【重の岩田】最終週の荒れ馬場、
スカーフェイスと岩田康Jが直強襲に打って出る。母は
阪急杯・
CBC賞2着というスピード系、本馬の1から2勝クラスの勝ち星もマイルだった。ただ少しエンジンのかかりが遅い。距離適性や戦法を試行錯誤してきたが、3勝クラスの2000m戦の勝利を契機に、昨年12月のチャレンジCから本格的に重賞に
アタック(最速の上りをマーク)。続く
中山金杯は坂上豪快に2着に急伸。4月の
大阪杯は勝ち負けには参加できなかったものの、ラチ沿いから馬群を縫うようにしてGIの舞台でも最速の上りで伸びてきた。
函館記念は得意の重馬場、1000mは60秒1のHペース。重賞奪取のお膳立ては整ったかに映ったが、先着を許した2頭も重は大の得意。内か外か。切り替えに一瞬躊躇したぶん、
アクセルを踏み遅れた。もったいない3着だったなぁ。なんて、左回りに良績は乏しいが、以前とは馬が違う。斤量は55キロ据え置き。雨馬場の
新潟記念は岩田Jの腰の入った追い込みがよく似合う。強敵は
エヒト。時計は地味ながら昨年末の
サンタクロースSの勝ちっぷりは何故か印象深く、GII・AJCCは0秒7差、
京都記念は0秒4差。着順ほどは負けてはおらず、
七夕賞もひょっとして――△印を打ちかけたが、レース史上屈指の1分57秒8で楽勝だよ。道中のラップも文句なし。条件戦ではあるが57キロで勝ち星もある。割って入れば3歳馬
フェーングロッテン。ひとつ上の半兄の
ピクシーナイト(父
モーリス)は、
CBC賞2着、
セントウルSを2着し、
スプリンターズSを奪取。父が
ブラックタイドにかわり適性距離は変化したが、紐解けば2歳夏の小倉・芝1800m新馬戦は、後のダービー馬
ドウデュースと0秒6差の3着だった。二戦目の中京・芝2000mは
サトノヘリオス(
ラジオNIKKEI賞3着)と0秒1差の2着(勝ち馬のタイムは2歳レコード)。
エリカ賞は10着、1勝クラスの条件戦は6秒8の大惨敗を喫したが、整備期間を設け大
寒桜賞からブリンカーを着用(3着)。二走前の
白百合Sから松若Jとタッグを組み、有無を言わせぬ強気の逃げを決めた。ラジオNIKKE賞は戦法をガラリ一変。中団馬群の内でジンワリと脚をため、直線ラチ沿いをイン強襲。1分46秒7という記録も決して凡庸ではなく、GIIIなら古馬をひとのみ。予想以上のジャンプアップ力を秘めている馬なのかもしれない。
カイザーバローズは5月の
新潟大賞典・1分57秒8(2着)で、コース適性と立ち位置は確認済み。体質が弱く
鳴尾記念は馬体減の影響で6着に伸びあぐねたが、造り直しを完勝、覇気が戻ってきた。じれったさが抜けきれないが、
ヒートオンビートはOP入りし[0422]。
七夕賞の上りは最速、小回りよりは新潟の10Fのほうが加速も少しはスムーズになる。
サンレイポケットはブリンカー効果も見られ、体調は高値安定。今回も57.5キロのハンデとの戦いとなる。