アズマシャトルはピサノパテックの3/4弟で、スティルインラブやビッグバイアモンの甥で、ザタイキのイトコ。

　スティルインラブは内回りの機動力抜群で桜花賞(旧コース)も秋華賞もアドマイヤグルーヴを寄せつけなかったが、本馬もこの牝系らしいロベルト的な機動力を感じさせる脚捌きで、内回り小回りでは[2-1-0-1]と弥生賞以外はオール連対。

　阪神内2000mならばチャレンジC4着より更にパフォーマンスは上がるとみて、ここは◎で狙ってみたい。

　メイショウナルトはネヴァーベンドやバックパサーの血が強い配合なので肩が立っていて、6-9月の内回り小回りでは[5-1-1-3]の夏馬だから、56キロならばいきなり走られても驚けない。

　改修後の阪神芝2000mで行われた鳴尾記念は過去3年。そこに共通する調教内容を重視すると、2頭の優勝馬が併用系統の調教タイプ。そして、1頭(トウケイヘイロー)はトラック単一調教で最終追い切り場所がCWだったので、これらを総合すると併用系統の調教タイプで、最終追い切り場所はCWは適性をアップさせるという判断をしました。

　これに合致するのは◎マジェスティハーツ。近走成績が冴えないだけに、人気薄ではありますが、その要因である直線のもたれ癖を解消すべく、馬具に工夫することになりました。追い切りでは、武幸四郎騎手が跨ってブリンカーと枝バミを着用。双眼鏡越しには内にもたれているように見えず、むしろ動きが素軽く見えました。実際、時計も好走時に近いものになりましたし、少頭数で直線の末脚が嵌まれば。

1.グランデッツァ
今回：軽目坂路
前回：標準坂路

2.レッドデイヴィス
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

3.エアソミュール
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均トラック主体

4.アズマシャトル
今回：標準併用
前回：標準少めトラック

5.トウケイヘイロー
今回：標準坂路主体
前回：標準トラック

6.マジェスティハーツ
今回：標準併用
前回：標準トラック

7.クランモンタナ
今回：標準トラック主体
前回：標準併用

8.メイショウナルト
今回：標準併用
前回：標準併用

9.エーティータラント
今回：標準トラック
前回：標準多め併用

10.ラブリーデイ
今回：標準併用
前回：標準多め坂路

11.マックスドリーム
今回：標準坂路
前回：標準坂路

【連続騎乗】エアソミュールは、オープン特別を4勝、昨年の鳴尾記念の覇者。GIIの東京1800m・毎日王冠を、1分45秒2でスパリと抜けた実力馬だ。金鯱賞は折り合いを欠き、AJCCは2200mの距離に泣き、前走の大阪杯ではGI馬2頭に先着を許してしまったが、決して得意とはいえない不良馬場で3着は確保している。今回もまた折り合いがカギになるものの、デムーロの連続騎乗はプラス材料。ストレスをためないよう、中間の調教も上手くガス抜きができている。

まともなら、ラブリーデイとの叩き合いが濃厚。本年は中山金杯の1分57秒8というレコード勝ちを契機に、続くGII・京都記念を連勝。3000mを超える長距離重賞は息切れしてしまったが、2000m戦なら巻き返しは当然。調教を見る限りでは、天皇賞の反動もないか。ただ、蓋を開けてみると、思ったより体が硬い――蓄積疲労による落とし穴もある。

京都記念0秒2差のレッドデイヴィスが、変わってゴール前粘り込み。プール調教を併用し、脚元と相談しながらの仕上げだが、三週連続でビッシリ追えた。グランデッツァは都大路Sを積極的に勝ち馬を追いかけ2着と食い下がった。しかし、阪神の2000m替りがどうか。二番が効き辛いタイプではある。

アズマシャトルは、新潟大賞典は外を回しすぎたか。元来はイン突き、鞍上も実績のある和田に戻る。馬体もいくぶん重かっただけに巻き返しの余地を残している。夏場を迎えるとメイショウナルトは見違えるように肌艶がよくなる。戦法は逃げ、誰が乗っても迷いはない。

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【混戦】ラブリーデイを中心に推す。近2走を見ると少し距離が長そうで、距離短縮はプラス材料。年明けから重賞2勝した実力を発揮できれば十分にチャンスある。グランデッツァの前走は相手が強かった。休み明けを叩いた効果で前進を図る。3走連続重賞3着のエアソミュールは折り合いが鍵。トウケイヘイローは久々だが動きは悪くない。クランモンタナ、レッドデイヴィスを押さえる。

　◎エアソミュールは｢ジャングルポケット×サンデーサイレンス｣という組み合わせ。2代母アイドリームドアドリームは名繁殖牝馬として知られ、子の代からエアシャカール(皐月賞、菊花賞)とエアデジャヴー(クイーンS)を、孫の代からエアメサイア(秋華賞)とエアシェイディ(アメリカJCC)を出した。

