【針が振れてきた】
オメガギネスが古馬A級勢力に追いつき、そして追い越す。2歳夏場に骨折、デビューは年末の12月にずれ込み仕上げは恐る恐る。心身ともになるべく負担をかけないよう末脚勝負に徹し2連勝を果たした。キャリア3戦目で挑んだ9Fの
レパードSは、スローに我慢が利かず前半部分でちょっとばかりエキサイト。前走の
東海Sも同様、折り合いを欠きコントロールに苦労したが、ゴール手前までなんとか我慢。資質と能力の高さで2着は確保した。ただタンク型の体型や前向きな気性――そしてスピード数値などを見ると、本格化が近づくにつれマイラーに針が振れ出した。芝からスタートする東京1600ダートはグリーンチャンネルCで経験済み。1000m通過・58秒9という澱みのない流れを身体を丸め好位で進め、メンバー中最速の上がりをマーク。直線合図を送ると後続に3馬身半と弾けた。1分34秒3という時計評価が悩ましいが、不良馬場は重馬場より逆に上がりは
パワーを要する(重より少し時計がかかるときがある)。ちなみに同レースで一番人気に支持された
ペリエール(3着)にはルメールJが騎乗、
オメガギネスの速力と才能の在処を隣りで肌で見知っている。過去10年
フェブラリーSを勝った4歳馬
コパノリッキー、
ゴールドドリーム、
モーニン、
カフェファラオもみんな57kgは初めてだった。58kgは初となるが、古馬の斤量も一昨年までは牡馬は57kg、昨年から58kgへ増量され、意外と58kgは久々だったり初めてという古馬も多く、斤量云々にはこだわりすぎないほうがいいのかもしれない。
強敵は
ウィルソンテソーロ。1500mの交流重賞のかきつばた記念をレコードで駆け、2000m-2100mの交流重賞2勝。GI・
チャンピオンズCでは最速の上がりを繰り出し2着急追。
パワーを要する大井の東京大賞典は一転2着に逃げ残り。幅広い距離で戦法は逃げ差し自在。砂質やコース形態を問うことなく[7-2-0-2]というダート戦績を積み上げてきた。条件時代ではあるが東京マイルは2戦2勝、馬群で砂を被っても折り合いはピタリ。スムーズに末脚を伸ばしており、ワンターンの当コースのレース運びが実は一番スムーズだった。480kg台を長く保てており、中間の調教メニューと動きも高いレベルで維持出来ている。
割って入れば
キングズソード。初の重賞挑戦となった
アンタレスSは小差3着に惜敗したが、三宮Sそして小回り小倉の
阿蘇Sを好タイムで差し切り勝ちをおさめ、JBCクラシックを射止めた。東京大賞典は1番枠のため終始レース運びが窮屈、行くか控えるか。中途半端な競馬になってしまったが、基本は8-9Fの決め手勝負タイプ。初コースになるがワンターンの東京は伸びやかな走りが頭に浮かび、適応性が高い可能性がある。
ドゥラエレーデも小差。芝は1Fの最高速度に限界があり展開や馬場に注文がつくが、ダートはUSAダービー2着、ムルザバエフJとのコンビで
チャンピオンズC3着、東京大賞典3着など[1-1-2-0]。東京マイルの流れにもアジャストできる腕と器用さを備えている。
ガイアフォースにも一発の魅力。
クロフネ産駒の
母ナターレは地方ダートで7勝、重賞戦線で入着歴多数。ダート対応の可能性は高く、
安田記念小差4着が示す通りワンターンの東京マイルは芝に限らずダートでも終わって見れば条件ベスト?
ブリンカーを装着し、レース運びに安定性とダイナ
ミックさが出てきた
ペプチドナイルも、今なら東京マイルでも十分楽しめる。
根岸Sのようにペースや展開に泣かされるケースも時々あるが、
タガノビューティーの地力が押さえ。