今年でまだ5回目と歴史の浅い重賞ですが、過去4年の勝ち馬から
トランセンド、
ミラクルレジェンド、
ホッコータルマエと、3頭ものちの古馬チャンピオンを輩出しています。数少ない3歳のダート重賞ということもあって、将来のダート戦線を占う上でも見逃せない一戦と言えるでしょう。
新潟のダートコースは直線が長いものの、コース形態自体は小回りでコーナーは急カーブなので、3コーナーから4コーナーでいったん減速を強いられます。先行馬はそこで息が入るので、ゴール前に坂がないことと相まって、差し一辺倒の馬では苦戦する傾向が顕著です。
トランセンドや
ホッコータルマエのような、先行スピードに優れた馬を中心に置きたいところです。
基本的には、
ジャパンダートダービー(JDD)や
ユニコーンSなど、3歳のダート重賞を使われてきた馬と、古馬1000万条件で好走していた馬との対決、という図式になります。なかでもJDD組は、レベルの高さにくわえ「小回りで直線が長い」という大井競馬場のコース形態が新潟に似ていることもあり、最有力になります。
次に来るのが、古馬混合の厳しい流れを経験している1000万条件組。
ユニコーンS組は、じっくり構えての差し比べになる東京ダート1600とのギャップに戸惑って、力量を発揮しきれないケースが多く、過信はできません。
ケイアイレオーネはJDD3着。不器用な脚質が懸念されましたが、小回りの大井で早めに動いていって、強い
クリソライトに勝負を挑んで2着とは小差に踏ん張りました。けっして悲観すべき内容ではありません。新潟コースはけっして歓迎ではありませんが、相手関係は一気に楽になります。ドバイのUAEダービーに挑戦したほどの力量馬が復調したわけですから、軽くは扱えません。
インカンテーションは前走の
濃尾特別を2馬身差で快勝。春の
伏竜Sでは、この世代の最強馬の一頭
コパノリッキーに小差の4着でしたから、重賞でも能力比較では上位の存在です。左回りも問題なく、スタートさえ決まれば安心して見ていられる一頭。
サトノプリンシパルは
伏竜Sが3着で、前走は
御嶽特別勝ちと、
インカンテーションと甲乙つけがたい戦績を残しています。スタートセンスも良く、コース替わりも歓迎でしょう。逃げられなかったときは大きく崩れることもあり、安定感を欠くのがネックですが、530キロを超える大型馬でスケールは大きく、将来のチャンピオン候補に数えられます。
関東オークス組はレベル面に疑問があるので狙いを下げます。穴は、はまったときの差し脚が強烈な
ジェベルムーサ。以下、1000万条件で大崩れしなかった
クリノヒマラヤオー、
シグナルプロシードにも注目。