　本馬はエアシャカールの全妹を母に持つ良血。｢ジャンポケ×サンデー｣は残り4分の1に重厚な血を入れるとうまく行くことが多い。本馬はその部分にエルバジェやリボーといった欧州系のスタミナ血統が入るので好ましい。オープン大将的なキャラクターだった昨年でさえ当レースを勝っており、気性面が落ち着いて地力が増した今年は斤量が1kg増でも優位は動かない。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　春になったり秋になったり、1800mになったり2000mになったり。主催者の都合でコロコロ条件を変えられてきた流浪の重賞が鳴尾記念です。宝塚記念へのステップレースとしてこの時期に移動してきて今年で4回目ですが、12月に行われていた頃よりも重要性がアップしている印象があります。

　今年は特別登録こそ13頭に留まったものの、うち重賞勝ち馬が6頭という好メンバー。格付けはGIIIですが、メンバーレベルとしてはGIIに近い一戦になりそうです。

1.スピートタイプが優位

　阪神開催の開幕週ということで、芝の状態は絶好。スタミナよりもスピードを武器とする馬に有利な条件で、過去3年の連対馬6頭のうち4頭は1800m以下の短い距離から臨んだ馬でした。昨年の勝ち馬エアソミュールと2012年の勝ち馬トゥザグローリーはいずれも中山記念からの臨戦。2000m戦ですがどちらかというと1800戦に近いような感覚のレースです。

2.人気薄の先行馬に注目

　少頭数になりがちということもあって、ペースは落ち着く傾向にあります。過去3年間で必ず1頭は逃げ・先行馬が連対していますが、それらの人気は順に［2・6・9］。人気薄の逃げ・先行馬の前残りには充分な注意が必要です。

3.阪神実績は要チェック

　過去3年の勝ち馬にはいずれも距離は問わずに阪神コースで勝ち星がありました。ゴール前に急坂があってパワーを要するコースですから、相性の良し悪しが結果を大きく左右します。軸には当コース実績がある馬から選びたいところです。

　レッドデイヴィスは12月に行われていた頃の当レースの勝ち馬。それを含めて、阪神では重賞を2勝、オープン特別を1勝している阪神巧者です。長い休養から立ち直って、前走は京都記念4着と着実に上昇中。得意の阪神コースに替わるのは何よりの好材料で、この距離ならばこの馬のスピードがより活きるでしょう。

　グランデッツァは最後のひと押しが効かない馬で、最近は直線に坂がない京都競馬場が稼ぎどころになっていますが、阪神でも内回りの2000mなら粘り込みの可能性は高まります。開幕週のスピード勝負も好材料です。エアソミュールは昨年の勝ち馬。以来ずっとGIIばかり使われていましたが、今回は久々のGIII戦で相手も楽になった印象です。57kgを背負うものの主力の評価。

　メイショウナルトは毎年夏場に調子を上げる馬ですし、2000mの重賞を2勝している実績馬でもあります。近況は不振ですが、すんなり進めたときは一変がある馬です。マジェスティハーツは勝ち味に遅い現状ですが、全3勝のうち2勝を挙げているのがこの阪神コース。直線に坂があるコースのほうが持ち味が活かせます。

　ラブリーデイは今年になって重賞を2勝。春の天皇賞はさすがに距離が長かった印象で、適距離に戻る今回は巻き返しがあって当然です。アズマシャトルは2歳時にこのコースでラジオNIKKEI杯2着の実績があります。太めを叩かれた今回は一変の可能性があり、要注意。

【先行有利】開幕週の馬場をフルに生かせそうな10ラブリーデイを信頼。この組み合わせなら楽に好位を取れるのは間違いなく、適距離に戻るのも歓迎材料である。問題は相手で、こちらも先行内容重視で、01グランデッツァと02レッドデイヴィスの2頭を上位にチョイス。波乱はないと見て、シュアな馬券を心がけたいところだ。

【小波乱】エアソミュールは枠順、見込める展開ともにいい。しぶといグランデッツァ。距離短縮を追い風にラブリーデイが能力全開。

　グランデッツァは、アクシデントがあって当初予定していたマイラーズCを回避せざるを得ず、都大路Sでの復帰となったが、それでも力のあるところを見せて2着。この中間は順調に乗り込まれ、上積み十分。この相手でも勝ち負けできそう。

　相手は、実績最上位のエアソミュール、ひと叩きして確実に上向いているアズマシャトルが有力だが、レッドデイヴィス、メイショウナルト、ラブリーデイ、マックスドリームも押さえておきたい。

昨年の覇者3エアソミュールが主役を演じる。パワーが要求される阪神の芝は得意。3勝が示すように相性は抜群だ。うまく好位で流れに乗れればチャンスは十分にある。次位は叩いた効果がある1グランデッツァ。阪神のこの距離はベストで巻き返しの余地はある。▲は今期、重賞2勝と勢いに乗る10ラブリーデイだ。