G1馬カレンチャンが本命。昨年秋は怒涛の5連勝でスプリンターズSを制覇。勢いに乗って挑戦した香港スプリントでは5着に敗れてしまったものの、勝ち馬とは0.4秒差で実力的には遜色が無く、このレースでは確勝級といっていいでしょう。スプリンターズSと同じ舞台で力の違いを見せてくれるはず。

　対抗として推したいのがグランプリエンゼル。昨年の京阪杯ではロードカナロアには及ばなかったものの33.2秒の脚を使って0.2秒差まで迫り、内容のある競馬を見せています。最近はほぼ毎レース上位に入線しており、安定性という点では信頼できるので、このレースでもやはり馬券に入れておきたい1頭です。

　3番手はエーシンダックマン。追い切りの動きが今ひとつだったのは気になりますが、前走シルクロードSでは先行馬にとって苦しい流れをただ1頭粘りきっての2着で、高く評価すべきでしょう。ほぼ確実に先手を取れる高い先行力が魅力で、舞台が直線の短い中山に代わるのはプラス。馬券圏内に粘る見込みはかなり高そうです。

　穴として注目しているのがアポロフェニックス。最近は2桁着順も多いですが、オパールSのようにハマれば一発があるのが怖い一頭。特に今回は4勝を挙げている得意の中山コースに替わるので、「一発」を期待して狙ってみたいです。

東大ホースメンクラブ　テリア

　先週開幕した阪神も例年より時計の掛かる馬場状態だったが、酷かったのは不良馬場でスタートした中山。芝の育成が悪いのは素人目にも明らかで、それに加えて週中の降雨を考えれば、今週末もパワー指向のタイプが台頭しそうな気配だ。

　本命はワンカラット。指数的に緩急の差がないワンペース向きで、一昨年の北海道シリーズで｢115｣、｢113｣の指数をマークしているように、時計の掛かる馬場への適性も十分。

　馬体重を見れば分かるように、近走は明らかに余裕残しの馬体で、前走は内しか伸びない京都Aコースの外枠で、しかも斤量が57キロ。今回は逃げ・先行馬が揃ったメンバー構成で、馬場は時計が掛かる状態。条件好転は明らかだけに、久しぶりの輸送競馬で少しでも馬体が絞れれば、なお面白い。

【上位拮抗】状態の悪い栗東の坂路をパワフルに駆け抜けたカレンチャン。態勢整いG1馬らしい走りが期待できる。力をつけてきたエーシンダックマンはスピードを武器に逃げ粘りを狙う。エーシンヴァーゴウは前走案外もひと叩きで上昇しており巻き返しを期待。力上位のダッシャーゴーゴーも気配は上々。末脚堅実なワンカラットに実力馬ジョーカプチーノ、堅実なグランプリエンゼルなども差はない。

【波乱含み】やや記録は古いが、ジョーカプチーノは、当該中山1200mのラピスラズリSを、1分7秒3で圧倒。シルクロードSでは、一転上がり32秒6で直一気。走り時を選ぶ馬だが、鞍上はウチパク。栗東トレセンでビッシリ稽古を積んだ時は動く。カレンチャンの目標は、あくまで高松宮記念。56キロだけに、今回に限っては対抗に止めた。ダッシャーゴーゴーにも、同様のことが言える。惑星はツルマルレオン。2歳秋に阪神1400mを1分21秒4で楽勝した、明け3歳世代期待の短距離の差し馬。前走のシルクロードSの上がり33秒4にも、資質の片鱗。ワンカラットよりも新味が期待できるし、エーシンヴァーゴウも、1秒5差の大敗から一変まではどうか。

　昨年のオーシャンSは珍しく人気上位馬＝実績馬が揃って好走したが、その前をずっと遡ってみると、基本的にこのレースは荒れる重賞。格上タイプほど先を見据えた仕上げになっているのだから当然でもある。また、今年1キロ緩和されたとはいえグレード別定の加量ぶんもG1実績馬にとっては足枷になっている。

　一方、シルクロードSを使ったうえでここにも出てくるようなタイプは、先々というよりここでリアルにお金がほしいところ。そんなシルクロードS組の成績は、オーシャンSが重賞になって以降[0-4-1-39]と奮わないのだが、不思議なことに5番人気以内と11番人気以下がそれぞれ[0-0-0-13]で、6から10番人気は[0-4-1-13]の複回収率122％と、複穴にはなっている。今回はそのくらいの人気順にはまりそうな◎グランプリエンゼルを軸とし、3連複と3連単3着付けを狙ってみたい。

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