【多面体】アリストテレスは、走るたび、新しい才能論理を啓示してくれる。

　3歳春は、相手に合わせながら、呑気そうにして走った。競馬とはなんなのか。理解途上のまま、プリンシパルS6着でクラシックは終了した。しかし夏の新潟2000mは、才能ある3歳馬にとってはひとつの転機。出雲崎特別を1分59秒7・上り33秒2で完勝。残り2F標識からの加速やハミのとり方が今までとはちょっと違う。成長の在処が確信に変わったのが次走の小牧特別だったか。1000m通過・1分0秒7-2000m通過・1分59秒9というよどみのない流れを、4コーナー手前ではもう先頭。坂上2F標識近辺では11秒0という高速ラップを繰り出し後続を完封。2分11秒9という走破タイムは、翌週の神戸新聞杯より0秒6速く、菊花賞クビ差2着で、時計の意味や意義を改めて証明した。仕上がり途上を言われたAJCCも、不良馬場にフォームを適合させながら横綱相撲で完勝。まだ道中ウカウカする面は残っているが、激しく引っ掛かるわけではなく、ルメールJの腕をもってすれば、阪神3000mも順当に勝機。

　対抗一番手はユーキャンスマイル。3000mは昨年の阪神大賞典勝ちも含め[1110]。秋シーズンはひと息に終わったが、この中間は掻き込み強く背中も伸び、フットワークの力強さが違う。ディープボンドも中山金杯惨敗後、短期放牧に出し馬体造りや調教の負荷等を見直し。全力で仕上げてきた。ショウリュウイクゾ、ハンデ戦とはいえ日経新春杯は力でねじ伏せる完勝。57キロ、3000mでも、成長を信じて強気に構えれば、自ずと結果につながる。ナムラドノヴァンにも、まったく同じことがいえる。ダンスディライト、ゴーストもアリストテレス以外なら差はわずか。

　とにかく堅いレースで、無理をするよりはいかに効率的に買うかというレース。◎アリストテレスに逆らうことはせず、○以下も前走出走したレースの格と前走内容で素直に選んだ。

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【軸信頼】今年は天皇賞春が阪神コースで行われることから、例年以上に前哨戦の意味合いが濃い阪神大賞典。9アリストテレスは体調に不安があった前走で快勝。古馬になって順調に力をつけている。2タイセイトレイルは展開一つのタイプ。競り合いになれば勝負強い。10ユーキャンスマイルは昨年の覇者。本番より、今回狙いたいタイプかも。

※3/14時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　阪神芝3000mで行われるGII戦。舞台となる阪神芝3000mは、長丁場だけに淡々とした流れになりやすく最後の直線での決め手勝負になりやすいコースです。本命視しているのは、ユーキャンスマイルです。昨年の阪神大賞典の覇者で、G1経験も豊富。このメンバーなら実力が抜ける子ですし、近走の大きくは目立たなくも終いはしっかり追い込んでこれている走りぶりから距離が伸びるここは大きなチャンスでしょう。

※3/14時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　菊花賞2着馬アリストテレス。コントレイルに食らいついた生粋のステイヤーは前走のAJC杯を快勝して、その確かな能力を証明した。ここでも実力は最右翼。ショウリュウイクゾは前走、格上挑戦だったが勝ちっぷりを見る限り、フロックではない。今の時季は雨も多いが、降雨でも問題なし。ディープボンドは中山金杯14着だったが。これは勝負どころで前が詰まって参考外。菊花賞4着の実績からも怖い存在。タイセイトレイルは前々走に注目。

※3/14時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　距離適性が最大のポイント。「“JRA、かつ2200ｍ以上、かつ重賞のレース”において3着以内となった経験のない馬」は2014年以降[0-1-0-26]とあまり上位に食い込めていません。

　あとはビッグレースでの実績や直近のパフォーマンスも重要。「“前年以降、かつJRA、かつGIのレース”において11着以内となった経験がない、かつ前走の着順が4着以下だった馬」は2014年以降[0-0-1-29]と苦戦していました。

