【滑り出る】来春のクラシック候補がズラリと顔をそろえたが、
フォルラニーニの資質を筆頭に置きたい。祖母は
マルペンサ、日本のアルゼンチン繁殖ブームの魁となった名牝。
母の兄
サトノダイヤモンドは
菊花賞・
有馬記念優勝。
母リナーテの勝ち星は6つ(
京王杯SC2着・
京都牝馬S2着)。
エピファネイアを配した長男は、目元や口元、四肢の造り、性格など母の
父ステイゴールドの血を併せ持つ。
新馬戦はまずスタートを決め2番手の外で安全策を敷いた。1000mは62秒6のスロー、しっかりと折り合い淡々と4コーナーへ。内の馬が外に張ってきたため一瞬
バランスを崩しかけたが、フォームを矯正し一気に四肢をフル回転。稍重の中山の急坂を上り34秒6、ラスト2F・推定11秒6-11秒0という加速ラップで滑るように駈け上ってきた。
走破タイムは2分2秒7止まりだが、一つ年上の
ソールオリエンスの3歳1月の
京成杯時計とラップは酷似(良馬場2分2秒2・上りは34秒5)、密度の濃いレース内容だった。高めの
テンションは気掛かりだが、調教の負荷を一段アップ。それに応え筋肉は膨らみグリップ力も確実に増している。
強敵は
ファーヴェント。祖
母リーサルヒートは海外G2・G3各1勝、G1・
デルマーオークス3着。
母トータルヒートは短距離ダートで3勝をあげ、芝短距離に転じ2勝を積み上げた。慎重で知られる藤原英厩舎が2歳夏のCWで6F追いを課し、キチンと攻めに耐えうるだけの健やかな心身を備えており、新潟の9F新馬は1000m通過・64秒5の超スローにも折り合いはピタリ。
直線入り口、手綱をしゃくると即座に戦闘モードに突入。ブレのないフォームで上り3F・推定10秒3-10秒6-11秒2(33秒1)で後続を圧倒。充電期を経て重量感と威圧感は一割増し。最終追い切りの坂路調教は、力強いグリップで真一文字に駆け上がってきた。
単穴は
シャンパンマーク。父に
キズナを配し、本年の
NHKマイルCを勝った半兄
シャンパンカラーより全体の造りが長い中距離体型にかわった。東京9Fの新馬戦の上りは33秒1、上り2Fは推定10秒8-10秒6。父譲りの持久力に加え強力な瞬発力も備えている。
ガイアメンテのスケールと巻き返しにも注目。父は
ドゥラメンテ、母は米国G1・BCフィリー&メアス
プリントなど重賞4勝(全12勝)。2011年のエクリプス賞・最優秀短距離牝馬に輝いた快速馬、血統図は華やかだ。
デビュー前の栗東の坂路で終い1F・11秒9を楽にマークしており、新馬戦はひと気合つけただけの馬なりで2馬身差の楽勝を演じた。
札幌2歳Sはパドックを周回するにつれイレ込みがどんどん激しくなる。
加えて、今年の札幌も猛暑にたたられ、雨が降ると適性が大きく分かれる特殊な洋芝となり、4コーナー手前ではフットワークがバラバラ。泳ぐようにして6着入線がやっとだったが、稽古の動きや馬体を見ると評価は落とせない。今回は
テンションを上げないよう耳袋を着用予定と聞く。
シュトラウスは
サウジアラビアRCは折り合いに四苦八苦。馬に遊ばれ3着と末を甘くしたが、心身を今一度見直し。新装なった美浦坂路で50秒9-37秒4-12秒3という破格のタイムを計測。モレイラJは遊びは許さない。
ミカエルパシャは水分の多い稍重馬場を上り3F・11秒台の連続ラップで逃げ切りV。調教および完成度は高い。
ショウナンラプンタは
キズナ産駒の特徴でもある持久力に溢れ、新馬戦は上り4F・11秒台のタフな連続ラップで他馬をねじ伏せた。