サマーマイルシリーズの第2戦、
関屋記念は新潟の高速馬場で行われます。決着タイムは1分31秒から32秒台。超高速決着でありながら上がりタイムも速い決着になることが多いようです。直線が長くスローペースだとしても、能力が高く末脚が優秀な馬ならば差し切ることが出来るため、近年は順当サイドの決着が多いレースです。
まずは能力が高い馬、
パワーポイント指数で能力値が高い馬に注目すべき一戦です。夏のローカルG3の中では例年高いPP指数決着になることが多い一戦でもあります。また一方で高速タイムの決着でありながら上がりタイムも同時に速いということはほとんどの馬が余力を残して直線に向いているということを示しています。
よって好タイム決着であっても実質上のペースはスロー。基本的に展開は逃げ、先行馬が有利になりやすいです。ただし、逃げ、先行馬のなかには切れる脚が足りないために、逃げ先行策をしている馬も多く存在します。しかし、
関屋記念ではいくら飛ばしても最後のキレはある程度は要求されるので、キレのない逃げ、先行タイプの馬では馬券圏内に突入することはできません。
また、速い上がりタイムの決着になれば大きな影響を与えるのが斤量です。加速比べになればなるほど重い斤量は大きな負担となります。よって負担重量の軽い牝馬、3歳馬は明らかに有利になるでしょう。
よって◎は3歳牝馬の
ナンシーシャインと推します。同馬は展開面で有利になりやすい逃げ、先行タイプの馬。また斤量51kgで負担重量が軽いことは一瞬の加速力くらべになった場合に大きく有利に働きます。今回のメンバーはどちらかというと差しタイプに有力馬が多いメンバー構成。そこで穴馬として浮上するならば、やはり想像しやすいのは逃げ、先行タイプの一発でしょう。
前走の
ラジオNIKKEI賞は差し、追い込みタイプが1、2着したレース。1番人気で実質上のレースの流れを支配していた
ガイヤースヴェルトが先行タイプであったために騎手の意識が前がかりとなり、数字以上に厳しい流れの一戦でした。その厳しい流れで逃げたのが
ナンシーシャイン。前走のタフなレースの経験は今回に生きてくるでしょう。一昨年の
関屋記念で3着と好走した
サトノフローラは3歳牝馬で負担重量51kgの馬でした。当時の
サトノフローラとの比較ならば
ナンシーシャインが劣っているとは思えません。確かに今年の3歳芝馬は古馬混合戦になってから例年と比べやや苦戦していることは確かですが、成長力と展開利、斤量利に期待します。
〇は2歳夏の
新潟2歳Sで勝ち馬
モンストールとのマッチレースを演じ、3着以下の馬に大きな差をつけたレースが衝撃的だった
ジャスタウェイ。その後も
毎日王冠で2着になるなど、古馬トップクラスに準じるレベルの能力の持ち主です。直線の長いコースは大得意で新潟コースは脚質から考えても向いています。
関屋記念は能力が高く、その日のコンディションが良い馬ならば差し、追い込みタイプが存分に能力を発揮しきれるレース。1番人気に支持されていますが軽くは扱えません。
▲は昨秋の
京成杯AHをレコードで快勝したように、高速馬場のマイル戦は向いている
レオアクティブ。一時期スランプ気味になったこともありましたが今春の
京王杯SCで4着と復調の兆しを見せました。前走の
バーデンバーデンCは重い馬場状態で能力を出し切ることが出来ませんでしたが、逆に考えれば今回に向けて能力を温存できたとも言えます。追い込み馬に乗ると抜群の冴えを見せる鞍上だけにここで復活というシーンも十分あるでしょう。