「函館芝は、タフな馬が活躍する」と言われています。なぜかと言うと函館と札幌は寒冷地対策として、欧州と同じ洋芝が使われているからです。洋芝は緑が鮮やかですが、他場で使われている野芝より耐久性が低いのが弱点。つまり、開催が進むほど馬場の傷みが進行し、時計を要すようになります。
今年は、前代未聞の
ウルトラ高速馬場でスタートした函館開催ですが、2回函館2週目となり、さすがに当初の函館芝コースと比べると時計を要すようになってきました。しかも、函館芝2000mは、スタンド前のポケット地点からのスタートで最初の1コーナーまでの距離が約475mと長いコース。その上で
マイネルミラノ、
ヤマカツライデン、
ステイインシアトルと逃げ馬が揃ったとなると、普通なら激流は免れないでしょう。
しかし、
マイネルミラノは、よほど楽に逃げられない限り、逃げるのは厳禁のマイネルルールによりおそらく2番手。
ステイインシアトルは、楽にハナに行けないと判断した場合は、折り合うことを選択する
武豊騎手ですから、意外と
ヤマカツライデン、
マイネルミラノ、
ステイインシアトルでスムーズに隊列が決まるかもしれません。
ただ、レースがスローペースよりの流れになれば、決め手勝負に持ち込みたくない
マイネルミラノが3コーナーから動いてペースを引き上げて行くはず。昨年のこのレースのように、早い地点から11秒台が要求されるタフな流れになるでしょう。よって、本命馬はいい脚が長く使えるタイプがいいはず。また、例年の傾向どおりにある程度ペースが速くなった場合も視野に入れると、中団かその後方列で立ち回れる馬が理想的です。
よって、◎には、昨年のこのレースの3着馬
ツクバアズマオーを推します。昨年は
マイネルミラノが前半5F60秒0のペースで逃げて、後半5Fは11秒台が連発する流れ。
ツクバアズマオーは中団の内目でレースを進めて、そこからいい脚を持続させる形での3着でした。昨年の時点では、
マイネルミラノや
ケイティープライドに完敗でしたが、その後、強豪相手の
オールカマーで3着、
中山金杯を制すなど、地力を強化してのここ出走。前走の
日経賞では11着に凡退しましたが、立て直されての今回ならば巻き返しが期待できるでしょう。
○は、昨夏の五稜郭S(函館芝2000m)の勝ち馬で、時計を要す馬場で行われた昨年11月の
アンドロメダSでも勝利した
レッドソロモン。近2走は2桁着順に凡退していますが、前走の
鳴尾記念は、逃げた
ステイインシアトルが残るペースを出負けして後方からのレースとなったわりに、着差は0.9秒差と決定的に負けてはいません。今回は休養明け3戦目で、さらなる前進に期待します。
▲は、今年の
宝塚記念の勝ち馬
サトノクラウンや昨年のダービー馬
マカヒキが相手の今年の
京都記念で勝ち馬と0.3秒差(5着)の
アングライフェン。前哨戦の前走・
巴賞では出負けしたものの、後方からじわじわと位置を上げ、4コーナーでは大外をぶん回して2着に好戦しました。
函館記念は
巴賞組が優勢のレースですが、その中でも一番いいレース内容だったこの馬に期待します。