【器はGI、ベストは9F】
ソーヴァリアントの器はGIIをひとつ超えたGI級扱いでいい。初の9Fになるが、距離短縮も決してマイナスにはならない。少し古い記録になるが、能力の起点は二年前の札幌2000mの1分59秒8。開催は異なるものの、
ソダシの
札幌記念と0秒3差の好タイムで楽勝を演じている。
チャレンジCを連覇したが、一昨年は1000m通過は62秒9、スローの瞬発力勝負。たまらんとばかりにいち早く上り4Fから一気に11秒7にペースアップ、続く3Fは11秒6-10秒8-11秒6で寄り切り。阪神の急坂を実測値として10秒8で突き抜けた。
オールカマーは心房細動発生、シンガリに沈没したが、去年の
チャレンジCは前年とは一転、1000m通過は57秒7のHペース。その激流ではさすがに上り3Fは11秒6-12秒2-12秒2(36秒0)を要したけれど、1800m地点で早々先頭、通過タイムは1分45秒3。ラップ数値の推移を見ると、スローでもHペースでも、9Fの地点が一番強かった。二週にわたって圧巻の時計を南Wで連発、心房細動の危険もなく、今は心臓に毛が生えている?
対抗は
ヒシイグアス。一昨年はGIII・
中山金杯に続きGII・
中山記念を過去十年では最速の1分44秒9で駈けた。
宝塚記念は1000m通過は57秒6-2000m通過は1分57秒3。後半5F・11秒9-11秒8-11秒9-12秒0-12秒4という、
タイトルホルダーの命を燃焼するかのような魂の走り。残り100mでアゴが上がったが、自身も2分10秒0で駈け小差2着は立派。夏負けなど厳しい期間も過ごしたと聞くが、同じ休み明けでも
天皇賞・秋や
大阪杯時より、南Wの調教本数および6F追いは多く、一週前の本追い切りでほぼ態勢は整った。
三番手は
シュネルマイスター。3歳春の
NHKマイルCを勝ち
安田記念3着。秋の
マイルCSは
グランアレグリアの2着。
グランアレグリアの後継者としてGIマイルシーンを牽引するかに思えたが、去年の
安田記念は行き場をなくすロスが生じ2着。
マイルCSはスローに泣いた。
香港マイルはパドックでは普通に歩けていたが、発走直前
テンションは
マックス。見せ場なく9着に沈没したが、中間元気が有り余るくらいに動きは闊達。鞍つけの時間を早めイレ込みをなるべく避ける案を考えているとも聞いた。中山は[1101]。2000mの
弥生賞は明らかに距離が長かったが(3着)、マイルの
ひいらぎ賞は3-4コーナーでワープ、2着には0秒5差。
毎日王冠を1分44秒8で勝っており、右回りの9Fも基本的には問題ない。
勝ち鞍の精度を数字等で証明し切れず惑星としたが、
スタニングローズは
オークス2着、
秋華賞快勝、そして中山も2勝。
エリザベス女王杯は出走前の輪乗りでしきりに下を気にする素振りを見せていたが、道悪は空っぺただったんですね。高野厩舎の坂路2本スパルタ追いにもグイグイとハミをとり、終い1F・11秒8で登坂。吉田隼Jとの新コンビも息はピッタリだ。
海外遠征明け、中山はやや成績に波があるぶん慎重に連下としたが、
ダノンザキッドは
毎日王冠3着、
マイルCS2着、
香港カップ2着と近走充実。
イルーシヴパンサーは
東京新聞杯を1分32秒3で駈け、
安田記念でも本命を打たせてもらった逸材。
京都金杯イン強襲で資質のほどを再確認できた。相変わらず舌越ししたり遊びも多い馬だが、右回り、9Fに瑕疵はない。
連穴は
ドーブネ。
白富士S2着の内容は特筆すべき数値は見当たらない。しかし三走前の武田尾特別は、スローの上り勝負とはいえ上り3Fは11秒5-10秒4-11秒0(32秒9)という出色のラップを並べた。二走前の
逆瀬川Sもラスト4Fめは11秒8、続く3F10秒9-11秒4-11秒8(3Fは34秒1)。9Fに限れば重賞レベルとなる。
※平場レースの予想は今回で終了させていただきます。