･前走7着以下馬
※阪神過去6年[0-0-0-23]
●2012年該当馬→ファインチョイス(7着)、アラフネ(16着)、エイシンキンチェム(17着)、ダームドゥラック(18着)
○2013年該当馬→ストークアンドレイ、サマリーズ、サンブルエミューズ、ローブティサージュ、プリンセスジャック、サウンドリアーナ、レッドオーヴァル、コレクターアイテム

･1枠から3枠に入った馬
※阪神過去6年[0-0-1-35]
●2012年該当馬→パララサルー(9着)、サンシャイン(10着)、オメガハートランド(12着)、エピセアローム(15着)、エイシンキンチェム(17着)、ダームドゥラック(18着)
○2013年該当馬→ストークアンドレイ、サマリーズ、クラウンロゼ、サンブルエミューズ、ウインプリメーラ、ローブティサージュ

･前走、1400ｍ以下戦に5番人気以下で出走していた馬
※阪神過去6年[0-0-0-28]
●2012年該当馬→ファインチョイス(7着)、プレノタート(14着)、エイシンキンチェム(17着)、ダームドゥラック(18着)
○2013年該当馬→サマリーズ、ティズトレメンダス、シーブリーズライフ、

2012年残った馬→ジェンティルドンナ、ヴィルシーナ、アイムユアーズ、サウンドオブハート、メイショウスザンナ、ジョワドヴィーヴル、トーセンベニザクラ、イチオクノホシ、マイネエポナ

【2012年結果】
1着：ジェンティルドンナ(○)
2着：ヴィルシーナ(○)
3着：アイムユアーズ(○)

2013年残った馬→アユサン、トーセンソレイユ、クロフネサプライズ、ナンシーシャイン、ジーニマジック、メイショウマンボ

2013年上半期[星取り表]：●◎●○○●◎●●◎●●●

井崎：オルフェーヴル、強かったよなあ……。

須田：ええ、2週連続で「圧倒的人気馬を1着では買わない」なんて奇手を繰り出して、キッチリ裏目を食っている井崎センセイとは大違いの強さでしたなあ。

井崎：……いや、無茶だっていうのはこれでも重々承知の上なんだぞ？　先週の大阪杯だって、あのままだったらやっぱりトリガミだったワケでさ。

須田：でも、オルフェーヴル1着固定で、相手3頭でショウナンマイティとエイシンフラッシュを拾う予想なら、白星ゲットじゃないですか。まあ、結果論ですけど(笑)。

井崎：うん、ソレものすごく結果論(笑)。とはいえ、黒星が3つも並ぶとさすがに厳しいものがあるし、あの手はしばらく封印することにしよう。

須田：かなり黒星先行の状況なんですから、もっと焦って、正攻法で当てに行っていただきたいものですよ。で、そんな絶不調モードで迎える桜花賞ですが、手応えのほどは？

井崎：結果的に6頭残しになったけど、けっして悪くないよ！　人気になりそうな馬をそれなりに消せてるのもあって、トリガミに怯えたここ2週よりは格段にいい(笑)。

須田：消去対象で人気になりそうなところは……ローブティサージュ、コレクターアイテム、レッドオーヴァルの3頭ですか。確かに、扱いが悩ましいところですなあ。

井崎：前走の結果をどう見るか、だろうね。ただ、近年の桜花賞ってなかなか巻き返しがきかないレースになってるから。実績が実績だけに怖いけど、ここは消したいねえ。

須田：続いて、二番目の枠番消去ネタ。3連無敗のクラウンロゼやチューリップ賞好走のウインプリメーラがここで消えましたが、けっこう怖い存在ですよね？

井崎：そうは思うんだけど、ここまで内枠が不振だと、手を出しづらいのも事実だよな。データ的に「買い」と言えない馬である以上、腹をくくるしかないよ。

須田：おお……井崎センセイが珍しく男らしい(笑)。ここ最近は不安や泣き言ばっかり聞かされていた気がしますから、なんか新鮮ですよ。

井崎：実際はそこまで自信満々でもないんだけどな(笑)。ただ、ナンシーシャインやジーニマジックといった穴馬が残ってくれたのは嬉しい。ぜひ好走してほしいねえ！

須田：今年は混戦ムードの牝馬クラシック路線。せめて黒星以外でお願いしたいものですが……果たして、どういう結果が出ますかねえ。

　◎の母母メイショウアヤメは現フィリーズレビュー2着でジェイドロバリー産駒らしいトライアルホースだったが、本馬はスプリングマンボ≒ジェイドロバリー2×3という大胆なニアリークロスで、その弱点や限界を配合的に克服している。

