･前走上がり3F順位が3位以下だった馬
※新潟過去10年[1-2-0-47]
●2012年該当馬→シゲルイルカザ(6着)、モーニングコール(10着)、ショウナンアンカー(11着)、ミナレット(15着)、コスモリープリング(16着)
○2013年該当馬→モズハツコイ、アポロスターズ、アポロムーン、マイネルメリエンダ、マキャヴィティ、ユールドゥー、デスティニーラブ、コロナプリンセス

･前走ダートの馬をのぞく、前走1200m以下戦出走馬
※新潟過去10年[0-2-1-34]
●2012年該当馬→ロジウエスト(7着)、サウンドアドバイス(14着)
○2013年該当馬→タカミツスズラン、コロナプリンセス

･前走が、4番人気以下かつ2着以下だった馬
※新潟過去10年[0-0-0-18]
●2012年該当馬→シゲルイルカザ(6着)、タガノラルフ(12着)
○2013年該当馬→アポロスターズ、ユールドゥー

･前走、4コーナーを先頭で回っていた馬
※新潟過去10年[0-1-1-19]
●2012年該当馬→モーニングコール(10着)
○2013年該当馬→アラマサクロフネ、モズハツコイ、セトアロー

･前走3番人気以内馬をのぞく、前走馬体重が439キロ以下だった馬
※新潟過去10年[0-0-0-13]
●2012年該当馬→ユキノユウダン(8着)、モーニングコール(10着)
○2013年該当馬→アポロムーン、マーブルカテドラル、コロナプリンセス

2012年残った馬→ザラストロ、ノウレッジ、サウンドリアーナ、メイショウオオゼキ、カラフルブラッサム、トーセンレディ、エフティチャーミー、クラウンアトラス、ナンヨーケンゴー

【2012年結果】
1着:ザラストロ(○)
2着:ノウレッジ(○)
3着:サウンドリアーナ(○)

2013年残った馬→イスラボニータ、ダウトレス、マイネグラティア、ウインフェニックス、ハープスター、ピークトラム

2013年下半期[星取り表]:◎○○●●●●●

須田:7頭残しでアスカクリチャンとアンコイルドの両方がヌケとは……井崎センセイ、これはさすがに情けない結果だと言わざるをえませんよね?

井崎:素直にスマン。でもアレって、極悪馬場の影響もかなりあったと思うんだよなあ。やっぱり、例年の札幌記念と同列には考えないほうがいいんじゃないかと。

須田:ほほぅ……それはまたハズレて黒星が5つも並んだから、必死の弁明をしているワケではなく、ですか?

井崎:この井崎が、たかが5連敗くらいでダメージを受けると思うかっ!?

須田:そう聞いて妙に納得すると同時に「いやそこはダメージ受けておこうよ」とも思うんですが(笑)。つまり、トウケイヘイローの6馬身差圧勝もアテにはならないと?

井崎:アンコイルドとアスカクリチャンの着順こそ入れ替わったけど、函館記念の3着以内馬がそっくりそのまま来たワケでさ。やっぱり、例年とは違う結果だと思うがなあ。

須田:では、センセイがトウケイヘイローを天皇賞(秋)でどのように扱うのか、今から楽しみにしておきましょうかね。言ったこと、コロッと忘れてそうな気もしますが。

井崎:ソレ、大いにあるねえ(笑)。ま、そんな先のことを考えていても仕方がないし、まずは目の前の新潟2歳Sに集中するとしようかな。

須田:これまた難しそうなレースですが、おそらくマキャヴィティ、ハープスターあたりが人気の中心でしょうね。……って、いきなりマキャヴィティ、消してるし!

井崎:ああ、それも最初の消去ネタでな(笑)。勝ち馬や連対馬も出ているパターンではあるんだけど、これだけ信頼度が低いと、いっそ全滅させるのもアリかなと思ってさ。

須田:過去10年[1-2-0-47]ってことは勝率2.0%、複勝率6.0%ですか……確かに全滅作戦もアリな数値ですが、何か条件を付けて絞り込んでも良かったんじゃないです?

