【お薦め度C】

3番　ロッテンマイヤー

新馬戦でマークした1.49.2は上々の走破時計。上がりタイムが35.1秒と平凡だったのは、早くからレースが動いたため。それだけに、マイルへの距離短縮による流れの変化には対応可能であることを示しています。長距離輸送・左回り・道悪と初体験することが多数ありますが、ここでも注目したい存在です。

◎(お薦め度C)1000円・(お薦め度B)3000円・(お薦め度A)10000円を資金として、明快かつ儲ける競馬にこだわります。

　2016年1回東京開催で行われた芝1600mは4レースありましたが、そのうち2レースの勝ち馬が「最終追い切り場所が坂路でラスト1Fが最速になるラップ」を踏んでいました。ちなみにその2頭は、

３歳未勝利　ピックミータッチ　（美坂）15.8→14.2→13.6→13.4
東京新聞杯　スマートレイアー　（栗坂）14.6→13.3→12.7→12.6

　馬券総合倶楽部のコラムでもこの条件を取り上げて、美浦坂路でラスト1Fが最速ラップの11番人気プレミアステイタスに◎を打ち、結果的には4着でした。該当調教の出走頭数を考えれば、確実に狙ってみたい調教パターン。

　◎ダイワドレッサーは3走前1着時の最終追い切りが美浦坂路。その時はラスト1Fが最速になるラップではありませんでしたから、今回の方が当時よりも成長しています。先行することができて、なおかつ末脚を発揮できる。今の東京芝には最適な脚質ですし、今回の乗込併用もプラス。○メジャーエンブレムの最終追い切りを見ると、抜群の動きでしたが、追い切り本数が少ない分、こちらに有利なレースになるはずです。

1.ストライクショット
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準少めトラック

2.フロンテアクイーン
今回：標準トラック主体
前回：馬ナリ平均トラック

3.ロッテンマイヤー
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準併用

4.マシェリガール
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均トラック

5.ナックビーナス
今回：馬ナリ平均トラック
前回：一杯平均トラック

6.メジャーエンブレム
今回：標準少め併用
前回：標準トラック

7.ダイワドレッサー
今回：乗込併用
前回：馬ナリ平均併用

8.ペルソナリテ
今回：標準少めトラック
前回：標準少めトラック

9.シトロン
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

10.コパノマリーン
今回：標準トラック主体
前回：乗込併用

11.ビービーバーレル
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック

12.エクラミレネール
今回：標準トラック主体
前回：標準トラック

13.サプルマインド
今回：標準併用
前回：乗込併用

14.ラブリーアモン
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

15.ソロフライト
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

16.ルフォール
今回：標準併用
前回：標準併用

【上位拮抗】メジャーエンブレムは阪神JF勝利以来も絶好の動きを見せる。好仕上がりで今年初戦をVで飾る。サプルマインドはディープ産駒らしい素軽さ見せる。状態も着実に上向いており好勝負十分。ルフォールは新馬勝ち以来も上々の伸びみせており素質も見劣らない。ビービーバーレルはスムーズなら粘り込み。ロッテンマイヤーも通用の素材でペルソナリテやダイワドレッサーなどにも注意。

【逆転もある】2歳女王メジャーエンブレムのデキ万全。若かりし頃の白鵬のように、土俵に上がってきたライバルたちを、自身の力でなぎ倒してきた実戦横綱。唯一の黒星は、当該マイルのアルテミスS。外目の15番枠も影響したか。前半59秒9というスローを我慢しきれず2着惜敗。伏兵デンコウアンジュの小手投げをくらってしまったが、急いてしまったアルテミスSの敗戦を糧に、阪神JFはチップを被る調教も課し、他馬の動きを見ながら二番手に控え、直線は二枚腰で2馬身差の完封。1分34秒5という走破タイムは、ラップ形態こそ異なるものの、次週の朝日杯FSに0秒1遅いだけ。ここを勝って桜花賞へという意図通り、仕上げもほぼ万全だ。