　内1400mをねじ伏せるように差し切った前走の勝ちっぷりは本物、距離延長も外回りも歓迎で、キングマンボを増幅した配合だから道悪もプラスだろうから、ここは素晴らしいニアリークロスの破壊力に一票。

　☆はディープインパクトの妹で小柄だがしなやかな体質は兄と通じるものがあり、素質や潜在能力なら最右翼だが、桜花賞よりはオークスや秋華賞か。

　日曜も昼まで降る予報でどうやら道悪は避けられず、パワーと粘りに長ける阪神JF1,2着馬が浮上する。

　阪神芝1600mで行われるようになってからの桜花賞。大きな調教傾向としては、坂路もしくは併用調教馬に適性が高いレースですが、それだけで的を絞れるほど、簡単なレースでもありません。

　こんな時は、最終追い切りを含めた、調教内容の詳細を検証しますが、それで見つけたのが「栗東坂路で最終追い切りを行い、終い最速ラップを踏めていた」というもの。
　阪神競馬場が新装して、行われるようになった2007年以降で、その成績を調べると、

　[1-2-2-13]　単勝回収率241%　複勝回収率119%

　勝率を含めて、決して馬券確率の高い調教データではありませんが、回収率が100%を大きく超えています。確率が低いのに回収率が高いということは、人気薄を拾うことができる調教データということ。実際に1着の1頭は2008年の勝ち馬レジネッタですから、こういった人気薄の勝ち馬を拾うことができるというわけです。

　また、今年の阪神芝1600mに坂路終い最速ラップの好走例が多く出ており、六甲Sの1着シャイニーホーク(10番人気)はもちろん、3着ヒストリカル(3番人気)、4着ダノンプログラマー(13番人気)もこの追い切り内容でした。

　今年の該当馬は4頭いますが、もちろん全て印対象だと考えています。その中でも、中間の調教の様子、最終追い切り、前々日調整を見て、最終的に心中したいと判断したのが、◎サウンドリアーナ。

　まずは追い切り時のラップ。15.1、14.1、13.4、12.6秒ですから、完璧な終い最速ラップです。追い切り時の走りは今までのように、ずっと行きたがる状態から、今回はラスト1F標識手前まで我慢し、そこから促されると、GOするといった走りに変化しています。これは中間に「我慢とGO」をしっかりとわきまえることができる調整をしているから。これは、5日の角馬場でも見られました。今の状態なら、好位置につけて、ジョッキーのGOサインで鋭く反応できる。そんなイメージが沸いたので、この馬を本命にすることにしました。

　調教データで終い最速ラップには該当していないものの、1着も十分にあると思っているのが、○レッドオーヴァルと▲コレクターアイテム。前者は最終追い切りで切れのある動きを見せていたように、前走を叩いての良化が顕著。管理する安田隆行調教師も「この状態で負けるようだと」と気合が入っています。後者は前走後の短期放牧が良い結果に繋がった様子。中間の併せ馬の動きがこれまでと全く違いますし、最終追い切りも抜群でした。

　△メイショウマンボ、△クロフネサプライズはこれまでと大きく変わらない仕上げ。消す理由はありませんが、高く評価する理由もなかったので、この位置に。△サンブルエミューズ、△ウインプリメーラは終い最速ラップ。△ストークアンドレイと△ティズトレメンダスは今週の重い坂路馬場で速い時計をマークしており、こういった馬には見切りをつけることができません。