井崎:あ、ダリア賞組はけっこう来てるから、マキャヴィティも残そうと思えばカンタンに残せるぞ(笑)。でも、人気馬の1頭くらい消しておかないと儲からないしなあ。

須田:黒星5連発でまったくダメージを受けてないことを、まるで証明するかのような攻めっぷりですなあ……。で、あとはわりと順当なところを消して、この6頭残しと。

井崎:あとはオッズ次第だけど、2歳戦の人気は読みづらいからなあ。でも、今週はわりと自信があるし、組み合わせ次第ではいい配当も期待できると思うぞ。

須田:ちなみに先週も、先々週も「自信アリ」とか言ってませんでしたっけ?

井崎:そう、困ったことに、自信度と的中率が残念ながら比例しないんだよ(笑)。ま、そろそろ白星をゲットしておきたいし、今週は力が入るねえ!

　日曜日新潟のメインは、2歳重賞の新潟2歳Sです。この時期の2歳馬の力関係はまだまだ未知数であり、波乱になることが多い難解なレースです。

　とはいっても、やはり新潟コースを経験している馬の方がそうでない馬に比べて信頼度は高く、実際連対馬のほとんどが新潟コース経験馬です。よって、前走新潟コースで好走した馬を中心に狙ってみたいと考えます。

　本命は6番のマイネグラティアです。強調ポイントは二つあり、一つ目は前走新潟のオープンレースのダリア賞で上り最速をマークして2着に入っていること、二つ目は前々走の新馬戦で、新潟コースと同じく左回りで直線が長い東京1600m戦を勝ち上がっていることです。

　対抗は4番のダウトレスです。こちらは前走の新潟1600mの未勝利戦において、上り最速で勝利しており、距離とコース実績がある点が心強いです。

　三番手は1番のアラマサクロフネです。直線の長い新潟1600mですので先行脚質の同馬はやや不安ですが、逃げて勝った前走のタイムはなかなか優秀で、さらに最内枠に入ったので内ラチ沿いを距離ロスなくまわってこれれば、粘りこみも十分狙えると思います。

　押さえには、非新潟組の評判馬、3番イスラボニータと17番ハープスターをあげます。

東大HC　コイキング

　ダイワメジャーはパワーと粘りが持ち味だが、ナスキロクロスを持つ牝馬との配合ではダイワマッジョーレ、エピセアローム、エクセラントカーヴなど斬れ味のあるタイプも出す。マーブルカテドラルはチューリップ賞のヘルスウォールの娘で、母がシアトルスルーとボールドビダーを通じる「ボールドルーラーとプリンスキロ」のクロス、しかも母母はプロミストランドの3/4同血クロス3×3だから、ダイワメジャー産駒にしては脚長で斬れるタイプに出た。しなりながら抜け出した東京の勝ちっぷりを見ても新潟外回り向きの決め手があるし、距離延長もプラスだからここは狙ってみたい。

　ハープスターは桜花賞路線に乗れる好マイラーで、ファルブラヴやフェアリーキングのマイラーっぽさが表現されていて“女スズカフェニックス”というイメージで、素質ならこれだろうが、アイムユアーズやワンカラットなどファルブラヴ牝馬はパワー加速なのでどちらかといえば小回り内回り向きで、この馬も重箱の隅をつつくとそういう側面はあるかもしれない。

　この◎○中心で。

【伏兵注意】ハープスターは若さのぞかせながら楽に差し切った初戦内容秀逸。上積み十分で重賞初Vに期待。アラマサクロフネは未勝利勝ちも前走内容上々。スピード上位で押し切りも。ダリア賞勝ちのマキャヴィティは1戦ごとに良化を示す。マイネグラティアは末脚上々で展開次第では首位も狙える。マイネルメリエンダも素質に差はなくマーブルカテドラルやダウトレスなども上位進出が可能。