　ただ、よく見ると阪神JFのラスト1Fは12秒6を要している。直線の長い東京は、10秒台の脚を使えるデンコウアンジュ型の切れ者に脅かされる懸念もある。ならばサプルマインド。420キロ前後の軽量ディープ産駒だが、新馬戦の新潟マイルは32秒5という、あのハープスターの新潟2歳Sを思わせる末脚を繰り出している。中間一頓挫あったぶん、本命を打ちきれなかったが、東京のマイル、鞍上デムーロならば、打倒メジャーも十分。

　ルフォールも、東京マイルのデビュー戦を、11秒7―11秒5―11秒6(3Fは34秒8)というレースラップに対し、自身の上がりは33秒8。推定ながら10秒台のラップを内包している。新馬戦のパドックは、幼さと呑気さばかりが目立ったが、堀厩舎の重賞古馬たちの胸を借り、気合い乗りも身のこなしも一変。

　ビービーバーレルには先手の利。フェアリーSはマイペースのスローとはいえ、勝ち馬の上がりだけは突出していた。阪神JFを最速の上がりで6着に入線したペルソナリテは、このメンバーなら連下十分。エクラミレネールの菜の花賞は、道中のラップやレースの質は、同時期のフェアリーSより上だった。

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　◎ペルソナリテは｢ステイゴールド×アドマイヤコジーン｣。この組み合わせは阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)2着馬ウインファビラスと同じで、過去、JRAで出走したのはこの2頭しかいないのでニックスといえそうだ。2代母にリボー系のタイトスポットが入り、なおかつノーザンテースト4×4なので成長力を感じさせる配合構成。新馬-特別を連勝したあと、新潟2歳S(G3)4着、阪神ジュベナイルフィリーズ6着と馬券に絡んでいないものの、成長の跡がうかがえるレースぶりだった。

　3ヵ月半ぶりの実戦だった前走は、スタートで出遅れ、最後方から大外を回って追い上げる苦しい競馬。にもかかわらず直線でよく差を詰めて勝ち馬から0秒7差だった。3着馬とは0秒2差しかなく、G1でこの内容は大健闘といえる。前走からのさらなる成長が期待できる今回は、行く馬が何頭かいるのでスローの上がり勝負にはなりそうもない。この馬向きの締まった流れで一発が期待できる。

【波乱含み】馬場良好でも逃げ先行タイプが多数のメンバーではハイペースが必至。中心には条件的に不利でも素質高いルフォールを指名。サプルマインドも能力的に見どころ十分で首位争いが期待できる。メジャーエンブレムは地力上位で引き続き大崩れがなさそう。ロッテンマイヤーは展開次第だが流れひとつで粘り込みが狙える。ビービーバーレルは前走快勝も展開的に押さえまで。差し脚秘めるフロンテアクイーンが連下の穴。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

「直線が長いコースのマイル戦」ということでは、桜花賞と同じ。桜花賞が阪神外回りコースで行われるようになってから、クイーンCの重要性が格段にアップ。最近ではホエールキャプチャ、ヴィルシーナ、ミッキークイーンというのちのG1ホースがここから巣立って行きました。

　牝馬は牡馬よりもレース後の回復に時間がかかる場合が多いので、ここから桜花賞に直行する馬も多く、関東馬にとっては最重要ステップになります。また、昨年のミッキークイーンのように、レース間隔を重視して地元戦ではなくこのレースを選ぶ関西馬も増えており、レースレベルも年々確実に高くなっています。

1.新馬・未勝利からの臨戦は不振

　前走が新馬・未勝利戦だった馬は過去10年で[0-2-1-31]と芳しい成績を収めていません。たとえばフェアリーSが500万条件と大差ないメンバー構成で行われることと比較すると、このレースは格段にハードルが高くなっていることがわかるでしょう。