　△ローブティサージュは須貝尚介厩舎の勝負調教に該当したため、印を打ちましたが、阪神JF時ほどの印象はありません。最後になった☆ナンシーシャインですが、これは栗東滞在で確実に良化気配。終い最速ラップにも該当していますし、これは十分に2着がある状態だと見ています。

　最後に買い目について。No.1予想での買い目には上限10000円という制限があるため、競馬予想TV!で購入した3連単の買い目を入れることができませんでした。あらかじめ、ご了承ください。
　なお、3連単は3連複の相手馬をフォーメーションで購入しているので、印を打っていない馬が3連単の買い目に入っているということはありません。

1.ストークアンドレイ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

2.サマリーズ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

3.クラウンロゼ
今回：標準トラック
前回：標準トラック

4.サンブルエミューズ
今回：標準坂路
前回：標準併用

5.ウインプリメーラ
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

6.ローブティサージュ
今回：標準坂路
前回：軽目坂路

7.アユサン
今回：標準トラック
前回：標準トラック

8.ティズトレメンダス
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

9.プリンセスジャック
今回：馬ナリ平均坂路主体
前回：標準併用

10.シーブリーズライフ
今回：一杯平均トラック
前回：標準トラック

11.サウンドリアーナ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

12.トーセンソレイユ
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均併用

13.クロフネサプライズ
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

14.レッドオーヴァル
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

15.ナンシーシャイン
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

16.ジーニマジック
今回：標準併用
前回：標準坂路主体

17.コレクターアイテム
今回：標準坂路
前回：標準坂路

18.メイショウマンボ
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均坂路

　今年の牝馬クラシックは、昨年の重賞勝ち馬がすべて前哨戦で敗れたように大混戦ムードです。そのことが桜花賞を難しくさせますが、チューリップ賞の2着馬ウインプリメーラ、3着馬アユサン、フィリーズレビュー2着馬ナンシーシャイン、アネモネS2着馬ジー二マジック、クロッカスSの勝ち馬シーブリーズライフすべてが、昨年のアルテミスSに出走していました。つまり、アルテミスSはメンバー質の高い一戦だったということです。

　よって、桜花賞の◎はアルテミスSの勝ち馬コレクターアイテムとします。同馬は阪神ジュベナイルF、クイーンCと2戦連続で1番人気を裏切りましたが、阪神ジュベナイルFは上位3頭が4コーナーから直線で内を回った中を外と回るロス。また、アルテミスS激走の疲れもあったはず。前走のクイーンCはスタートで出遅れ、外を回って大敗していますが、あくまでも叩き台。牝馬は疲労が溜まりやすいからこそ、大敗からの巻き返しが多いもの。あの内容ならばまったく疲労は残らないはずですから、復活に期待します。土曜日の阪神牝馬Sで外差しが決まったように、馬場の内が荒れ気味なので、8枠17番という枠順にも恵まれました。

　〇は新馬戦以来の芝という不利な臨戦過程のフィリーズレビューで3着のティズトレメンダス。そもそもフィリーズレビューは先行争いをしていた他馬がビリとブービーに沈み、好位からの競馬をした1番人気馬サンブルエミューズが11着まで沈んでしまう厳しい流れ。その流れを4コーナー先頭で3着まで粘ったのは底力があればこそ。あまり切れる脚がないので、よほどオーバーペースで逃げない限り、道悪はプラスとなるでしょう。有力馬が差し馬ばかりなので、芝に慣れての粘り込みが期待できます。

　▲は昨年のデイリー杯2歳Sでは後方で折り合いを欠いて7着に敗れたものの、次走のファンタジーSでは先行策からスンナリした競馬で後の阪神ジュベナイルFの勝ち馬ローブティサージュに3馬身差で圧勝のサウンドリアーナ。休養明けのフィリーズレビューはレースの流れに乗れず、中団からレースを進めて伸びきれずでしたが、休養明け2戦目の今回は行きっぷりが良くなるはず。スンナリ先行することが条件の気性難タイプだけに、先行して復活の激走が期待できます。

