※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
日本の平地競走で一番長い距離で行われるレースであり、コースを二周、コーナーを八つ回るレース。JRAの競走体系の中で突出した位置にあり、そのぶん特殊な才能が求められます。
また、3000m超級の重賞路線ということでは、春の天皇賞に向けての出発点という位置づけになります。とはいうもののスタミナが問われる長距離レースだけに、ここからの始動でいきなり好走することは困難です。1着賞金6000万円という高額レースながら、適切な
ステップを組み立てにくい重賞だといえるでしょう。
1.先行馬が圧倒的
過去10年の勝ち馬はすべて4コーナーを5番手以内で通過しています。そのうち6頭は3番手以内。小回り中山の開幕週ですから、逃げ・先行馬が圧倒的に有利です。長距離路線では先行スピードがないためこの路線に落ち着くことになった馬が少なくなく、そのなかで「前で折り合える」先行力は大きな武器になります。
2.順調に使われている馬が中心
3ヶ月以上の休み明けでこのレースを好走したのは、過去10年間で2007年3着の
アドマイヤモナークだけ(3ヶ月ぶり)。先週の
ゴールドシップがそうだったように、距離が長いレースほど休み明けでの好走は至難になります。いくら調教が良くても割り引いて考えるのが妥当でしょう。中3週で臨んだ馬は過去10年で8勝して2着3回、3着7回で、勝率12.7%という好成績。開きすぎず詰まり過ぎずの中3週が理想的な間隔と言えるでしょう。
3.重賞実績馬に敬意を払おう
アルゼンチン共和国杯、
万葉S、ダイヤモンドSなどこの
ジャンルのレースはハンデ戦が多いのですが、このレースは数少ない別定戦であることに注意が必要です。他のレースでは斤量を背負わされてしまう重賞実績馬にとって走りやすい条件になっています。
デスペラード、
トウカイトリック、
マイネルキッツなど重賞好走実績馬がここをきちんと勝ち切っているのも、斤量条件面の後押しがあってのことなのです。
スズカデヴィアスは
アルゼンチン共和国杯が春の天皇賞以来の休み明け。最後は失速したものの0.9秒差の9着ですから叩き台としては上々の結果でした。
京都記念2着の実績から前走は他馬より重いハンデを背負わされましたが、ここでは他馬と横並び。3歳で挑んだ昨年も4着と好走しており、力をつけた今年はそれ以上の着順を期待して当然です。
メイショウカドマツは
アルゼンチン共和国杯の2着馬。どちらかというと広いコースを得意としていますが、中山でも3歳時に勝ち鞍があります。前走は激走の部類なので疲労残りがなければ。
アルバートは最下級条件からの3連勝でここに臨みますが、じつは
アルゼンチン共和国杯でも出走順位19番目で除外された経緯があって、ここはようやくの一線級デビューになります。脚質的には直線が長いコース向きなので、中山ではムーア騎手の手綱捌き頼みという側面が小さくないでしょう。
ケイアイチョウサンは
ラジオNIKKEI賞の勝ち馬で、中山では
京成杯でも3着があります。去年の当レースを大敗したのは休み明けだったことが響いており、
菊花賞で5着しているように長距離自体は問題ありません。ズブくなっているので距離延長で新味が見られそう。
ファタモルガーナは昨年の当レースの2着馬ですが、今回は
目黒記念3着以来の休み明け。この馬自身はいつも間隔を開けたローテーションで使われていますが、他馬が順調な分割り引きはやむを得ないところです。
ネオブラックダイヤは勝ち味に遅いものの天皇賞でも5着したスタミナ自慢。
新潟記念以来の休み明けはカギになりますが、手の合う秋山騎手を関西から呼び寄せての一戦で勝負気配は充分です。
カムフィーは準オープンでもなかなか勝ち切れませんが、ダイヤモンドSで3着があるようにスタミナ比べには自信を持っています。当レースを過去10年で3勝している
横山典弘騎手への乗り替わりもプラス材料。