【
ライラック咲く11月】
ラッキーライラックの覇権再び。2歳GI・阪神JFは制したものの、3歳クラシックは、
アーモンドアイの才能の前に、
桜花賞2着、
オークスは3着、
秋華賞は9着とハネ返された。牝馬クラシック三冠を走り切った疲れは意外に大きく、緩衝期間も必要だったが、末脚を研ぎ、4歳秋の
エリザベス女王杯で待望のGIを奪取。
香港ヴァーズ2着、
中山記念2着、春の
大阪杯で3つめのGIタイトルを手に入れた。しかし
宝塚記念は、よもやの大雨。タフなミドルペースを嫌い早めに動き出し、水の浮いた湿地帯のような馬場に足をからめ取られ、スタミナを消耗。
札幌記念は前掛かりの意識が強すぎ、他馬の格好の
ターゲットとなってしまったが、タメればどんな脚を使い伸びるのか。
アーモンドアイの背中から
ラッキーライラックのことも見ていたルメールJも、最終追い切りで動かし方を把握。四肢と背中の力強さ、状態自体も前回とは一変。阪神は3勝、坂コースは苦にならない。
逆転があれば
ノームコア。東京マイルを1分30秒5のレコードで走破する、牡馬も一目置くGIマイラー。今秋は中距離へ路線を転換、前哨戦の
札幌記念を過去5年での中で一番速いタイムで勝利した。スタートを決め中団馬群で脚をため、鋭くコーナーを抜け、直線は他馬をねじ伏せる横綱相撲。マイラーとしての資質も高いが、若馬時代2000mの
紫苑Sを1分58秒0で楽勝している。
ちなみに半妹の
クロノジェネシスは、
宝塚記念を制し、4歳の今が盛り。
ハービンジャー産駒の姉も、2200mのGIにジャンプアップは十分あり得る。
単穴は3歳馬
ソフトフルートの瞬発力。二走前の
夕月特別は、後半5Fはすべて11秒台、上り3Fは加速ラップを計測。2着とは0秒7差がありながら、2分0秒0はという時計は一週前の
ローズSと0秒1差という、GIIをしのぐ好内容だった。数字的な下地も整い、いざ挑んだ
秋華賞は致命的な出遅れ。ぽつりシンガリ、追い込み届かずの3着に終わったものの、将来像はより鮮明になった。立場は
チャレンジャー、距離延長はプラス。
夕月特別でタッグを組んだ福永Jも、Vロードのイメージは描けている。
馬場、体調が合致すれば、
ラヴズオンリーユーも首位圏内。ドバイ遠征は中止、
府中牝馬Sは道悪に脚をとられ5着に後退。もどかしいレースが続いているが、
オークスを2分22秒8で駈けた4歳世代のエース。二週前CWで長めをビッシリ追い、直前の坂路は11秒9を馬なり。開催二週目の高速決着の阪神なら持てる決め手を披露できる。多少体重が減っても大丈夫、細いくらいのほうが走る。
サラキアは2000mを超えると勝ち鞍がない。昨年の
エリザベス女王杯は0秒4差の6着に伸びあぐねた。しかし、
小倉日経オープン、重馬場の
府中牝馬Sを一気差し。馬体の強度、末脚の持続力が前年とはまったく違う。
前年4着の
センテリュオも、
マーメイドS2着、阪神2200mと共通点の多い中山のGII・
オールカマーを坂上一気。前年以上のパフォーマンスを期待していい。