過去30年から、■消える馬、□残る馬をチェック！なお、文中の「着外」は4着以下。

■アユサン…前2走とも芝1600m(1700m含む)、斤量55キロ以下で連対外かつ0秒4以上敗退は[0-0-0-21]

■コレクターアイテム…連対率が5割未満(マル地馬の成績は中央時のみ対象)馬のうち、前2走とも斤量55キロ以下で着外かつ0秒2以上敗退は[0-0-0-68]

■サウンドリアーナ…前2走とも着順掲示板を外す6着以下だった芝2勝以下の実績不足馬は[0-0-0-46]、このうち44頭が本番も6着以下だった。

■サマリーズ…芝を経験して連対がなかった馬は、前走芝の重賞戦5着内の好走があった馬を除き[0-0-0-33]

■サンブルエミューズ…前走芝良・稍重で10着以下の大敗馬は[0-0-0-64]

■ジーニマジック…OPのアネモネSが阪神1400mから中山1600mに変更されたH12年以降、前走アネモネS使用馬のうち、重賞戦連対歴がない2勝以下は[0-0-0-18]

■シーブリーズライフ…芝4戦以上消化馬のうち、右芝2戦以上0勝は[0-0-0-32]

■ストークアンドレイ…年明け3戦以上消化馬のうち、前3走内に着外が2回以上ある馬は[0-0-0-70]

■ティズトレメンダス…年明け3戦以上消化馬のうち、前走10人気以下の低評価だった馬は[0-0-0-41]、S62年前走トライアル10人気2着のコメーテスが12着・H20年前走トライアル11人気1着のマイネレーツェルが6着など低評価激走馬の二番はなし。

■ナンシーシャイン…キャリア4戦以上馬のうち、前4走内に1400m以上の条件戦敗退が2回以上ある馬は、前走芝1600m重賞戦連対馬を除き[0-0-0-34]

■プリンセスジャック…チューリップ賞(OP時も含む)で4人気以下かつ着外かつ0秒4以上の敗退馬は[0-0-0-29]

■レッドオーヴァル…前走体重が10キロ以上減っていた馬は[0-0-0-36]、H7年前走GII戦14キロ減1着のライデンリーダーが1人気4着・H16年前走GIII戦14キロ減1着のスイープトウショウが2人気5着・H20年前走GIII戦12キロ減1着のリトルアマポーラが2人気5着と人気馬が敗退。また、前走芝1600m(1700m含む)で0秒6以上敗退は、JRAの1600m以上戦2勝以上馬や前3走内に1600m以上の芝OP・重賞戦で連対がある馬を除き[0-0-0-48]、H19年ローブデコルテが紅梅S1着→チューリップ賞3人気5着とレッドと同ローテだったが、レース2番目の上がり33秒5の鋭伸も届かず4着。

■ローブティサージュ…前走3月戦が2カ月以上の休養明け戦だった馬のうち、そこで体重増加で連対外かつ0秒5(2馬身半)以上完敗馬は[0-0-0-28]、暮れの2歳GI戦1着馬3頭を含み、昨年のジョワドヴィーヴルの1人気5着は記憶に新しいところ。

□◎クロフネサプライズ…芝3勝以上かつ芝の連対率6割以上の実績馬のうち、

(1)前3走内に1400から1600mの芝重賞戦で連対が2回以上あること
(2)前2走内に芝重賞戦で1着があること
(3)芝1600m戦で1着があること

以上のプラス3項目をすべて満たし、なおかつ以下のマイナス2項目をクリアしていた馬は[7-4-0-0]

(a)年明け3戦以上の使い詰めだった馬は×
(b)前走体重増加8キロ未満内の万全の体調で0秒4以上敗退馬は×

□☆ウインプリメーラ…穴の1勝馬に注目。

1勝馬のうち、芝を4回以上走って、芝の連対3回以上かつ着外2回までの成績安定馬で、前4走内に1400から1600mの芝重賞戦で連対がある馬は[1-2-2-7]、このうち、