【クラシックの音色】ハープスターは、来年の牝馬クラシックを意識できる血統馬。祖母は桜花賞・オークスの二冠を制したベガ。なるほどその血統通り、深く厚い胸前、丸々とした臀部。深いトモの送りと、馬体の造りは、牡馬と混じっても一際目を引く。しかも気性はすこぶる健やか。デビュー前そして今回と、古馬OP並みの調教にもポテンシャルの高さがうかがい知れる。新馬戦の走破タイムは1分24秒5と、平凡の域を出ないが、11秒5―11秒9―12秒0というレースラップに対し(3Fは35秒4)、自身の上がりは34秒5。ライバル牡馬にインに押し込められる苦しいマークに合いながらも、残り1Fで急加速。荒れ気味の3週目の外有利の馬場で、推定11秒ソコソコのラップで二段加速。距離延長、広々とした新潟マイルで、さらなる確変を想像させる末脚を見せつけた。ただ、どこか回りを見渡しながらの、茫洋とした気性ゆえ、動かしどころ、瞬発力勝負に出遅れの懸念も頭に入れておきたい。逆転があればイスラボニータ。いかにもフジキセキ産駒らしい、目の尖った三白眼の切れ者らしく、初陣の東京マイルの上がりラップは、11秒8―11秒3―11秒5(34秒6)に対し、自身のソレは34秒2。ゴール前1Fを、推定11秒1ｰ11秒2の加速ラップでグイとひと伸び。上がり11秒台連発の坂路調教にも、良質マイラーの切れ味を随所に感じ取ることができる。単穴はコース経験のあるダウトレス。二戦目の時計とはいえ、1分34秒6は、同日の3歳未勝利より1秒も速く、翌日の古馬500万と0秒3差。ちなみに昨年の新潟2歳Sの覇者ザラストロは、新潟マイルの未勝利勝ちは1分35秒8。そこから一気に2秒3時計を短縮している。コース経験は、何よりも替えがたいのだ。マイネグラティアのデビュー戦・東京マイルの上がり33秒9は、ラップ形態は少し異なるものの、イスラボニータとほぼ同等。ダリア賞は内回りの1400m。外回りのマイルに替われば、少なくとも距離延長?の多いダリア賞組には遅れはとらない。マーブルカテドラルの新馬戦・1分23秒8も(やや重)、ダリア賞馬マキャヴィティの東京戦のタイムと照らしわせれば、意外に良質。

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　◎ハープスターは「ディープインパクト×ファルブラヴ」という組み合わせ。母ヒストリックスターは不出走馬だが、桜花賞とオークスを制した名牝ベガが残した唯一の牝駒で、アドマイヤベガ(日本ダービー)、アドマイヤドン(最優秀ダートホース2回)、アドマイヤボス(セントライト記念)、キャプテンベガ(東京新聞杯-2着)の半妹にあたる超良血。繁殖牝馬としての才能を、娘のハープスターの活躍によって証明するものと思われる。序盤がスローペースだった前走は勝ち時計こそ平凡だが、数字に表れにくい速い脚で後続を楽に突き放しており、高い潜在能力を感じさせた。外伸びの馬場で瞬発力がモノをいうこのレースに向いたタイプといえるだろう。最終追い切りも絶好だったので下手な競馬はしないはず。

　直線が長い新潟外回りコースで行われる2歳重賞で、クラシックを狙うような素質馬も出走して、毎年好メンバーが揃います。過去の勝ち馬には、セイウンワンダーやマイネルレコルトというのちのG1馬の名前も見ることができます。

　一方、最近ではモンストールやザラストロなど、ここでの勝利を最後にスランプに陥る馬も少なくありません。2歳のこの時期に新潟の高速決着を勝ち負けすると、小さくないダメージが残るようです。近年は素質よりも完成度が重視される傾向が強まっているようにも感じます。

　イスラボニータは6月東京の芝1600新馬での勝ち上がり。ゲートを出なかったので後方からの競馬になりましたが、追走スピードは充分で、直線では早めに並びかけて追い出しを待つ余裕がありました。時計が速い決着になっても対応は充分可能だと思われます。美浦坂路を古馬顔負けの時計で登坂してくるように、抜群の脚力を誇る馬。この条件はぴったりでしょう。

　ダウトレスは福島の新馬戦こそ距離不足で落としましたが、新潟に変わった次走をきっちり勝ち上がりました。フラフラするなどまだ若さを随所に残していますが、そんな状況で結果を残しているのですから、素質の高さは折り紙付きです。ひさしぶりにタッグを組んだ「小島太調教師+横山典弘騎手」のチームにも注目。

　ハープスターはディープインパクト産駒で、祖母に名牝ベガを持つ良血馬です。初戦の勝ちタイムは平凡ですが、すぐ息が入ったように余力たっぷりの内容で、血統からも大きくパフォーマンスを上げてくる可能性は充分にあります。

　ダリア賞が負けてなお強しの2着だったマイネグラティア、2走目で変わり身を見せて好時計で快勝したアラマサクロフネ、初戦は素質馬エルノルテに敗れたものの2戦目を完勝したモズハツコイ、レース巧者でダリア賞を制したマキャヴィティが押さえ。