【中距離界の一等星】
スターズオンアースの進化に注目。祖
母スタセリタはルメールJとのコンビで仏
オークスを制覇、母の妹は
オークス馬
ソウルスターリング。ハミ受けやフォームを矯正しつつ経験を積み、内枠圧倒的有利となった
桜花賞は密集馬群で我慢。残り1F標識過ぎ馬群をこじ開け急加速、培ってきた精神力の高さと
パワーでGIの扉をこじ開けた。
オークスは
桜花賞とは一変、前半1000m通過は60秒6のスロー。コースロスの大きな18番枠からの進発となったが、上り3F・11秒3-11秒7-11秒8(34秒8)というレースラップに対し、自身の上りは33秒7。頼りなく細く映る身体造りでも脚色は断然、心地よい加速ラップで軽々と突き抜けた。
秋華賞は軽度とはいえ骨折明け。身体造りはギリギリ間にあったものの、時間が経つにつれパドックで首をせわしなく上下に振る頻度が高くなった。うーん、出遅れるべくしての出遅れ。1000m通過はスロー寄りの59秒7、しかも阪神10Fは内回り。
先行馬群は崩れず、ラスト4F・11秒8-11秒5-11秒5-11秒8(3Fは34秒8)という速いラップが淡々と続き、針の穴を通すような一か八かのイン強襲に賭けるしかなかったが、上り3F・33秒5というひとつ桁の違う末脚で3着急追。1分58秒6という決着タイムも、
アーモンドアイや
ヴィブロスの
秋華賞の記録と同レベルだった。
今季は体調と体造りをまず第一に考え
大阪杯をチョイス。細かった
オークス時とは
シルエットは一変。木曜計測は496キロと大幅に増えているが、重め残りというよりはビルドアップ。骨格に筋肉がへばりついているような身体だった
オークス時から、
オオタニさんのように肉体改造が成功したと考えたい。体力が増したことで調教のグリップ力や加速、そして上りラップも大幅な進化が見て取れる。
対抗一番手は
ヒシイグアス。一昨年はGIII・
中山金杯に続きGII・
中山記念を過去十年では最速の1分44秒9で駈けた。
宝塚記念は1000m通過は57秒6-2000m通過は1分57秒3。後半5F・11秒9-11秒8-11秒9-12秒0-12秒4という、
タイトルホルダーの命を燃焼するかのような魂の走りを、勝ちに行っての2着。
残り100mでアゴが上がったものの、レコードに0秒3差の2着は立派。前年の
大阪杯は見切り発車で体調が整わず4着に終わったが、本年は
中山記念を完勝。さらなる上昇曲線を描きつつGIに挑む。
ヴェルトライゼンデの勝負強さも特筆もの。1年4か月もの長期休養も余儀なくされたが、3歳時のラ
イバルは
コントレイル。中京10Fの
鳴尾記念で復活の狼煙をあげ、
ジャパンCは一旦先頭3着奮闘、
日経新春杯は59キロを背負い力で後続を封じ込めた。
阪神内回りの2000mは初めてになるが、中京10Fで巧みにインを突けるレース巧者は、
スワーヴリチャードや
アルアイン、そして去年の
ポタジェ等々、内回り阪神10Fは苦にならない。鞍上に川田Jとあれば、進路を失う事態も考えにくい。
直線の短い内回りのぶん惑星としたが、
ジェラルディーナも力量はまったくの互角。
エリザベス女王杯で血統開花、
有馬記念3着で牡馬一線級相手の立ち位置も把握できた。
ジャックドールは、去年は
金鯱賞レコ勝ち明け。目に見えない疲れも微妙に影響したか。エキサイト気味に逃げ5着に失速したが、香港遠征後ジックリと立て直し、身体の張りと覇気が全盛期の頃に近づいてきた。
マテンロウレオの
京都記念の2000m通過は1分59秒3。勝ち馬に離されはしたが、地力強化が数字からも見て取れる。