　ショウリュウイクゾ・ディープボンド・ユーキャンスマイルあたりも侮れませんが、やはり中心視したいのはアリストテレス。このコースも問題なくこなせそうです。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　3月に開催されるようになった87年以降で、阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝した馬は延べ11頭。重要度の高い前哨戦として長い歴史がある。ただ、以前と比べて長距離路線の層が薄くなってきたことや17年から大阪杯がGIに格上げされたことが影響して、出走メンバーの層は薄くなりつつある。

1.中距離で戦えるスピードが必要

　昨年3番人気で8着のボスジラ、一昨年2番人気で6着のリッジマン、18年2番人気で4着のアルバートなど、直近の実績が長距離に偏っている馬はスピード不足から苦戦を強いられている。長距離適性はもちろん必要だが、中距離でも戦えるスピードも同時に要求される。

2.先行力より後半の脚

　昨年の勝ち馬ユーキャンスマイルは2周目2コーナーから[9-8-4]と位置取りを徐々に上げて勝利。一昨年のシャケトラも[9-2-2]、18年のレインボーラインも[9-8-4]、17年のサトノダイヤモンドも[8-8-4]、16年のシュヴァルグランも[7-7-4]と、2周目に入ってから動いていく競馬をした馬が勝利している。対して、2周目2コーナーで4番手以内だった馬の連対は過去6年でゼロ。

3.内回り・小回り実績に注目

　過去10年の勝ち馬はすべて、小・内回りコースの芝1800m戦以上で勝利した実績があった。2着馬についても、10頭中7頭がこの条件をクリアしている。コーナー6回でゴール前の直線が短いというコース設定なので、不器用なタイプは苦戦傾向にある。

　ダンスディライトは全4勝を阪神内回りであげているコース巧者。3000mは適性より長いかもしれないが、中距離でも戦えるスピードが求められるこのレースならこなせても良いと見る。また、鞍上が福永祐一騎手に戻るのもプラスだろう。前走の京都記念を敗れたことで妙味もありそう。

　アリストテレスは前走仕上がり途上で馬場も合わなかったが地力で押し切った形。本番は次だが、ここも勝ち負けを期待できるだろう。ユーキャンスマイルはここ2走惨敗も相手が強かった。昨年勝った舞台に戻って巻き返しを期待したい。

　ショウリュウイクゾは前走馬場や斤量に恵まれた面こそあれ、内容は上々だった。阪神内回りは合っており、再度一発駆けがあっても驚けないだろう。以下、前走は後手を踏んだゴースト、距離適性高いナムラドノヴァン、昨年3着のメイショウテンゲン。

【順当決着】前走のAJCCで、その力が本物であるのを証明した09アリストテレス。明日はかなりタフな馬場になりそうだが、それをこなせるパワーと適性を備えている。好仕上がりで、距離延長も当然プラスだ。相手は、08ショウリュウイクゾと02タイセイトレイルの2頭が上位評価組。堅く決まりそうなので、ここは◎-○▲の馬連・馬単主体で勝負したい。

【小波乱】タイセイトレイルは条件が合う。アリストテレスはセンス上々。タイセイモナークは対応力がある。

GII阪神大賞典。芝3000m戦。雨降ってさらにスタミナとパワーを要求される馬場になるのか。前走不良馬場でもまったく問題なく100台で勝っている◎アリストテレス筆頭。相手に平均値トップ○ユーキャンスマイル。ここからの3頭目がどれになるかという感じ。前走値108▲ダンスディライト。一発に4歳馬☆ディープボンド。距離初だが平均値上位△アドマイヤジャスタ。馬場悪化なら△メイショウテンゲンも。

4歳を迎えて大幅にパワーアップしてきた9アリストテレスが有力。菊花賞2着の好走から典型的なステイヤー。ここは順当勝ちだ。次位は昨年の覇者10ユーキャンスマイルで条件はベスト。▲は6ディープボンドで素質は高く成長力は大きい。