(a)前走1400m以下戦を使用して0秒1以上敗退は×
(b)前走体重が10キロ以上の大幅減馬は×

以上のマイナス2項目をクリアしていた馬は[1-2-2-0]で、馬券にからんだ5頭は、H10年エアデジャヴー9人気3着・H14年アローキャリー13人気1着・H15年シーイズトウショウ13人気2着・H16年アズマサンダース7人気2着・H17年デアリングハート10人気3着と穴馬券を演出していた。

以下○メイショウマンボ、▲トーセンソレイユ、△クラウンロゼ。

　外回りコースに替わってからの桜花賞は、過去の結果が如実に表している通り、オークスとの関連性が高まっているのが大きな特徴。従って、逆説的にオークスで狙いたい馬を買うというのが桜花賞の鉄則ですらあるが、今年は主役なき大混戦と称され、指数的にも上下差の小さいメンバー構成。さらに、週末の降雨で少なくともパンパンの良馬場は見込めないだけに、指数的にはタフな馬場が合いそうなタイプで一発を狙いたい。

　本命はサンブルエミューズ。前走のフィリーズレビューは1番人気で11着に大敗しているが、内有利馬場の外枠で、これまでの指数動向から向かないであることが予測できた距離短縮だったのも事実。デビュー2戦目の距離延長時に、自ら前傾ラップを刻んで｢93｣をマークしており、タフな流れへの対応力は早い段階から実証済み。

　例年だと内枠は不利だが、馬場悪化で外枠の先行馬が内を避ける競馬をすれば、外の差し馬はさらに外を回される訳で、今年に限っては内枠が不利だとは思えないし、斬れが要求される例年の桜花賞なら狙いにくいタイプだからこそ、逆に狙う価値はあると読む。

　相手はスローの上がり勝負を凡走しただけで人気急落のコレクターアイテムとローブティサージュ。ともに、指数動向からタフな流れの適性は高い。

6番：大幅馬体重減。悪くはないが、かなりおとなしいし、これがどちらに出るかわからない。
7番：馬格あるし、馬場も合う。
17番：絞れた。馬場合うし、これならチャンスある。
18番：デキ良いし、馬場も合いそう。鞍上だけ。

【三度目のサプライズ】クロフネサプライズは、7枠13番。この枠なら、内の先行勢の脚色と馬場を確認しながら精密な競馬を組み立て、力通りに桜花賞をもぎ取る。戦法は緩急自在の先行策。阪神JFは5ハロン通過・57秒8というハイペースを、二番手追走から首差2着に粘り込み。チューリップ賞は一転、5ハロン通過・60秒2のスローに落とし込み、ラスト3Fを11秒8-10秒7-12秒0で完封。勝負どころの残り2F・10秒7は、緩ペース云々を差し引いても速い(向かい風の直線は12秒を要したものの、追い上げる他馬も条件は同じ)。阪神JFとチューリップ賞の走破タイムは、いずれも過去十年で三番目以内の好タイム。本番と同じコースで二度結果を残した経験も心強い。重量感の溢れる坂路調教の走法は、父クロフネ譲り。道悪競馬も不問とみた。武豊ならGIの舞台でも、まっしぐらに度胸の逃げが打てる。逆転があればレッドオーヴァルの破壊力。チューリップ賞は、10キロ減でガス欠を起こし7着に惨敗。3歳春の牝馬がトライアルから3週間で立て直しをはかるのは容易ではない。しかし、スローの大外をブン回し最速の上がりは計時。ポテンシャルは最上位の扱いでいい。木曜計測の体重は432キロ。ほんの少しの体調アップで、紅梅Sの外一気の再現も十分。トーセンソレイユは、利発さが目に宿るディープインパクトの妹。前走のエルフィンSでは33秒5という驚嘆の末脚を披露。レッドと同様、体重維持に課題を抱えているものの、三戦無敗で桜奪取の大仕事をやってのけて不思議のない、それだけの血統馬だ。メイショウマンボのフィリーズレビュー・1分22秒1も、相当に良質。唸るようなデキで本番、幸四郎マジックあり。クラウンロゼは、フェアリーSは逃げて1分34秒7。アネモネSは一転、好位からソツなく外に持ち出し、同じ中山のマイルを1分34秒7。走破タイムは同じでもレース内容に格段の進歩がみられる。2歳牝馬チャンプ・ローブティサージュは、中間攻め強化。6番枠とあれば、阪神JFと同じ積極策に活路を見出しにかかる。