2.差し・追い込みが届く

　レースレベルが高くなるにつれて、近年は差し・追い込み馬の台頭が目立つようになっています。最近5年間でフォーエバーモア、ヴィルシーナと先行馬が2勝していますが、両馬はいずれも上位人気で展開に恵まれたわけではありませんし、それ以外の3着以内馬はすべて差し・追い込み脚質。強い差し馬が能力を出しきれるレースになっています。

3.関西馬の存在感高まる

　関西馬がこのレースに使ってくるということは、なにか「ここでなくてはならない」という理由があるということ。それが左回りなのかレース間隔なのか、事情は様々ですが、輸送のリスクを押して出走してくる以上はマークを外せません。過去10年間3番人気以内の関西馬の成績は[2-1-3-3]で勝率22.2％、複勝率66.7％。きっちり結果を出しており、馬券的には頼れる存在です。

　サプルマインドは新潟の新馬戦で2馬身半下したコルコバードが菜の花賞3着で、また菜の花賞2着のフロンテアクイーンも同じ新馬戦で下しています。つまり、牝馬戦線トップクラスの能力はすでに新馬の時点で証明済みと考えられます。前走の白菊賞は京都内回りで外を回しすぎたのが敗因。今回は左回りの長い直線にデムーロ騎手と、新馬当時と同じ条件が揃いますから、実力を遺憾なく発揮できるでしょう。

　メジャーエンブレムは阪神JFが2馬身差の完勝。現時点で世代トップの実力は誰もが認めるところです。ただし、当コースではアルテミスSを2着に敗れた「前科」があります。折り合い面の難しさもありますが、直線の切れ味勝負になった場合は目標にされる弱みがあるのも事実です。

　エクラミレネールはキャリアを積むごとにレースを覚えて急上昇中。前走の菜の花賞はフェアリーSでも2着相当の好タイムです。使われながら馬体重が増えている点も心強く、いまの充実ぶりなら東京芝1600mでも。ルフォールは京成杯勝ち馬ベルーフの半妹で大物感があります。今回が試金石になりますが、底を見せていない魅力があり、重賞挑戦でも侮れません。

　ラブリーアモンは前走フェアリーS(6着)は大外を回る雑な競馬になったものの直線の伸びは力強く、東京替わりで確実に前進が期待できます。ペルソナリテは新潟2歳S以来の久々となった阪神JFでは6着に終わりましたが、メンバー中最速上がりをマークして3着争いに加わったのは立派です。左回りのほうがスムーズですし、叩かれての上積みも見込めます。ビービーバーレルはフェアリーSが好タイムでの勝利でしたが、東京では過去に3戦して全敗ともうひとつ結果を残せていません。強いメジャーエンブレムにマークされる展開も厳しく、今回は抑えまでの評価。

おそらく人気の◎メジャーエンブレム。指数でも他を圧倒している。しかし逆転がない差ではない。一応軸馬として推しておく。ただ他の馬は距離かコースのどちらかが低いパターン。拾い漏らしのないようにしたい。相手は○サプルマインド。一発期待は☆ルフォールだ。

2歳女王6メジャーエンブレムの能力が明らかに勝る!休養効果で大幅にパワーアップ。うまくスピードを発揮できれば復帰Vだ。次位は13サプルマインド、末脚は強力で東京で浮上の余地はある。▲は7ダイワドレッサーで重賞好走から侮れない。

　紛れのない東京マイルを舞台としているためか、牝馬限定戦のわりに大荒れの決着は少なく、これまでの実績を素直に信頼できる一戦だ。◎は人気でもメジャーエンブレムとした。この舞台では2走前に苦杯をなめているが、あれは勝ち馬を褒めていいレース。今回のメンバーなら脅かす存在は見当たらない。2歳女王としては少し使い出しが早いが、気性面を考えて、ここから直行がベストという判断だ。とりあえず、桜花賞まではノンストップだろう。
　
　相手本線は、ビービーバーレル。このレースに限っては先行勢一息のデータもあるが、先週の馬場傾向を考えても先の利はあるはずだ。▲にはサプルマインドを。コース向きの決め手があり、鞍上込みで狙ってみたい。