真夏の新潟の風物詩・
関屋記念が行われます。
「1600mのうち1200mが直線部分」という特殊なコース形状と、「コーナーが下りでスピードを乗せやすい」という起伏のために、基本的に緩みはない高速決着になるレースです。
関屋記念(G3・新潟芝外8F)
2006:35.6-23.4-33.5=1'32"5(
カンファーベスト)
2007:34.4-22.9-34.5=1'31"8(
カンパニー)
2008:36.0-23.9-32.9=1'32"8(
マルカシェンク)
2009:34.6-24.4-33.7=1'32"7(
スマイルジャック)
2010:36.2-23.5-33.2=1'32"9(
レッツゴーキリシマ)
※「テン3F-中盤2F-上がり3F」で表記、( )内は勝ち馬。
コース改修後の10年間、ずっと「1分32秒台以内」の決着が続いますが、ここ3年は1分33秒台に近付いており、ハロンラップを見ても道中に「12秒台」が2つずつ入っています。僅かな機微ですが、所謂「中弛み」化の傾向と言っていいかもしれません。
実は今回の流れをどう読むかで、買うべき馬も変わってきます。ごく単純に言えば「『急流』ならばス
プリンター・ダート馬などの一息に脚を使えるタイプが、流れ込んで穴を開ける」「『中弛み』ならば息を入れて流れ込める、マイラーの逃げ・先行馬が穴を開ける」という傾向。
2-7ハロン目がずっと「11秒台以内」の『急流』だった06・07年は、それぞれ
ダイワバンディット・
シンボリグランといった「マイルはちょっと長い馬」が2着激走していますが、『中弛み』になったここ3年は
タマモサポート・
マイネルスケルツィ・
レッツゴーキリシマといった「8-9F得意」の逃げ・先行馬が3着以内に残って穴を演出しているのです。
そして忘れてはいけないのは、どちらの流れでも「中長距離戦、特に東京の9-12Fで格の高いパフォーマンスをしている馬が圧倒的に強い」ことでしょう。
05年2着
ダイワメジャー(
天皇賞・秋1着)
06年3着
テレグノシス(
毎日王冠1着)
07年1着
カンパニー(
天皇賞・秋1着)
08年1着
マルカシェンク(ダービー4着)
09年1着
スマイルジャック(ダービー2着)
このように、見事に毎年「東京9-12FのG1・G2上位馬」が活躍しています。単なるラストの切れ味ではなく、中盤-上がりで長くいい脚を使える「持続力」が上位であれば、一見「マイルはやや短い」馬でも力を出し切れる条件だと考えていいでしょう。
今年はG1・G2実績馬が乏しいので、その「格上」のハードルを下げる方向と、思い切って昇級馬から狙う方向、両方のフォローが必要でしょう。
昨年2着の
セイクリッドバレーは、昨年大回りコース重賞で「
新潟大賞典2着→
エプソムC4着」だったのが今年は「1着→3着」と着順を上げており、持続力UPと考えればやはり「買い」の1頭。他では、東京に加えて新潟・京都外回り実績を重視して、
関屋記念で08・10年の2回馬券になっている
リザーブカード、ダービー5着がある
レインボーペガサス、
マイルCS5着がある
アブソリュートをマークします。
重賞実績がない格下馬では
エアラフォンが人気でしょうが、中距離実績があって先行できる
エイシンサクセス・
ガンダーラの方が、穴馬の条件に合致しそうです。
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セイクリッドバレー・
リザーブカード・
レインボーペガサス・
アブソリュート(大回り重賞実績から持続力上位)、
エイシンサクセス・
ガンダーラ(中弛み先行での穴馬パターンに合致)