　桜花賞の予想はとにかくチューリップ賞組中心にというのが私の信条。もともとフィリーズレビュー組は分が悪いし、改修後はさらに本番との条件差が広がった。レジネッタが穴をあけたこともあったが、同馬はフィリーズレビューでは3着に負けていた身。少なくとも本番に直結はしにくい。アネモネS組はメンバーレベル的にも強くは推しづらいし、唯一有望なフラワーC組は今年該当馬なし。どうしてもチューリップ賞組からになる。

　そのチューリップ賞1，2着馬では△ウインプリメーラにも色気があったのだが、近年の桜花賞で不振の内枠を引いたうえ、まともに追い切りができない状態では軸にはできない。人気だが、外枠の◎クロフネサプライズ、そして前走人気だったが展開に殺された感のある○レッドオーヴァルを重視。一発があればマルセリーナなどが成功したエルフィンSからの直行にあたる▲トーセンソレイユだが、ネオ牝馬特有のポカは心配だ。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

【混戦】クロフネサプライズが一歩リードか。トライアルのチューリップ賞を3馬身半差で逃げ切り勝ち。阪神JF2着がフロックではないことを証明した。スピードとパワーを兼ね備えており、今回も同舞台ならVのチャンスだ。メイショウマンボはフィリーズSを快勝。メキメキと力を付けており、切れ味の鋭さが増してきた。流れが向けば逆転も。ローブティサージュは昨年の2歳女王。チューリップ賞9着を使って変わり身に注意。トーセンソレイユはディープインパクトの半妹。小柄だが勝負根性があり、2戦2勝と底を見せていない。レッドオーヴァル、クラウンロゼ、アユサンを押さえる。

　◎レッドオーヴァルは「ディープインパクト×スマートストライク」という組み合わせで、安田記念（G1）を勝ったストロングリターン（父シンボリクリスエス）の半妹にあたる良血。母コートアウトはスマーテア4×3という鮮やかな牝馬クロスを持ち、父ディープとニックスの関係にあるヴェイグリーノーブルを抱えている。大レース向きの底力を感じさせるハイレベルな配合だ。2走前の紅梅S（OP）は雨の影響で馬場が重く、なおかつ外が伸びない馬場であるにもかかわらず大外一気で後続に3馬身差をつけた。2着メイショウマンボがその後フィリーズレビューを勝ったことからも能力の高さがうかがえる。前走のチューリップ賞はスローペースの後方に控える不利に加え、大外を回る距離損も大きかった。巻き返しは十分可能だ。

　◎トーセンソレイユは、直結コースの京都芝1800mで新馬を勝ち、直結コースの京都芝1600m外でエルフィンS(OPEN)を制した。デビューから直結コースを2戦2勝、コース適性が高い。最近の桜花賞馬を見ると、昨年のジェンティルドンナは京都マイルのシンザン記念の勝ち馬、一昨年のマルセリーナはエルフィンSの勝ち馬だった。つまり、直結コースのなかでも、京都外回りの同距離と関係が深いことがわかる。今年の出走馬で京都マイルのオープンクラスを勝利したのは、トーセンソレイユだけなので中心視する。

　○クロフネサプライズは、同コース(阪神芝1600m)のGIレース・阪神JFを連対、そして前走は同コースのチューリップ賞(GIII)を制した。さきほど京都マイルが直結することを書いたが、次に注目の実績は同コースの重賞を激走したこと。クロフネサプライズは、阪神JFとチューリップ賞の両レースを激走したので、今回も勝ち負けになる。

　▲ローブティサージュは、同コースの阪神JFにて、○クロフネサプライズを相手に勝利を収めた。休養明けのチューリップ賞を凡走したが、叩いての上積みが見込めるうえに、前走は逃げ・先行馬が上位を独占したレースなので見直しが必要。過去の桜花賞では差しが決まっているため、巻き返しを警戒する。