先着を果たしている（▲と☆は評価五分）。香港馬ラッキーナインは、若駒時代は素質や能力だけで1800mにも連対を果たしたが、基本的には1400mまでの馬。プレブルの豪腕、内枠を引いたとしても、連下2、3番手どまりだろう。ヴィィクトリアマイル組は、アパパネの地力と実績を買う。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

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　◎ストロングリターンは「シンボリクリスエス×スマートストライク」という組み合わせ。現役時代にマザリンブリーダーズカップS(加G1・ダ8.5f)2着という成績を残した母コートアウトは、スマーテア4×3という大胆な牝馬クロスを持っており、繁殖牝馬としてのポテンシャルは高い。シンボリクリスエス産駒は芝向きの素軽さという点で見劣る部分があるので、Mr.Prospector のようなスピード血脈が入るとひと味違ってくる。

重賞3勝のサンカルロも本馬と同じく Mr.Prospector を持つシンボリクリスエス産駒だ。本馬はニジンスキー、ヴェイグリーノーブルという底力に秀でた血がサポートしているので大物マイラーの相がある。2?3歳時は気性の激しさをコントロールできず、ジョッキーが折り合いに苦労するシーンが見られたが、年を重ねて常識に掛かるようになり、出世の階段を昇れるようになった。

　前走の京王杯スプリングC(G2)は久々で伸びきれなかったが、負け方としては悪くなく、叩いての上昇を予感させるものだった。昨年クビ差の2着と健闘した舞台だけに、レース適性は申し分ない。シンボリクリスエス産駒は芝で最も多くの勝ち星を挙げているコースが東京芝1600mで、50走以上した芝コースのなかで連対率もトップ(28.6％)という抜群の適性を誇っている。外国馬以外にこれといった新星はいないので勝ち負けに持ち込めるだろう。

　◎ストロングリターンは、昨春に直結コースの阪神芝1800mで難波S、東京芝1400mにて京王杯SCを勝利した。そして昨年の安田記念を連対したことで、コース適性の高さを証明した。前走は休養明けとなる京王杯SCを4着に善戦、叩いた上積みを見込めば昨年と同様に激走できる。

　○サダムパテックは、4走前に直結コース阪神芝1800mの鳴尾記念3着となり、前走は直結コースの京王杯SCを制した。特に東京芝コースとの相性が良く、芝1800mで東スポ杯2歳Sを勝ち、芝2000mで皐月賞を連対している。このように東京では距離を問わず好走しており、重賞実績も十分あるため勝ち負けになる。

　▲エイシンアポロンは、秋に東京マイルの富士Sを勝ち、直結コース京都芝1600m外のマイルCSでGI制覇を成し遂げた。同コースと直結コースの重賞を連勝して、コース適性と実績の両面から推奨される。前走は休み明けで力を出せずに終わったので、変わり身を警戒する。

　△ガルボは、東京芝1600mで富士Sの13人気3着、東京新聞杯の8人気1着があり、適性の高さを活かした大駆けを見せてきた。また、前走で直結コース中山マイルのダービー卿CTを制し、直結＋同コースの重賞勝ち馬となる。適性的にベスト条件となるため大駆けを期待する。